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第二百六十五話

妻達もここ最近にしては珍しく色々手伝いに来てくれた。

一部はガヤだが。

俺の自由が半分以上は確約されたも同然なので、一旦休憩にして皆でお茶をする。


一つの部屋では収まらないので俺は子供達とまったりティータイムだ。


何故か領地にミザリア母様が気付くと居るんだよな。

いや、下手すると部屋のどこかに居たりする。

恐ろしや…。


「このお茶はサカイで最近多く輸入出を行っている緑茶だね。 苦いけれどあったかくて美味しいでしょ?」


「「これ美味しい!」」


「自然な味で幸せ~」


一人だけ感性が御年配じゃないか?

まぁそれは良いとしても、子供達にも緑茶が受け入れて貰えたのは案外嬉しいかもしれない。

緑茶も改良して良いモノを自領でどうにか作っても良いかもしれないな。

ただし、しばらくは完全に精霊や妖精の力を借りる事になるが。

その分の対価は用意するから大丈夫だとは思いたいところではある…と言う淡い期待段階だ。


ここで俺は気付いてしまう。

マルディン領に緑茶を任せたらどうだろうか…と。

ふふふ…、待ってろよアレク父様。


「パパが怖い顔してる…」


「いつものことだけどなんか不気味…」


「お茶美味しい!」


やっぱり俺は顔に出るらしい。


「じゃあパパは少し色々やってくるから、皆はここで団長かキングの言う事聞いて大人しくしててね」


「「「はーい」」」


団長、キング…すまない。

君達は尊い犠牲として選ばれたのだ。


彼らを放置し、ミザリア母様を探す。


「あ、ミザリア母様! とあるお茶の改良をしようと思ってて、これなんですけど…」


「あら、緑茶ね…。 これの品種改良となると確かにそうね、私の力と…ドライアドが適任かもしれないわ。 他にも水の精霊は居るけれど、私程では無いのよね」


「なるほど、ドライアドさんにも相談してみたら良いでしょうか?」


「要らないわよ。 私の方から言っておくわ」


「あ、ありがとうございます」


なんと頼りになる母だろう…。

敵にだけはしてはいけないと本能が察知する。

恐らく顔が引き攣っている事だろう。


「あら? その顔は信じられないのかしら? 貴方なら分かるだろうけど、植物は水が無いと生きられないの。 だから私の方が優位ね」


半分は良く理解出来なかったがまぁ、そう言う事なんだろうなぁ…と片付ける。


人族であっても常識が通用しないのに他種族に常識が通用したらそれは奇跡だとすら思い始めたのだった…。

いや、悪い意味では無いんだが…。

例えば元【色欲】なんかは種族がサキュバスなせいで現状も若干の嫌悪感を持たれたり、差別をされている。

だが、その種族としては『それが当たり前だった』からなぜそんなに怯えられるか分かってはいないのだ。

ただ歩いていても怖がられるだけ…きっとそんな印象だろう。


そういう僅かだが大きなしがらみが無くなる良い領地にする為に俺はまだまだ頑張らないといけないらしい。


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