ヲタッキーズ34 リケジョ強盗を追え
ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!
異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!
秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。
彼女が率いる"ヲタッキーズ"が秋葉原の平和を護り抜く。
ヲトナのジュブナイル第34話"リケジョ強盗を追え"。さて、今回はリケジョ率いるハイテクマシン専門の強盗団が出没w
ヲタッキーズは、メイド仲間のリケジョを顧問に迎え、警察や防衛組織と協働し先を読んで、天文台にワナを張りますが…
お楽しみいただければ幸いです。
第1章 リケジョキャバの女
今、カルチャーセンターがけしからん!
カルチャーセンター自体が死語と油断してる間にまさかこんな世界に進化してたとは!
真昼間から色とりどりのセパレート型ウェアの聴講生?でごった返してるではないかw
ほぼビキニなので全員美人に見える←
「テリィ様、何をキョロキョロと…さぁ10km走りますょ!」
「え。10km…ミユリさん頑張れ!やっぱり僕は応援だ」←
「応援…ですか?」
僕の推しのミユリさんは、実はスーパーヒロインのムーンライトセレナーダーだ。
普段は、御屋敷のメイド長だが変身スルと、黒セパレートのヘソ出しコスになる。
つまり、ホボ今のカッコウだねw
「ミユリ!あ、もしかしてコチラが…あの、噂のテリィたん?」
「あら、ルイナ。お久しぶり。貴女もエクササイズ?走る系?」
「えぇ。でも、ペース配分が上手くいかなくて」
セパレートウェアじゃないのに…美人だw
紫レオタードに黄色のウェストマーク。
昭和なエアロビクス美女を彷彿させる。
お姉さん、きれい、カワイイの黒い三連星!
僕とは初対面なので遠慮なくガン見される←
「足の運びに秘密がアルって聞いたわ。滞空時間を長くスルんですって」
「やっぱり?実は、脳から筋肉へ信号が届くまでの単収縮時間について面白い論文を見つけたのょ。今度、アルゴリズムに落としてみようかしら」
「相変わらずね。あ、テリィ様。彼女はメイド仲間のルイナ。理系女子ナンですょ」
リケジョ!白衣(割烹着も可w)にメガネのイメージがあるがレオタードだとギャップ萌えだw
ミユリさん自ら紹介したのだからココは心の中のイタリアンを解き放ち声かけ運動を実践←
「そのアルゴリズム、僕も興味がアルな。少しお話ししませんか?ダイエット定食とか食べながら」
「うふ。テリィたん、ミユリの前で私を口説くの?残念ですが、夜は天文台のLIGOラボへ行かねばなりません」
「LIGO?貴女の才能を重力波研究と分かち合わねばならないのか。何とも残念」
「まぁ面白い人。ミユリ、このTOを逃しちゃダメょ」
微笑みつつ颯爽と室内トラックへ走り去る。
「テリィ様、さすがヲタク女子が相手だと流れるように口説き文句が出ますね」
「天文台勤務のリケジョか…でも、何でミユリさんと知り合いなの?」
「彼女もメイドです。昼は天文台勤務、夜はリケジョキャバクラ"キャッツ愛"のナンバー。確かに、並のメイドとは次元が違うカモ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その夜。
アキバ駅前の超高層ビル群の一角にある薄暗い非常階段の下にワゴン車が停車スル。
中から…やや?レオタード三姉妹?が現れ、ひとりが腕時計を見て頷くと作戦開始。
ロケット付カギフックを空に飛ばして天井にかけ蜘蛛のようにスルスルと壁を登る。
背中のバッグから何やら電気式の切断機を取り出し、火花を散らし一角を切り取る。
開いた穴に手を突っ込むと…ビンゴ!監視装置があって、手探りでスイッチをオフ。
ロープで室内に降り、特殊フィルムで瞳認証のロックを解除、装置を押すと…動くw
万事順調。ガラガラと装置を押し逃走を図るが…その後ろ姿を偶然見た者がいる。
