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第百七十話 あの人の師匠

「では、本日契約したらそのまま受け渡し可能です」


用意周到過ぎて驚きが止まらない。


「今日受け渡し出来るんです? 早すぎないですか!?」


「あちらの方々のご都合もあるでしょうし、丁度いいでしょう?」


さっと言われた方向を見たらもうヴァンパイア達が向かってきているのが見えた。


「…なんで知ってるんですか?」


「かの勇者を賜る英雄ですからね。 ましてや王一角兎をテイムしている。 多少の事は想定済みですよ」


商人恐ろしい…。


「じゃ、じゃあ必要最低限の家具だけ買いに行こうかな」


「それもある程度は準備済みで後は布の選定等で本日中の納品が可能ですよ」


この人の方がチートでは? 完全にチート商人じゃん。

俺このまま商売やっていけるのか…?


「ありがとうございます。 じゃあそちらに向かいましょうか」


「えぇ、ご案内致します。 ちなみに、王家御用達の職人ですので腕はかなりの物ですよ」


そんな人が良く依頼受けてくれたな…。


馬車を走らせて少し経つと辺鄙な所へと到着する。

王都の外れのほうなのだが、かなり大きな敷地に作業場を構えている様だった。


「失礼します。 ゴードム様はいらっしゃいますか?」


ゴードム…。 凄く似た名前を知っている。


「頭ぁ! お客さんですぜー!」


「おうよ、今行くぜ」


出て来たのは想像と大違いのドワーフの男性だ。

男性…だよね?


「俺がゴードムだ。 伯爵さん、あんたウチのゴードンが武器を見繕った事があるそうだな?」


「あ! やっぱりそうなんですね。 名前が似ているから関係者かと思いました」


「俺達みたいな職人のドワーフは弟子に自分と似た名前を付けて独り立ちさせるんだよ。 それに、ゴードンは俺の拾ってきた息子みてぇなもんだ」


ワケありかよ!


「そうだったんですね。 ゴードンさんのお店も近々行かなきゃですね」


「あぁ、そうしてやってくれ。 あいつも喜ぶだろうよ。 それで、ベッドやテーブル、ソファなんかの土台は何パターンか作ってあるんだ。 ちょっと見て、布と中に入れる綿を選んでくれ」


「はい、ちょっと見てみます」


そう言って案内された場所にはずらっと並ぶ家具達が並んでいてある種の絶景だった。


「まず、この中から好きなデザインを選んでくれ」


ちょっとゴードムさんニヤついてるぞ?

一つ一つを鑑定で見てみる。


どの家具にも一つずつ 『土精霊の恩恵』 の付いてるものがある。

これはゴードムさん…俺を試したな?

各種それを指定し、個数も指定していく。


「あぁ、個数は聞いてた通りもう用意してあるぜ。 伯爵さんよぉ、鑑定は商人にとって最強の武器になると思うぜ? 大事にしな。 んで、布と綿は…」


っそう言って布と綿を見てみたら完全に一般市民には手が出せないだろう物が多かったので流石に緊張してしまった。

高額な物とかを見ると貧乏性みたいのがたまに出ちゃう時がある。


「んじゃあ夜には搬入と設置が出来るはずだ。 あとは任せてくれ」


というので、俺達はギルドの方へ一旦戻る事にした。


…扉を開け外に出た瞬間に 『根性見せろや野郎どもぉ!!!』 と聞こえたのは内緒の話だ。


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