第二百四十八話 やっぱりいじられる
「あぁ、疲れた」
「主よ、少々弛んでいるのではないか?」
「それに関しては同意です…」
え、皆そんな顔で見てるの?
俺ってそんな風に思われてた…?
「テイル君…。 ま、気を落としちゃダメだよ…」
追い打ちや。 それ追い打ちや。
それを見て皆が笑ってくれているし、まぁ良いか。
皆仲良く…だよな。
「今回は王都凱旋が無くて良かったよ…。 アレ恥ずかしすぎて死んでしまうレベルなんだよな」
「先輩は昔からそうですもんね」
「うるせっ」
皆が笑顔になる。 それで良いんだよ。
「さて、マーガレット領まであと僅かです。 ところで…あのミザリア様は?」
「あー、あの戦場の時から気付いたら居なかったし、帰ったんだと思うけど」
「なるほど」
ミザリア母様なら大丈夫だろ。 精霊だし…。
(私ならマルディン領に帰ったわよ~)
あ、なるほど。 なら大丈夫か。
一言くらい欲しかったけどな。
(次からは一言掛けるわね)
じゃあ…大丈夫か。
そろそろ一旦野営の頃合いか。
「主よ、ここで野営だそうだが…」
「あぁ、大丈夫。 なんでも持ってるから。 って言うか主って何?」
「主の騎士になると決めたからにはこの言葉遣いは当然でございます」
「あぁ…うん。 じゃ、準備するか」
せっせと準備を進める俺。
皆その手際の良さに驚いているようだ。
さて、これからアレ出しますか。
「主、これは?」
「ん? テントだよ」
「こんな良質な物…見た事がありません…」
「俺の手作りだし、当然さ」
手際良くテントを張る。
高校の時にキャンプの課外授業があったからの知識ではあるがな。
にわか知識万歳!
「よし、じゃあ飯作るか」
キャンプと言えばカレーだろ!
制作過程以下省略。
「テイル君、この匂いは犯罪的だよ!」
「そうだね、私もこれは犯罪的だと思うよ」
「主、これは合法でしょうか…?」
おい、カレーを出した時の妻達のリアクションと全く一緒なのどうなんだよ。
「ま、食えば分かるよ。 な、皆?」
うんうんと頷く一同。
俺が食した事により皆手を付け始める。
味への感想は人それぞれだったが、皆好評だったのは作って良かったと思えるな。
次は何を創ろうか。
そんな事を考えながら俺達は夜を過ごして行った。