残業中?の社員は驚きの余り息を飲み、金縛りに遭うも必死に逃げようと回れ右w
…をしたら、目の前に3人目の強盗w
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
現場は、技術開発系のスタートアップだ。
翌朝、出社した社員が盗難に気づき通報、朝からパトカーが続々と到着し大騒ぎになる。
目撃者は激しく後頭部を殴打され気を失ったものの命には別状なく、事情聴取に応じる。
「レーザー干渉計の調整に来たら"男"2人が装置を盗み出していました。振り向くと別の"男"がいて、いきなりステーキ、じゃなかった、イキナリ銃で殴られて…」
「銃はショットガン?拳銃?」
「ニッケルメッキのベレッタ9ミリです」←
「え。ヤケに詳しいな」
「あ、ごめんなさい、サバゲーヲタクなモノで。メイドもやってます。ネームはルイナ。おかえりなさいませ、おまわり様…なんちゃって」
「ルイナちゃん、また犯人を見たらわかるかな?」
「私を殴った"男"は忘れません。でも、装置を押してた2人は暗くて良く見えませんでした」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翌日のジャドー司令部。
あ、ジャドーはアキバ防衛秘密組織の略?で"リアルの裂け目"から落ちコボレる異次元人からアキバの平和を守るための秘密組織。
華麗なるコスモルックに身を包んだレイカ司令官がスタッフを集め緊急の作戦会議を開く。
「で、目撃者は?」
「頭に怪我をしたけど大丈夫だったらしいわ。何しろ武装強盗と鉢合わせだったらしいの」
「え。ムーンライトセレナーダー、目撃者と知り合いなの?」
司令官とタメ口はミユリさんだw
ミユリさん率いるスーパーヒロイングループ"ヲタッキーズ"は、民間軍事会社としてジャドーと契約している。まぁ一種の傭兵だ。
「メイド仲間のルイナちゃん。リケジョで天文台勤務。LIGO計画を推進中」
「LIGO?」
「レーザー干渉計重力波検出器で時空の波を調べてブラックホールを証明をする計画ょ」
「何言ってるのかわからないわ。で、盗まれたのは?」
「マーク5 DNA合成機だって」
ココで残りの司令部全員も一斉に頭を抱える。
「何ソレ?」
「多くの分野に応用できる。遺伝子分析や人類学の研究。DNA配列を決定できる。伝染病の媒介生物や病原菌のね」
「え。病気を作れるの?」
「うーん病原菌を構成する物質の配列を加工出来るの」
「つまり何?」
「生物兵器メーカーって感じ?」
結局、何だか良くワカラナイ←
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
一方、万世橋メインで現場検証は進む。
「空調ダクトを伝って侵入、特殊な工具で天井に穴を開けています」
「室内のセンサーは?」
「体温で反応する最新式の受動赤外線センサーでした。しかし、犯人はニセの温度信号を送るコトでセンサーを無力化しています」
「下調べは万全ってコトか」
腕組みして唸るのは万世橋の敏腕警部ラギィ。
彼女は…実はゲイでレイカ司令官とカップル←
「YES。警部、このボルトを見てください。虹彩スキャナでロックを解除する生体認証式です。しかし、無理にこじ開けた形跡は皆無だ」
「いょいょ内部の者の犯行ね」
「そのようです」
「で、盗まれたのは?」
「マーク5 DNA合成機。3時間で10億のDNAを複製出来ます。コレは国家安全を揺るがす重大事態です」
「全然ピンと来ないわ」←
ココまではジャドーと同じ展開だが、コチラの鑑識には、ムダに優秀なスタッフがいて…
「コレで病原菌の塩基配列を決めれば、より感染力の強い菌を合成出来るのです」
「伝染病を広められるとか?」
「恐らく。大陸の国では、多分もっと性能の劣る合成機でコロナウィルスを合成してるカモ」
「おお。例示があるだけでグッとわかりやすくなったわ。つまり生物兵器メーカーなワケね?」
「YES。ゆえに、合成機の獲得に積極的なテロ国家は後を断ちません」
