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第百六十五話 王達の苦悩

「ヴァンパイアが各国を襲った!? それをテイルが事態を収束させた…と」


「その通りでとの事でした」


アストレア国王は頭を抱え、深く座り込んでしまう。

宰相も額に手を当て、悩みが爆発しているようだ。


「そうだ、ヴァンパイア達は帝国と教国が本命と言っていたな」


「その様に報告が上がっております」


また頭を抱える二人。 考えている事はきっと一緒であろう。


「帝国と教国に英雄からテイルが呼び出されるかもしれんな」


執務室がノックされる。


「入れ」


「はっ! 緊急ですが教国の教皇猊下がテイル様に報酬を与えたいが、構わないかとの事で連絡を取ってきました」


「わかった、少し検討して早急に返答を返す」


「はっ! では、何かありましたらお呼びください。 では、失礼しました」


静寂が訪れる空間。

凍てついた様な時間に陥った空間。


「はぁ、もういっその事テイルに国でもくれてやるか」


「それでは反乱が起きかねないのでは…」


「反乱を起こすとしたら王位継承権のある者達だけだろう…」


「それもそう…ですね」


はぁ…と大きなため息をついているこの二人。

だが…


「失礼しますわ」


「フォンドニア嬢!? どうなさったかな…?」


「裏で異世界の…地球の精霊…もはや悪魔と言っても良い様な存在がこの世界で暗躍していた様です」


「「なっ!?」」


「その者はどのような形かは分かりませんが魔術を使いました。 しかし、純粋なジンであればあそこまでの力は持ち得て居ない。 すなわち…この世界に協力者が居ます」


「また…敵が…新たな出たのか」


そうなのだ。 この世界の神々にも言われた事だから多少の介入なら許されるだろう…。

彼の精霊は敵としてこの世界に認知されたのだ。


「そして、彼の精霊…ジンは、魔王や魔神王の残滓や、精霊王すらも取り込んだ可能性があります」


「なっ! ではすぐにでも!」


「残念ながらどういう手口なのか次元の境界に逃げている様子。 そこからずっとこちらの動向を見つつ、なにかあれば干渉するスタンスなのでしょう。 ですから、ジンに力を与えた者を炙り出さなければなりません」


また、時が止まったような感覚に陥る。


「すなわち、テイルを…。 我らが英雄を囮にする…と?」


「でないと、被害はより深刻な物になるかもしれません。 確実にジンの見ている所はテイルのみです。 様々な神に確認を取ったので確かかと」


「致し方ない。 緊急時が故、テイルへの報償は後回しだ。 テイルに悟られずに、隠し通すぞ。 緊急時はフォンドニア嬢、君に全て伝える」


「その様にお願いします。 一度、ドーラ様とも少し話合ってくるので私はここで失礼します」


「あぁ…」


その光景は、ジンでは無い『誰か』 が視ていた事は、誰も気付いていなかった。


その先にどの様な敵が現れるのかは、まだ神々にも分からないのだ。


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