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第百四十四話 驚愕の真実

やはり錬金術にて解除は出来るだろう。

しかし、パッと神気を分離するのは結構至難の業だ。


まぁ、やるしかないんだけど。


神気を放ち、そっと封印の神気を中和していく。


「貴方は神気がちゃんと扱えるのですね。 これは驚きました」


大精霊に関心されるって事は相当凄いんだろう。


「ありがとうございます。 これより分解に入ります」


構成されている物を普段よりも丁寧に解いていく。

かなりの期間封印されていたから、少しでも失敗すれば父上の命に関わるかもしれない。

それを横目にずっと微笑んでいる大精霊。


「錬金術…流石に理解していると凄いモノですね」


封印がホロホロと崩れ始める。 これは成功だろうか…。

父上が完全に姿を現し始める。


「父上!」


反応が無い。 封印は解いたはずなのに。


「ですが、貴方は()()()()()()()をしていますよ」


どういう事だろうか。 もう一度父上を鑑定する。



____________________________

『アレク・フォン・マルディン(本人)』


『状態:休眠(生存)』

____________________________


なるほど、そういう事か。

これは父上を休眠させた上で封印を施しているのだろう。


「ブッブッブー(手伝ってはいけないのですか?)」


「あぁ、あの精霊は俺への試練と言ったからね。 俺がやらなきゃ意味が無いんだろうね。 生ある者に、聖なる再生を。 リバイバル」


目を細める大精霊。 何か間違えていただろうか。


「流石ですね。 もう目を覚ましますよ」


メイカと俺は息を呑んだ。

父上がゆっくりと大きく呼吸を始めたのだ。


「…テイル…なのか?」


父上がゆったりと上がった瞼の奥にある鋭いが優しい瞳で俺を見据え、問いかけて来る。


「父上! テイルにございます! 助けるのが遅くなってしまい申し訳ありませんでした」


「ほら、アレク? ()()()()()()がこんなに言ってるのですよ? さ、何か答えてあげなさいな」


え? どういう事?


「テイルよ。 助けてくれてありがとう。 会いたかったぞ…。 知っては居るかもしれないがそこに居るのは水の大精霊で私の妻だ」


「えぇ、そこまでは存じています」


「そして、テイルの本当の母でもある」


俺が人間と精霊のハーフってこと!? じゃあ母上は!?


「そうですよ、改めて自己紹介を。 水の元素を司る精霊のミザリアです。 貴方の元居た世界ではウンディーネと呼ばれていますね。 そして、私が貴方の本当の母です」


メイカは知っていたのか!? メイカをそっと見やると首を横に振った。


「メイカは知らないはずだ。 そして、ミサはただの政略結婚の相手で、お前の母ではない」


「そうですね。 そして、貴方はそれでも飽きたらずに...侍女と子を為しましたけどね?」


「いや、それは…。 その…」


父上ってこんな尻に敷かれるタイプだったんだ…。


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