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第百五十八話 デート

閣下から解放されて待っていたのはマキナだった。


「私って第一夫人になるのかしら…?」


「誰が一番とかは決めるつもりはないけれど形式的にはそうなるのかな?」


なんとなく引っかかっている様子だ。


「でも皆同じくらい好きだからね。 順番は決めたくないかな」


「そう…私は一番にはなれないか…。 でも、ずっと貴方の傍に居るって決めたからね。 逃がしはしませんからね」


え、そうなの?

嬉しいけれど、こんなに愛されてて良いのだろうか…?


(あぁ、それは愛などを司っている神の加護のせいだと思いますよ)


急にテレパシーで話しかけて来るフォンドニア嬢。

いや、マジかぁ…。


(まぁ…元からちょっとでも気が無いと好かれる事はありませんけどね)


なるようになるか。


「じゃ、少しデートでもするか?」


「え、本当に?」


「嘘言ってどうするのさ! じゃ、行こっか!」


どこに行くのかは行き当たりばったりで良いだろう。


(そんなので女性をリード出来ると思ってるんですか?)


う、うざい。 遮断する方法は無いのか?


(遮断する方法ありますけど、教えませんよ)


頭痛くなってきた。

執事さんに話を付けに行こう。


「お二人で外に出るのは認められませんが…。 魔神王を倒した実力であれば護衛もじゃまでしょう…。 私の方から旦那様には伝えておきます」


帰ってきたのは予想外な反応だった。


「ありがとうございます。 じゃあ行ってきます!」


「行ってまいります」


とりあえず街へと出かける事にする。

まずはいつもの果物屋だ。


「お! また違う女の子連れて来たのかい? 若いって良いねぇ」


「そんな嫌味言わないでくださいよ。 この間の子もこの子も俺の妻なんです」


「妻が複数…? って事はお貴族様かい…?」


「名乗ってなかったですね。 テイル・フォン・マーガレットと言います」


いつもの果物屋は丁度手に持っていた果物を地面に落としてしまう。


「ま、魔神王討伐の()()…。 今までのご無礼申し訳ありませんでした!!!」


「気にしないでください! いつも美味しい果物を売ってもらってるのでとても助かってますよ! あ、その落ちた果物の分も含めていくつか果物を購入しても良いですか?」


「そ、そんな! 無償で大丈夫貰っていってください!!!」


そんな事したら悪評が立ってしまう!


「いや、ちゃんと正規の値段で買いますよ! こんな美味しい果物達をタダで貰ったなんてなったら俺が陛下に…もっと言えば神様とかに怒られちゃいますよ!」


嘘は言ってない...と、思う。


「そ、そう仰っていただけるのなら…。 今旬な物を幾つか包ませてもらいます」


これって気軽に身分明かしたら不味いのかな。


「俺は結構この店の常連なんだし、普段通りの接客をしてくれていいよ! その方が気が楽だよ」


そっと笑いかけたら、それもそうか! と果物屋も笑ってくれた。


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