「うーん犯人は、産業スパイどころかスパイそのものの可能性もある。首相官邸がジャドーに捜査指示を出したのはそのせいか。警察のメンツにかけて負けられないわ!」
「単にゲイの嫁さんに勝ちたいだけでは?とにかく!ブツが闇市場に出る前に見つけないと」
「で、虹彩スキャナの方は?」
「登録されているのは5人です。虹彩スキャナと言っても、実際に虹彩を読み取るワケではありません。特徴の集まりとして数値化して、1つの塊として認識するワケです」
「またまたわかりやすい例示をありがとう。つまり、星を線で結んで星座として認識スルよーなモノかしら」
「ビンゴ!点は、並びによって数値化されます。他の星との位置関係から星を特定するのと同じ。その数値は、指紋のように全て異なる。生体認証では、それをデータベースと照合して確認するワケです」
「とゆーコトは…組み合わせの細工も可能というコト?」
「YES。でも、実際はアルゴリズムを解読するのが先ですけど」
「誰かが事前に潜入したワケね?」
「ソレも、アルゴリズムを使える数学の才能がある人物ですね」
「リケジョみたいな?」
「何の話?」
「強盗と出くわした天文台スタッフです。相当な知識がある。ラボにも自由にアクセスが可能」
「でも、防犯カメラのアリバイが」
「たとえ、実行犯でなくても計画に関わった可能性はアルわ。例えば…黒幕とか」
第2章 アキバ科学大学の女
で、その"黒幕"は御屋敷にいる。
正確には、御屋敷の裏を改装した"潜り酒場"で、ミユリさん相手にダベリング中←
元はバックヤードのハズが、居心地良くて、常に誰かがトグロを巻いてて困ってる←
「小学生の頃、12進法における70桁の自己愛数を探してた。私が考えゴトをしてる間、ママが宿題をやってくれてたわ」
「また、ソンな話をして昔の思い出に浸りに来たの?この前、将来の話をしたけど、ソレが過去に逃げ込む引金になったかしら?」
「ソンなコトはナイわ。ただ、思い出に浸ってただけょ」
「過去の栄光は麻薬と同じ。常用厳禁ょ。ところで、朝からラボの強盗の話で持ちきりだわ。何でも内部に詳しい者の犯行だそうじゃない」
「え。そーなの?私もシツコく事情聴取されたけど…でも、科学を志す者が目先の金欲しさに、努力を無にすると思う?で、容疑者は?」
「まだ絞れてナイらしいわ。ラボ関係者は、全員調べられてるそーょ」
「そー言えば、ウチの助手のアイリも…」
「え。"キャッツ愛"のアイリちゃん?」
「YES。女子大生で一緒にキャバもやってるけど…最近、変なお客さんに絡まれてたみたいで」
「でも、お店はコロナで営業自粛でしょ?」
「だから、みんな配信の"投げ銭"で日銭を稼いでルンだけど、彼女の太客に筋悪がいるの」
「…わかった。あのね、ルイナ。そのアイリちゃんまでは責任持てナイけど、私は貴女が容疑をかけられたら、観測可能な宇宙の果てまで飛んででも擁護するわ。OK?」
「ミユリ…」
「ところで、ルイナ。貴女、作曲の趣味があったの?てっきり生粋のリケジョだとばかり思ってたのに」
「え。リケジョょ。理系以外のお仕事はキャバ嬢だけょ」
「貴女の楽譜、テリィ様にお見せしたの。エラく感心されてたわ」
「楽譜?あぁコードの走り書きね。え。テリィたんに見せたの?わ、恥ずかしい。タダのリケジョだから、私」
「そして、作曲家でもあるワケね」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
関係者からの事情聴取が進む中、件のアイリの取調べは偶然にもラギィ自ら行うコトにw
「警部さん。私、どうせ疑われると思ってたワ」
「なぜ?」
「ガラの悪い街の育ちで、小さい頃にスーパーパワーに覚醒したけど、思春期になったら消えちゃった。理由は不明。以来、いつも周囲からは疑いの目で見られて育った」
「ミュータントなの?ミュータント未遂みたいな?でも、この取調べは、貴女の育ちとは関係ないわ。ラボに出入りが出来て、理系の知識もアルと言う条件を満たす者全員から話を聞いてるのょ」
