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第百九十八話 料理見学者【閑話】

「ご自身でご料理をされるのですか? はてさて、貴族であるマーガレット卿ご本人様がご料理をなさった等と知ったら陛下はどう思うでしょうか」


「大丈夫です。 そうなったら俺が全責任をもちますので」


「はぁ、わかりました。 ただ、その料理は私めと陛下、宰相閣下にも食させてください」


聞き間違いだと思いたい。


「はい? よく聞こえませんでした」


「今一度言いますね。 その出来上がった料理は私めと陛下、宰相閣下にも食させて頂きたい。 すなわち、マーガレット卿の分と賢者マーリン様の分…全て合わせて五人分です」


「なんでですか…?」


「…おもしろそうだからです」


この王城やっぱりおかしいよね?

変な人しか居ないかもしれない。 一回中身一新した方が良いよ。


「はぁ、それで使わせてもらえるのなら良いですよ」


「交渉成立ですね。 では着いて来てください」


歩く事数分。 まぁさる高級ホテルの厨房の様な感じの内観の所に案内された。

これが調理場ねぇ。

こんな所で調理された料理でもあまりおいしくないと嘆くのかサリィは。


「料理長はいらっしゃいますか?」


「なんですか…。 バトラー様」


「使用人間で様は禁止だと何度も言っていますよね。 まぁ良いんですが。 今回こちらのマーガレット卿が調理場を借りて何か作りたいと仰ったので少し場所を借りたいのですが…」


「いや、貴族様が料理…いや、まぁあの英雄様だから…何せ聖剣や万能薬を作った方だ。 変な事はしないだろう…。 でも…そうだな…。 条件って言うか…流石に怪我をしたら俺の首が物理的に飛んでしまうんです。 傍で見学させてください」


「それなら俺も全然歓迎ですよ。 料理は趣味程度なので」


と言う事であっさりと了承を得た。

今回は燻製オーク肉のパラパラチャーハン。

この世界にチャーハンはまだない事がざっとした調査で分かった。

そして俺のチャーハン欲は限界である。 故に美味しいと評判の熟成オーク肉!!!

このためだけにわざわざ熟成させたのだ。


「マーガレット卿…これってまさか…」


「呼びにくいでしょうからテイルで良いですよ。 厨房では俺の方が下っ端です」


「な!」


「…テイル。 これはオーク肉だな? しかも熟成してる。 それを小さく切って何を? そんな料理聞いたことないぞ? しかし凄い包丁の運びが熟練の料理人の様だ」


「まぁ見ていてください」


六人分の燻製オーク肉を切り、卵を取り出す。

この卵はコカトリスモドキと言う魔物の卵でとても美味らしい。

ヴァンパイア達が沢山取って来てくれた。

これを両手に一つずつどんどんボウルの中に割って行き、溜まったら混ぜる。

良い頃合いになったのでマジックバッグから特製の中華鍋を取り出し、特製のラードモドキを入れて火にかける。

最大火力! ファイヤー!


「なんだこの鍋? 見た事ない」


「私も初めて見ますね」


そして、冷やした白米を準備しておく。


「手際が良すぎる…これ料理人が泣いて辞めていくぞ…」


良い温度になってきた。 そろそろやるぞ!

卵投入!

じゅわわわ!

最高のハーモニーを奏でながら踊る卵達を一心不乱にかき混ぜる俺。

ここに白米投入!

卵と米が絡み合う様に混ぜていく。 踊る様に混ぜていく。

そこに具材を投入。

この辺で、肉を投入! 鍋を振りながら火にかける。

よし、あとは寄せて…端っこに醤油を掛けて焦がす。

それを一気に混ぜる!!!


あとは盛り付けて完成だ!


…あれ? マーリン様と執事さんと料理長さんが固まってるんだけどどうしたんだろうか???


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