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第百三十六話 天魔戦閃

対魔特攻専用武器のはず。 古代の、まだ天職が無かった頃の錬金術師の作り出した杖に酷似している。


「貴様! その杖は!!!」


「貴様を屠る為ならば…致し方あるまいて」


「ならば貴様から殺すまでだ」


強化した目で追えるか追えないかの速度で迫る魔王二柱。


しかしその凶悪な攻撃は一太刀も通らなかった。


「遅くなってすまなかった! 我が友達よ!」


「マタセテシマッタ、スマナイ」


前回とは装いを新たに真っ青なサファイアの様な碧い鎧を着たエクスと、虹色のオーラを纏ったガガルがそこに居た。


「ふむ、この世界の英雄か? 神の力を感じるな」


「あぁ、俺達はドーラ様の使いで創造神様と龍神王様の元へと向かったのさ」


「ふん、一介の種族が神の力の武具を纏ったところで神の力を取り込んだ我らには適うまい」


「それで良いんだよ。 その為の我である!!!」


「意味がわからんな…」


俺は魔神王と、エクス、ガガルは魔王と打ち合い、他の者はドーラや、フォンドニア嬢を守る事に徹している。

だが、その動きも少なからず勘付かれている。


「テイルよ、こちらの相手ばかりしていて良いのか? お前は解呪とか回復も得意なのだろう?」


「黙れ。 俺は仲間を信じている」


「尊いな。 だからこそ壊すべきなのだ。 人間とは、生物とはいたぶって壊すのが楽しい」


動きが読めて来た。 これなら月影一心流で対応出来る。

即座に構えを変えた。


「ほう、知らぬ構えだな。 どれ、稽古を付けてやろう」


「ほざけ…」


深く踏み込む。


「月影一心流秘儀、突月(とつき)・改!」


「なっ!」


見た事の無いモーションでの突きに避けきれずに肩に突きが刺さる。

それほど深くはないとは言え、軽傷…とは言えないだろう。


「ふむ、侮っていた。 詫びにこれをやろう。 厄災の凪」


黒い暴風がこちらに向かって吹いて来る。 これは強力な呪いだ。

皆に被弾してしまってはいけない。

幸い、速度は遅い。 ならば奥の手を使うか。


地球のとある神々の知識で作った槍、そしてそれの使い方。


マジックバッグから取り出したその槍は穂先に文字を刻まれていて聖なる気をずっと放ち続けて居た。


俺はそれを構える。


息を整えてる。


やる事は一つ。 外せば終わりの一発勝負。

俺はその漆黒の暴風に向けて、それを放つ。


必中の神の投槍!(グングニル!)


投げられたその槍は真っすぐとその漆黒の暴風へと飛んで行き、かつてない衝撃と共にぶつかり合う。


果たして、それは風と槍の当たる衝撃なのだろうか? という疑問が生まれる程の衝撃は周りの者の行動を全て止めて魅入らせた。


「テイル!」


「ちっ! 魔王共アレを止めろ!」


その号令と共に槍へと向かう魔王二柱。


しかし、それは英雄と竜人が許さない。


「ちょこざいな!!!」


「それが使命だ!」


三合程魔王と英雄が打ち合っていると辺りが目映く光った。


そして、『終わったよ』 と告げんが如く俺の手の中に槍は戻って来ていた。


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