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第百十八話 味方は!?

明らかに空気が澄んでいる。

そしてどや顔でこちらを見ているアル。


「ブッブー!(アルがお手伝いしました!)」


「本当にアルが力を貸してくれたのかい?」


「ブー!(本当ですよ!!)」


どうやらそうらしい。 流石は強力な能力を持つ子だ。

仲間になってくれて頼もしい。


「手伝ってくれてありがとうね!」


「ブッブー!(それほどでも…)」


照れてしまった様だ。


「テイルよ…まさかとは思うが、一角兎と喋っておるか?」


「はい、喋ってますよ」


「そっかぁ…。 テイルじゃもんなぁ」


皆して頷き合っている。 おい、それはどういう意味だ。

なんかジトっとした目で見ているラファイアル嬢。

皆の扱いがどんどん酷くなっていくのが怖いんだが。


「王城の案内はラファイアル嬢に任せても大丈夫ですか?」


「そうですわね。 初めて来たら迷う所ですものね。 その役目、引き受けますわ」


良かった。 引き受けて貰えなかったらどうしようかと思った。

持つべきものは友だな。


「何を考えてらっしゃるの?」


あれ? 何か顔に出てたのだろうか?


「持つべきものは友だな…と」


「ふふ、そうですわね。 今は友ですわね?」


どういう意味だろうか?


「テイル様後でお話があります」


「はい」


サリィ王女殿下からの発言に殺気があり即返事してしまった。

なんの事だかは分からないが助けて欲しいので三賢者の方を向くとニヤニヤしながらそっぽを向いている。

外道だ。


「テイルも…。 もうちょっと女心を覚えるんじゃぞ…」


「せやで…ぷふふ…」


ガイル様なんて笑って声すら掛けてくれなかったので一番の悪はガイル様だろう。

にしても女心かぁ。 前世を入れればもうアラフォーになるだろうがそんな物持ち合わせては居ないなぁ。

流石に貴族になるし、複数の女性を嫁にするんだからその位は覚えないとだめかもしれないな。


「ブッブー!(あるじさまは天然の女たらしです!)」


え? え? え?


皆を見やる。 あ、どうやらアルの言ってる事は正しいらしい。

俺は天を仰いだ。 山田…俺を助けてくれ…。

(そういうところですよ?)

なんだか山田の声が聞こえた気がした。


なんか…急に味方が居なくなってしまった!?


「ブッブー!(自分は味方ですからね!)」


あ、味方は一人だけ居てくれた。

目の前に階段が現れる。


「あれは二階に行く階段ですわ。 帝国の王城では謁見の間は三階ですのでまだ上に行く必要がありますが…」


「そうですか…。 ありがとうございます」


「あぁ...せや、魔王どうにかした後でええけど、王城にある人体実験の施設(・・・・・・・)を破壊して帰ろか」


「「人体実験の施設!?」」


俺とラファイアル嬢の声が重なる。


「この王城の地下にある『人間を魔族に変化させる』実験施設や。 うちはそこの偵察をしとった」


なんとも驚愕の告白を受けた。


だが、俺の答えは決まっていた。


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