「別に気にしてナイ。ソレにスーパーヒロインをミュータントと呼ぶ警部、好きになれそうょ。確かに私が警部でも自分を疑うわ。何しろ寮費が払えズ、4つもバイトしてるのょ。DNA合成機を売れば、少しは生活も楽になるわ」
「モノの値打ちを知ってるのね」
「貧しい者には、世の中のモノ全てに値札がついて見えるの。私は、里親でシェルター育ち。教科書を盗み、独学で高卒資格を取って、今はアキバ科学大学の女子大生。一通りの苦労はしてる。だから…バカなマネはしないわ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
キツネにつままれたような顔で取調室を出るラギィだが、廊下で担当官と立ち話をスル。
「確かに説得力はアルわね」
「でも、納得出来ません」
「あら、なぜ?」
「ミュータントとしての苦労を自慢するのも変だし、話し方がワザとらしい」
「本当の苦労人は人生を語らない?」
「必死に這い上がった者ほど、過去は隠したがるモノです」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
アキバは、昔から先端産業が産み出す製品や部品で溢れ返る街だ。
ソレは今でも変わらズ"令和のシリコンバレー"とか呼ばれてる。
そんなバレーにひしめくスタートアップの1つ。
「ミュンさん。お話しが」
「刑事か?なぜ万世橋が俺につきまとう?マッドサイエンティストだからか?」
「自分で言うな。話したいだけだ」
まるでガレージ。様々な製品が…組み立て中なのか、分解中なのか良くワカラナイw
中央に仁王立ちし何かしていた男は、フト手にしたアセチレンバーナーに目をやる。
「おいおい。銃には勝てないぞ」
「悪い。ただ、警察のバッチを見ると条件反射でな」
「少し話せる場所は?」
「アンタらと長く話すよーなコトはして無いょ」
ムッとスル刑事を制しラギィ警部が前に出る。
「高級品強盗に使われる工具を扱う業者のリストで貴方の名前に星印がついてたの」
「そのリストの情報公開を請求スル。5年間地道にやってるのに、デカい金庫破りがあるたび万世橋(アンタ達)が来る。でも、今の俺は自由の身ナンだ」
「ねぇ自動赤外線センサーや虹彩の生体認証を突破する方法を教えてょ」
「あのセンサーは、熱パルスの振動で簡単に騙せる。生体認証の方は…おっと、知らねぇな」
「誰が詳しい?」
「知らん。だが、見つけたらソイツの名前をリストに載せて、その横にデカい星印をつけやがれ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ジャドー司令部。
ラギィ警部とレイカ司令官が話し込む。
警察とジャドーの合同捜査が進行中だ。
「やっとリストの半分以上の調べが済んだわ」
「聞き込みは警察のオハコだものね。で、どーなの?」
「最後に会ったミュンだけど…奴は絶対何か隠してる。数ヶ月遡って通話記録を調べてみるわ。強盗現場を綿密に調べてるハズだし」
コスモルックのレイカが溜め息をつく。
「ギャング映画のような人生だモノね…あ、天文台で通達があったそうょ。容疑者の取調べが済むまで、アイリは研究から外されるみたい」
「当然の処置ね。DNA合成機の盗難は深刻よ。もしテロ国家の手に渡れば、世界を第2のコロナ渦が襲うわ」
「え。ソンなスゴい話なの?やっぱり警察って情報が早いのね。でも、アイリが事件に関わっていると言う証拠も無いのょ?」
「今は未だ捜査中だから…あ、電話だわ。失礼」
何やら話してから深刻顔で戻って来たラギィに、レイカが勢いキープのママ、話を続行。
「ねぇ警察は、常に困難にぶつかり続けるアイリの人生にケチをつけるつもり?彼女は、未だ若い。計り知れない可能性を秘めているのょ?」
「ソレが…彼女は実在しない人物みたい。アイリは1987年8月生まれで、同年11月に死んでる。アイリと言う女性は、現世には存在しないの」
「そ、そんな…」
絶句するレイカ司令官。
第3章 LIGO頂上決戦
学寮のアイリの部屋にガサ入れだ!
