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第百九十三話 エルンス

エルンスの工房の者は全員商業ギルドに加盟してもらえることになった。

ありがたい。

道の舗装に関してもやってみたいとの事で先程話していた中の色んな素材を試して使いたいとの事だった。

何故かエメリーも混ざりたいとの事で…。

まぁ、止めはしないが。


護衛にヴァンパイアを二人ほど付けておくが。

酒造りに関しても樽や必要なものがあれば作ると言ってくれたので助かる。

それと、領主である俺や俺の妻はドワーフでもヴァンパイアでもエルフでも差別しないと伝えたところ涙を流し、仲間を連れてくると言っていた。

更には他の人種にも声を掛けてくると言っていた。


「若ぁ! コレはどうなってるんですか!」


「コラ! 俺は若じゃない! 領主だ! 一応貴族だ!」


「すいやせん!」


「絶対分かってないだろ!」


「職人なもんで…」


「職人だとそんなもんなの?」


「そんな訳ないじゃない…この子がちょっと色々抜けてるのよ」


ですよね。 良かった。

俺の職人に対する価値観が一気に傾いてしまうところだったよ。


「とりあえず、これは、こうしておけばもう困らないから。 何かあったら先輩達に聞きなさい! いいね?」


「あ! そうでした! すいやせん…」


すたすたと走り去っていった。

うーん。


「まぁ…悪い子じゃないのよね…」


「そうだね、マキナの言う通り悪い子では無いね」


「ただ、いつかトラブルは起こすわよ」


「それは親方と領主の仕事でしょ?」


「分かってるなら良いわ」


「サポートはマキナとサリィ…任せたよ」


え? 目を逸らしてため息を…。

そんなに嫌だった?


「頼るならどっちかにしなさいよ」


そっちかい。

日に日に面倒になって行ってる自覚ございますでしょうか奥様方?


そんなことは口に出せるはずもなく。


「ま、サポートは商業ギルドや冒険者ギルドに回って貰うこともあるから最低二人を想定してるんだ。 増えることも想定してる」


「…そういう事ね」


「まぁ、杞憂に終われば良いけどね」


様々な戦禍の中で異種族に対する偏見は生まれて行った。

その為竜人の様に自分達で国を起こした者、ドワーフの様に他に有無を言わせぬ技量を持った者、エルフの様に森に住まい他を寄せ付けない排他的な行動を取るようになった者…様々な者が居る。


彼らが人族の目を気にして暮らすのはおかしい。

そう俺は思って居る。

その為に少しだけ今回は力を貸そうかな。


俺の欲の為にもなるので…。


「テイル…? 悪党みたいな顔してるわよ?」


「流石にそれは酷い顔よ…?」


「テイル様…」


「え、ご…ごめん…ちょっと考え事を…」


「考え事でその顔になってたのなら相当な思考回路だと思うわよ?」


マキナさん誤解です! いや、誤解じゃないけど!

お米と美味い酒と美味い食い物達の事を考えてただけなんですぅ!!!

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