第百五十話 ゆっくり休めない...
これ…多分上位の神だよね?
神気を扱える状態で龍神王と出会った事でリンクが出来てしまった…?
「ジャービル様,,,これくらいで勘弁してください」
「テイルちゃん結局材料しか教えてくれてへんやん!」
「ギルドにも登録するし、自領のお手伝いをするってなったら必ず製法は分かるんですから…我慢してくださいよ…」
むすっとしてしまった。
「ジャービルも子供じゃないんだからテイルを困らせてはいかんぞ。 それに、テイルの話にもあったじゃろ? 美味い酒を造るのに知識を貸してくれとな。 すなわち味見で飲み放題じゃぞ」
おい、飲み放題は御幣があり過ぎるだろ!
「まぁそれならしゃーないかぁ…」
納得しちゃうんだ…。
あ、そうだ...前にエルフの森へ行く時に大量に購入した果物も砂糖も持ってきてるから果実水でも作ってるか。
「おい、まてテイル! どうやって果汁を絞っとるんじゃ…」
「簡単ですよ。 この果物から果汁のみを分解して抽出してます」
頭を抱えたジャービル様とマーリン様。
「テイルちゃん…ほんまに考える事の次元がちゃうな」
「まったくだ。 そして砂糖以外不純物のない果実水など…王家への献上品にしても可笑しくはないわい…」
え、そんなになの?
サリィ王女殿下やフォンドニア嬢にでも聞いてみるか。
「テイル様? マーリン様の言っている事は正しいですよ」
サリィ王女殿下が居た。
「え? じゃあこれも献上した方が良い?」
「でしたら、テイル様の教え子の錬金術師達に父…陛下の前で披露してもらうのはどうでしょう」
これは名案だ!
「ありがとう! 参考になるよ」
「いえ、お力になれたのでしたら幸せです」
「あと、サリィ王女殿下は公の場じゃなければ普通に会話してくれて良いんだよ?」
むすっとしている。 何か気に触れたのだろうか。
答え合わせをする間も無くサリィ王女殿下は口を開く。
「サリィと呼んで! 公の場はダメだと思うけど…」
サリィ呼びね…覚えておこう。
フォンドニア嬢とも目が合ってしまう。 これは…。
「私もナールムと呼んでくださいね、先輩」
二人の物凄い圧にただ頷く事しか出来なかった。
「おーい、馬車の準備が出来たぞ~! って何をやっとるんじゃテイルは」
ガイル様に呆れられてしまった!?
「ほれ、行くぞ」
皆返事をし、馬車へと向かう。
「随分と楽しそうだったわね?」
ミザリア母様絶対聞いてたよね…。
「では出発致します!」
その合図と共に動き出す馬車。
王都はもうすぐだ。