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第二十二話 試験当日

試験当日の朝。


僕は試験に向かう為数日かけて王立セントウル魔法学院に向かう。


魔法学院は冒険者ギルドや魔法師ギルドを横目に王城に向けてほぼ一本道でとても分かりやすい。

エクス騎士学院やセントウル魔法学院は王城の近くに建てられている。


これは緊急時に学生を騎士団や魔法師団に一時的に召集する場合があるからだそうだ。

距離もだいぶ近くなってきたのでの僕はその近辺に降ろしてもらうことにした。


御者(ぎょしゃ)を務めてくれているのはメイカだ。


「では、テイル様...ご武運を!」


と元気に送り出してくれたので、僕も、


「ご武運って...。 まぁ、いいや! 行ってくるよ!」


と元気に返す。


ちょっとは緊張しているがメイカやメーティル先生の事を思うと情けない事は出来ない。


ふと校門に目をやると、金髪でロングヘア―な少女と、赤髪でショートカットの少女が談笑している。

二人とも美人で辺りの視線を釘付けにしているのは明らかだ。


そこに淡い青髪でウルフカット風の髪型で酷く濁った瞳の男が近づいていきなりちょっかいをかけ始める。


「君達、俺の妻にならないか? そうだな、金なら幾らでもだそう。 なにせ、我がルクインダルク家の一員になれるのだから光栄だろう?」


すると金髪の方の女の子が気弱そうに言い返す。


「い、いきなりなんですか! 嫌です! 怖いので近寄らないでください!」


赤髪の方の女の子はいきなりの事に気が動転したのか固まっている。


「貴様、ルクインダルク家の嫡男である俺にどんな口の利き方をしている! 不敬罪で捕らえるぞ。 今ならまだ許してやるから今すぐ俺の妻になると宣言しろ!」


僕は一応、まだ貴族なので放っておく訳にも行かないと思い、仕方なくそこに近づく。

すると赤髪の女の子がこちらに気付いて助けを求めて来る。


「そこのお兄さん! 助けてもらえませんか! いきなり絡まれて困っているんです!」


大声を出されてしまったので僕に辺りの目が一斉に向いてしまう。


「元よりそのつもりだよ。 そこの青いお兄さん、女の子達が嫌がっているだろう? お遊びはその辺にしておいたらどうだい?」


「貴様! 我がルクインダルク家に逆らうのか!!」


「それは君の家が凄いのであって、君はまだ正式に跡を継いだわけでもない。 それでこそ法に逆らっているのは君の方だ」


「言わせておけば! 貴様がどんな人間かは知らないが不敬罪で極刑に処してやる。 覚悟しろ」


青髪の男が杖を構える。


僕は一応忠告する。


「言っておくけれど武器を先に抜いたのは君だ、僕は()()()をするが、怪我しても僕のせいじゃないからな」


「黙れ! 風の刃よ切り裂け!」


人前でウィンドカッターを使用している。

攻撃魔法を使ってきたので僕も同じ魔法で相殺する。


「貴様! まだ学院にも入っていないのに俺と同レベルで魔法が使えるだと? しかも杖無しで? 何者だ!」


「そりゃあ、君と同じ貴族の子だし、家庭教師くらい雇っていて当然だろう?」


すると先程まで見ていた慌てて教師達が止めに入ってくる。

青髪の男は悔しそうに、


「くっ、覚えて居ろ! その顔はしっかりと覚えたからな」


完全に三下のセリフだよ、それ。

その青髪のルクインダルク家を名乗る少年は教師の制止を振り切り、そそくさと試験会場へと向かってしまった。

周囲の人間は騒ぎが終わったので、散っていく。

よく見ればさっきまで絡まれていた女の子達も居ないし...。


これから一体どうなってしまうのだろうか、先行きが若干不安である。


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