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第二十五話 人語を解すオーガ

最後に残ったのは面接だ。

今は皆で面接会場に皆で向かっている。


「うわぁ! オーガが出たぁ!」


オーガは僕の知っている魔物の中でも腕力に秀でているが素早さもある...かなり厄介な敵だとか。


それがなぜ王都のど真ん中に!?


「試験は一時中止! 避難を最優先にする!」


僕達は指示に従い避難しようとする。


すると、


「マオウサマノタメニキサマラコロス!」


カタコトで何かを喋っているようだがそれどころではない。

と巨大な一本角のオーガが僕達の目の前に現れたのだ。

オーガの角は少ない程上位の種類に値する一本角は(キング)将軍(ジェネラル)統率腫と呼ばれる個体の可能性が高い。


なんとか避難した人も居るようだったが殆どがその場から動けずにいる。

僕達に逃げ場はない。 皆がほとんど怯えてしまっていてどうしようもない。

僕は一か八か戦闘を行うことにした。


こちらに助けが来るまで粘れればそれでいい。


小手調べに錬金術でエアカッターを行使するも皮膚が思っていた以上に硬く、ウィンドカッターが通らない。


続いてファイアボールを詠唱しながらアイスアローを錬金術で模倣し、放つ。


これも無傷だ。


しかも、それを放った事でこちらに意識が向いてしまった。


マジックバッグから剣を取り出し、こちらも構えを取る。


相手の方が反応が...!


速いッ!


思っていた以上に素早く、見切るので精一杯だ。

ウルフなんて比じゃない速さをしている。


「シッ!」


なんとか攻撃を避けながら小振りで脚の腱に向かい一閃。

浅く入った。


この剣の切れ味ならなんとか渡り合えるかもしれないが...このままでは子供の僕では力で押し負けるだろう。 何より圧倒的にスタミナが足りない。

早く助けが来て欲しい。

そう思っていると僕は吹き飛ばされる。


なにが起こったのか一切分からなかったがオーガが何かをしたということだけは分かった。

殴ったのか、蹴ったのか、全然見えなかった。


「イタイジャナイカ。 オマエサイショニコロス」


オーガのヘイトが完全にこちらを向いてしまっている。

時間稼ぎだけでも出来ればいいんだが、その前に死にかねないぞ。

周りの人間は戦意を失ったままで呆然としている。

僕は立ち上がり剣を握りなおす。 まだ何処かに勝機はあるはずだ。


「やめなさい! 死んでしまうぞ! 君も逃げるんだ!」


一人の教師が叫ぶ。

それに気付いたオーガは教師に殴りかかろうとする。

僕は走り抜けそれを受け流し(パリィ)


重い、重すぎる!

そこでオーガの蹴りが入る。


「ガハッ!」


吹き飛ばされるが受け身を取りなんとか立て直すも確実に骨は何本かやられてしまった。

立ち上がるのがやっとだ。

だが剣を握り直し、ファイアアローの詠唱を開始しながら詰める。

魔力をめいっぱい剣に流し、一閃。

通った。


だがオーガに拳で弾き返され、カウンターを入れられてしまう。 僕はもうこのままでは戦闘の続行は不可能だろう。

絶体絶命だ。 大分時間稼ぎは出来たので騎士団や魔法師団が来るのは時間の問題だろう。

だが、また僕は死んでしまうのか...。


すると。


ドゴォン! と言う轟音が静寂を切り開く。


「待たせてしまったの」


白髪の大きな杖を持った老人がオーガ一撃で屠っていた。


何者なんだこの老人は。




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― 新着の感想 ―
[一言] 願わくば普通の話し方でありますように。
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