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第百十五話 滅魔猛攻

四天王が話している隙に縮地で間合いを詰めて、首に向かい一閃。


しかし、相手は四天王だ。 簡単に首を落とさせてはくれない。

四天王まで上り詰めたインキュバス…。 流石に強いな。


「おや、奇襲とは勇者のやる事ですか? 聞いて呆れますね」


「くひひ、こいつは魔王様の弟なんだぜ? それは戦いで汚い手も使ってくるだろうよ」


聖剣を納刀し、居合の型を取る。

すると、今が勝機だと言わんばかりにアルキリアがこちらに詰め寄ってくる。 

だが、甘い。


キン! という鋭い金属音の後にアルキリアの腕が落ちる。


「ぐああああああ! 何をした!!!」


「斬っただけだ。 月影一心流秘儀、閃弧(せんこ)だ」


忌々し気にこちらを睨み、詰めて来るタイミングを狙っているようだ。

だが、こいつがどれだけ速さを極めても俺の疾さには追いつけない。

俺は即座に身体強化の魔法も行使し、合計三重の身体強化を重ね掛ける。


「な! 勇者が消えた!?」


驚くアルキリアにくひひと笑い続けるレイオス。

これは貰ったと思ったその刹那。


俺の真後ろにレイオスの反応が瞬間移動し、こちらに対し攻撃を放つモーションに入る。


「勇者! 貰ったゼ! くひひ!」


だが、甘かったのはレイオスだ。

数の利ではこちらが勝っているのだから。


「させません! 瞬閃」


「ほウ? 仲間を頼ったカ…。 やるねェお嬢ちゃン!」


「メイカ、気を付けろ! そいつはテレポートの魔法を使えるらしい」


敢えてメイカだけにそれを告げる。

この四天王は馬鹿なのか、ラファイアル嬢が見えていないようだ。


「良く気付いたナ! くひひ、お前らの首貰う事にしようカ!」


「残念ですわ、気配を察知する魔法を覚えて居れば貴方が勝てましたのに」


そう言ってレイオスの魔核のあるだろう心臓に自身のレイピアを一突きするラファイアル嬢。

何が起こったか分からないレイオスに淡々と語り始める。


「簡単ですわ。 貴方の視界から消えて気配を消し、即座に魔核を突いた。 それだけですわ?」


「人間メ! 小癪ナ! 殺してやル! 呪ってやる!」


レイオスはみるみる内に再生しようとしている。

これは、呪術の類だろう。 だがピンポイントで突かれた魔核も無理やり再生すればすぐに壊れるだろう。


「お嬢さん、離れるんじゃ! 永久なる凍土よ、我が命に応じて彼の敵を永久なる凍土に落とせ! パーマフロスト!」


ここで最強の助っ人が来てくれたようだ。

気付いてはいたが間に合ったようだ。 良かった。


「俺は負けねェ! 皆殺しだァ!」


パーマフロストの魔法をもろに受けて尚喋れるこの生命力は相当のモノだ。

これは生かして置いたら脅威になるだろう。


「しぶといのう。 我々がドーラ様より教えられた魔法を今こそ使うときじゃ」


賢者二人が一つの杖に手をかざし、二人で(・・・)詠唱を始める。

これは上位の魔法を複数人で行使をするという儀式魔法の形式だ。


「「我らに敵対する者に裁きの鉄槌を! ジャッジメントノヴァ(・・・・・・・・・・)!」」


今度こそレイオスは形も残さずに塵となって消え去ったのだった。


四天王も残るは一人のみ。

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