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第百五十七話 久しぶりの公爵閣下

教え子の錬金術師達がジャービル様とあぁでもないこうでもない…。 これからはマーガレット領の時代やぁ! などと騒いで居たのでそっとしておく。


しばらく見ていると、執事の人が来た。


「お取込み中失礼致します。 旦那様がお呼びになっております…」


「分かったよ。 案内頼めるかな?」


「畏まりました」


二人でしばらく歩く。

これは執務室へと向かっているのだろうか。


「こちらです」


執事がその扉をコンコンとノックをする。


「入れ」


一言だけ返ってくる。


「失礼します。 マーガレット伯爵をお連れしました」


「うむ、ご苦労。 君は下がっていいぞ」


「畏まりました。 失礼します」


久しぶりに公爵閣下に会うな。


「テイル君。 魔王討伐に魔神王討伐。 良くやってくれた! 鼻が高いよ。 まぁ、婚約者…いや、妻が増えたのはなんとも…。 まぁ良い。 今回君に来てもらったのには理由がある。 我が家でも錬金術師を募ったのだ」


「公爵家でも…ですか?」


「あぁ、それだけではない。 鍛冶師や、薬師もだ。 この者らは公爵家付きにしたいと思ってはいるのだが、不遇な扱いを受けて来た者が殆どだ。 君の弟子から君の作る教材はとても素晴らしいと聞いている。 そこで、マーガレット伯爵に頼みがある。 この者らに教材を作ってはくれないだろうか」


即答しても全然構わないが、無償でやる…となると他の貴族から何か言われるかも知れない…などと考えを巡らせていた。

すると。


「無論無報酬などとは言わない。 様々な物を栽培したり建築するのにも費用が掛かるのだろう? ならば、それを負担させてもらう。 その件もあるし、娘の事もあるのでな…我が公爵家がマーガレット伯爵の後ろ盾になろう。 これでは足りないか?」


「条件としてはとても嬉しいのですが、それでは他の貴族が何か言って来ませんか?」


「ははは! その為に我が家が後ろ盾になるのだよ。 安心してくれ」


それなら安心か。 むしろ、これは乗っておいた方が良いだろう。


「わかりました。 その条件でどうにかしましょう。 後はうちの弟子から一人だけ公爵家で雇ってくれると連絡の関係もあるので楽になるかと思います」


「うむ、助かる。 給金は弾もう。 しかし、連絡とは…?」


あ、テレパシーの事教えて無かったんだ。 義父だし、まぁ教えても害はないだろう。


「他言無用でお願いしたいのですが、超精密な魔力操作が必要になるので、賢者や錬金術師くらいしか行使出来ないかもしれませんがテレパシーが使えます。 それを弟子にも教えるつもりです」


あ、閣下が頭抱えてしまった。

伝説の魔法だものね。


「私は頭が狂ったのか…、今テレパシーと…」


「狂ってませんよ! はっきり言いましたもの」


「流石としか言えないが…。 まぁ、納得するしかないか…」


納得してもらえたのかな…?

まぁ分からないけどとりあえず試しに錬金術で造って、さらに錬金術で熟成させたワインでも出すか。 仕事中みたいだけど。


「良ければコレを飲んでみませんか? お酒は私はまだ飲んだ事が無いのですが…」


「酒か。 ここは私とマーガレット伯爵…いや、テイルしか居ない。 二人で飲もうではないか? 仮にも卒業の歳なのだからな? あぁ、息子と腹を割って話せるいい機会だ。 言葉も崩しなさい」


「わかりました…義父様」


一緒に飲むと言った割にこのワインを気に入って殆ど一人で飲み干した閣下。


酔いが回ったせいなのか、妻が一気に増えた事に関してはチクチクと詰められてしまった。


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