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第百六十六話 ジンの契約者

ふむ。 これも失敗か。


だが良いだろう。 契約によって自分も強くなっている…それだけでなく魔王や魔神王の残滓や精霊王の一部も喰らった。

このまま覚醒すれば彼の英雄であろうが屠れるだろう。


契約者が比較的低能で助かると言うのもあるか。

幾つか願いを叶えてやっただけなのに世界征服をすると豪語し出した。

アンデッド系の人工魔族になっているようだったからな。


次はどの種族を駒にするか…。


そして英雄がどのように乗り越えるかが楽しみだ。


この地に混沌が訪れる事だけが楽しくて仕方ない。

これは悪魔としての格が芽生え始めた証拠なのだろうか?

魔族もかなり従順に働いてくれているのでもしかすると…。

まぁ良い。 いずれにせよ力の増強に関しては幾らしても困らないからな。


こんなに楽しいのなら()()()()()()も連れてくれば良かった。


「おい、茶を二つ持ってこい」


「かしこまりました」


サキュバスの癖に色気一つ無い無能な侍女だな。

いや、人間には効果があるのかもしれないから様子を見るか。 いつか攻め込まれた時に役立つかもしれない。


異空間から『赤い石』を取り出した。


それは異様に深い赤で紫色のオーラを纏っている。


「さて、この()()()()…魔物に埋め込んだらどうなるだろうかね?」


「そんな石ころで王国や教国を亡ぼせるのか?」


「やらねばわからないさ。 だが、これで進化し、凶悪になった魔物にどこまで人族が通用するのか…。 楽しみではないか」


「うむ、世界を手に入れるには良い余興じゃ」


「この世に混沌をもたらそうではないか。 皇帝陛下よ」


この様子を伺う一匹のコウモリが居る。

そっと飛び立っていく。




それはとてもとても遠い場所まで飛んでいく。

彼らの元へと。


「キングご報告です。 我々を操っていた者はやはり異世界の精霊の様でした…。 が、鑑定した所『混沌を望む者』 とありました」


「そうか、混沌を望む者…。 これは人族と手を結ばねばならないかもしれないな。 かの英雄テイル殿ならきっと…」


皆が一様に頷く。

しかし、どうやって連絡を取れば良いのだろうか。 コウモリに化けても良いのだがコウモリに化けていると戦闘力はほぼ皆無になる。

そしてヴァンパイアは人族に忌み嫌われている。


果たして取り入って貰えるか…。


「それと、もう一つご報告が…。 奴と契約している者が分かりました。 帝国の皇帝でした」


「魔王に人工魔族にされ、死んだと記録にはあったはずだが…?」


「アンデッド系の人工魔族になっている様でした。 鑑定したところアンデッドキングと言う未知の種族でした。 アンデッド系全般のキング種になるのかと…」


元人間が敵陣営ならきっと英雄殿にも助けを求めやすいだろう。

一番速さに自信のある者に英雄殿の所までコウモリになって飛んで行ってもらう。

我々が滅ぼされてからでは意味が無い。


「英雄殿そして異世界の神殿どうか我らに力を…」


その時ヴァンパイア一族は進化した。

種族名はヴァンパイアのままだが、生き血を必要とせずに魔素を栄養とする種族へとなった。


「キング! これで我々は飢餓状態になる事はありません!!!」


「きっと異世界の神殿による祝福の効果だろう。 これで人々との共存も可能になるやもしれん!」


彼らは万が一に備え、すぐにでも出立出来る様に荷支度を開始した。


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