憧れの女子大生部屋なので、出来れば僕が逝きたかったが(今は地方に単身赴任中なのでw)ヲタッキーズのマリレとエアリが踏み込む。
「クリア!」
「コッチもクリア!誰もいないわ」
「正体がバレるとわかって逃げたのね…しし、この部屋、妙ょね」
「え。掃除は必要だけど典型的なヲタク女子大生の部屋でしょ?」
「典型的過ぎるの。ジャンルがバラバラょ。声優、メイド、地下アイドル、DJ、アニメ。ねぇマリレは若い頃、何に興味があった?」
「お相撲」←
「私はスピルバーグにジャズ。ココは、物欲まみれなヲタクが話題にしそうなモノばかり揃ってる。逝い変えれば多分ヲタクが好きだろうと世間が勝手に思い込んでるグッズばかりを集め、普通の女子大生をムリに演出してる気がスルわ」
「正体だけでなく人格スラ隠そうとしている?」
「ソレでも、ケータイの料金だけは払ってたみたいょ。GPSによると…やや?大学生協の売店にいるわ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
今時の生協って、コンビニと大した変わらない風景だ。店内も客層もw
で、ロケット兵装備のマリレと妖精のエアリは…思い切り目立ってる←
ま、アキバなので誰も気にしてないけど笑。
「アイリを見かけた人は皆無ょ」
「何処かに隠れてる様子もないし…ねぇ携帯に電話してみてょ」
「了解」
生活雑貨の棚の向こうから着信音がスルw
「ハロー。すみません」
頭の先から足の先までUNIQLOの女子が手にしたガラケー(博物館逝きw)をジッと見てる。
「貴女!電話、鳴ってるわょ!ところで、この女を知ってる?」
「え。何なの貴女達?戦隊モノのロケ?…この写メならフィナでしょ?」
「フィナ?」
「私の彼女」←
「ふーん。確かに彼女の携帯ね」
「借りたの。貴女達は?もしかして…(ゲイの)浮気相手?コスチュームプレイ?」
「万世橋警察署」
「え。そのコスプレで?マスク警察的な人達かしら?…で、フィナの身に何か?」
「うーん会って話したいだけなの。とりあえずは」
「でも、ソレは難しい相談ね」
「なぜ?」
「昨夜、ソロキャンプに出掛けたわ。最近、流行ってるでしょ?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
再び"潜り酒場"。
「フィナ?」
「ゲイの恋人にはフィナって呼ばれてました。アキバ科学大の学籍には、アイリって名前は見当たりません」
「あぁ!探す場所は多いのに時間がナイわ」
「さらに、自称アイリの目的も売る相手もわからない。ルイナは失意のどん底ょ」
「ルイナか…身近な相手ほど秘密がアルって逝うわょね?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
先端科学の集積地であるアキバには、スタートアップ以外の人間も集まる。
いや、そもそもスタートアップよりも先に、先ず彼等が集う街だったのだ。
その女、バタヤ。
「ねぇ!映画館用の超大型液晶テレビなの!そっと運んで!壊したら孫の代までタダ働きさせるよっ!」
裏の搬出口から荷出しスル者を叱咤スル女。
ソレを物陰から伺う私服姿のヲタッキーズ。
「テリィ様のお友達からの情報だと彼女、逮捕歴が山ほどアルらしいわ。主に盗難品の売買みたい」
「ミユリ姉様!ソレって昭和に流行ったバッタ屋さん、って奴では?レトロだわ」
「YES。しかも、半島や盗難…じゃなかった、東南アジアへの大手闇ルートとも通じてるらしいの…わ!押さないで!」
「ごめんなさい!でも姉様のお尻が…万世橋が彼女の通話をモニターしてルンですけど、件の強盗事件の前にミュンと頻繁に連絡をとってたそーです。私達がミュンに会った直後もスゴい通信量だったらしくて」
「盗難ビジネスと無関係で奴等とつるむ人はいないわ」
「ラギィ警部は、今すぐガサ入れしたいけど、もう少し泳がせて証拠を集めたいって言ってました。エアリ、貴女の胸が無駄にデカくて邪魔!」
「とにかく!売り飛ばされる前にDNA合成機を探さなきゃ!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その夜の御屋敷。
少しヤツれた感じのルイナが私服で御帰宅。
