表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
147/384

第百四十六話 かわいいもの

「テイル様…。 精霊と血が繋がっているって…」


「うん、そうみたいだね。 ステータスには表示されてなかったけど、ハーフみたいだね」


驚いて声が出ない様子のメイカ。

それはそうだろうな。


「ブッブッブー(主様が精霊の血が混ざっている事くらい皆分かってると思ってました)」


「え、アルは分かっていたのかい?」


「ブッブッブー(分かっていましたよ?)」


アルってなんでも出来るんじゃないの…?

俺より強い…とかは無いよね?


「流石は王に連なる系譜の一角兎(アルミラージ)ですね。 とても素晴らしい能力をなさっています」


「これが王一角兎(キングアルミラージ)だと言うのか…。 確かに一角兎(アルミラージ)と大きさと瞳が違う気がするな…」


父上も一角兎(アルミラージ)を見た事があるのか。

戦で名を上げた事のある父上ならどこかで見かけても可笑しくはないか。


「父上も良ければ撫でてみます…? ミザリア母様も…」


「良いのか?」


「よろしいので?」


あ、これアルの魅力に惹かれちゃってるやつだ…。


「ブッブッブー(主様のご家族ならば全然良いですよ!)」


「あら、この子、とてもいい子ですね」


「ふむ、なんと言ってるのだ?」


しばらくアルと父上達が会話をしながら撫でまわしている。


「あの…テイル様…私も…アル様を撫でても…」


「ま、まぁ良いんじゃないかな…」


俺より人気になってない!?


「ブッブッブー(撫でられるのは幸せですねぇ)」


「あらまぁ、可愛いですね。 私も一角兎(アルミラージ)をテイムしたいですわね」


精霊ってテイムとか使えるのか。


「テイル? 精霊でも上位精霊や大精霊の冠が付く者であれば人族の使う魔法は使えますよ? 逆に言ってしまえば精霊の血を引く貴方ならば、精霊にしか使えない魔法も使えます」


「そうなんですね。 でも、身近に精霊が居なくて教えて貰うことは出来なさそうです」


少し考える様な表情をするミザリア母様。


「貴方から精霊の血族の気を感じます。 エルフの方と関わりがありますか? エルフであれば風の精霊の魔法を使える者も居ますよ。 水に関しては私が教えましょう」


「良いのですか!?」


「えぇ、もちろん。 私の大切な息子ですもの」


父上に軽く視線を落とすとアルに舐められて楽しそうにしていた。

メイカがちょっと引いている。


「テイルよ、『父上』なんて堅苦しい名ではなくミザリアの様に『アレク父様』とでも呼んでくれないか?」


アルの唾液でべとべとになった父上が微笑みながら言ってくる。

とても嬉しい。 がその今の唾液まみれの父上に言われると笑いが込み上げて来る。


「ん? なんだ、テイル? 何が可笑しい?」


「だって()()()()()がべとべとにされていて…。 もう、面白くて…」


お腹を抱えて笑い出すミザリア母様。


「アレクは昔から可愛いものが好き過ぎて、戦場にぬいぐるみを持って行くくらいなんですよ?」


父上の印象がゴロっと変わってしまったよ!!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