理系キャバがコロナ休業中で夜は暇なのだw
メイド長自ら接客スル。
「ミユリ。私はアイリのコト、同じ理系と言うだけで擁護してしまったわ。本名も知らなかったのに。警察の捜査も混乱させた。完全に物笑いの種ね」
「みんなが騙されたのょ」
「みんなが騙される嘘を科学で暴くのがリケジョでしょ?あんな、全くの詐欺師に騙されるナンて!」
「タダの詐欺師じゃなかった。少なくともDNA合成機の操作は知ってたし」
「私は、今まで天文台で相対性理論をもとに時空を観測し、微細な変化を調べてきたの。その私が目の前の詐欺に、まるで気づかなかったナンて」
「…その通りね」←
「うれしくないわ、ミユリ」
「天文台では、どんなコトを調べてたの?」
「重力波を伴う現象ね。量子補正に基づく予測を検証してた」
「ねぇアイリのコトだけど…彼女自身ではなくて、彼女の出す波を見たらどーかしら?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ジャドー司令部。
「ムーンライトセレナーダー!困るわ、勝手に民間人を司令部に入れちゃ!」
「彼女は、ヲタッキーズの科学顧問です。今回の件も、彼女の見解は一聴に値します。さ、ルイナ」
「アイリの過去がわからないのは、彼女が慎重に過去を隠してるからです。でも、過去の痕跡だけは誰も隠せない」
「何ソレ?今回の教訓ナンだけど、ジャドーには万世橋より、簡単でわかりやすい説明をしてくれる人が必要なの。もし、貴女がそーなら司令部への入室も許可します」
「わかりました。ところで、人生とは、まるで水切り遊びのようなものです」
え。瞬時にシンと静まり返るジャドー司令部。
「水面を切って飛ぶ石は、一瞬でも着水すれば、そこに波紋を残します。着水した証拠です。だから、その波紋を分析すれば、石が飛んで来たコースがわかる。石を投げた場所が割り出せルンです」
「なるほど。ソレで?」
「アイリの残した波紋とは、ハイテクマシンを使いこなせる才能です」
「ソレは、アキバ科学大で習得したのでは?」
「DNA合成機については多分そうでしょう。でも、他の先端マシンも使いこなすとなると別です。ヘリとヨットとF1カーを運転する能力みたいなモノだから」
「じゃあアイリが以前にも何処かで先端マシンを盗んだと?」
「あくまで仮説です。ただ、コレだけ先端技術のマシンを扱える高レベルな人間は、極めて限られる。せいぜい数万人でしょう」
「ソレでも数万人w」
「ココで、さらに新しい波紋を加えて絞ってみます。覚えてますか?アイリは私と同じキャバ嬢です。しかも、誕生月以外でもNo.1を十分に狙えるナンバークラス。何処の御屋敷も、ナンバークラスはサイトにUPしてるからデータの収集も容易です。で、見つかったのは3人。探せば他にもいるかもしれません。西東京科学大学-2.2メートル望遠鏡-2021年。港サイエンス大学-生体分析グループ-2020年。東京湾大学-ゲノム研究-2019年」
「コレが全部アイリ?ってか同一人物なの?まるでカメレオンだわ。脱皮を繰り返す蛇ね」
「モチロン、今頃は別の名前を名乗ってるでしょう。そして、間違いなく次のターゲットを狙ってる」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
レイカ司令官は、その場でルイナをヲタッキーズ科学顧問として野戦任官し、軌道上の量子コンピューター衛星シドレの使用を許可。
「スゴい!さすがは量子コンピューターw」
ルイナが、その場で描いたアルゴリズムが走りシドレが膨大なデータを瞬時に処理スル。
「自称アイリのキャリアがホボ判明!吉祥寺大学ではポルコ。自称牧場育ち。天文学と微生物学が好きで、成績は平凡。ハンバーガー店員だったがバックヤードのパソコンを盗んで失踪。その後リベラとして目黒大学に入学。自称マグロ漁船育ち。成績は平均以上。耳かき店のバイト従業員」
「20代半ばで、かなり経験値上げてるな」
「250万円相当の電子顕微鏡の盗難と同時期にドロン。翌年、低脳未熟頭痛部に入学。路上で育ったと吹聴。アラサーのハズなのに見事にハイティーンの不良を演じてるw成績抜群にして初めて秋葉原メイドを経験。翌年400万円相当の質量分析計とともに蒸発」
「うーん毎回死んだ人間にナリスマシ、出生証明書や免許証を入手してるわ」
「半島のスパイでは?」
「違う。潜入工作員が危険を犯して盗むほどの極秘情報は無い。労力を費やし学生のフリしてまで盗む金額でもナイ」
「盗みは目的ではなく手段なのかな?」
「何の?」
「人生を繰り返すごとに状況が良くなる。人生リピーター症候群、一種の"人生ヲタク"ですね。麻薬欲しさに盗みを繰り返すジャンキーと同じ。ハマると抜け出せない」
「新しい人間になり、偽りの名声を得るコトでハイになる」
「ソイツにDNA合成機とは…危険だわ」
「ラギィ警部のトコロのバタヤ盗聴班によると、どーやら今日の午後、デカい取引がアルよーです」
「わかったわ!今日で挙げるわよっ!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
僕は…"潜り酒場"で笛を吹いてるw
「テリィたん。まるでギリシャ神話の牧神みたいね」
「あ、ルイナさん。君のくれた笛、楽しいね。コードとか心配しないで誰でもアドリヴが出来る。コレは5つの音の音階。ペンタトニックスケールの笛だ」
「音楽のコトは良く知りませんが、単純な分数の組み合わせで、魅力的な音階が出来ました。もともと1次元波動方程式って見事な調和性があるから」
「そっか。確かに吹いてて少し癒された」
ルイナさんは、僕を見つめて少し微笑む。
「聞いても良いですか?私がミユリに嫉妬してると思ってましたか?」
「え。何で?」
「上手くは言えないけど…でも、ソ厳密に言えばソレは嫉妬では無いのです」
「じゃ何?」
「13歳で大学に行くのって、誇らしかった。若さのおかげで、何をしても褒められました。周りからも良く言われました。若くしてその才能、将来は何をやってのけるだろうって。ソレが今ではアラサーのキャバ嬢」←
「うーん83歳の時に黒板の前で天寿を全うした教授を知ってるけど…ルイナさんの絶頂期は、まだまだ先だと思うょ?」
「そうですね。だけど…若くしてではない。もはや」
フイにルイナさんが伏目がちに接近w
キスの0.01秒前?ミユリさんが出現←
「テリィ様、今宵のアフターは…あら?何?この雰囲気wま・さ・か!」
「ち・が・う!」
「その笛は?」
「ミユリ、落ち着いて!私がテリィたんに作ってあげたの。昔、ミュージシャンに憧れてた時期があって…その過去を清算スル代わりに作った笛ょ」
「え。じゃコレって、好きな音楽を諦めるために作った笛ってコト?」
「ソレって重くね?」←
「YES。でもね。ソレは愛する者のためなの。どうぞソレを忘れないで」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同時刻、バタヤ電子機器。
「やっと搬出トラックが来たわ。遅いじゃないの!さぁ積み込んで!大急ぎよっ!」
またまた大騒ぎになるビル搬出口で、女だてらに大声を張り上げるのはバッタ屋バタヤ←
と、ソコへサイレンを鳴らし万世橋のパトカーが続々到着し、トラックの動きを封じる。
天を仰ぐバタヤ女史。
「万世橋警察署!動くな!全員、両手を頭の後ろに!」
「嘘でしょ?何なの、ラギィ?ねぇコロナに負けずに経済を回そ?」
「黙れバッタ屋!」
「差別用語だわ!アウトレットとか呼べないの?ねぇ秋葉原じゃいつからバーゲンが違法になったのかしら?」
「アンタがDNA合成機をアウトレットした時からょ」
ラギィが搬出中の梱包にツカツカ歩み寄る。
ナイフで梱包を破ると…中身はDNA合成機。
「今度の買い手は半島らしいわね?」
「ホント?ショックだわー」
「トボけないで。敵対関係にある国への生物兵器の供与だわ」
「生物兵器?タダのコピーマシンだと聞いてたけど」
「あのね。アンタとミュンとの通話記録があるの。私達が捜査してると教えに電話して来たでしょ?」
「ソンな男は知らないわ」
「ミュンの方から話を持ちかけて来た。危険な盗品だからプロの貴女を頼ったのね」
「待って。私は、電化製品を売るだけの女。私は盗まない」
「そうょね。ミュンに特殊工具を指示し、強盗団を組織させた」
「じゃミュンに聞けば良いじゃない。売るコト自体は犯罪じゃないわ」
「コレは、国家反逆罪で終身刑なの。せっかく15年間用心を重ねて逮捕を免れて来たけどコレでパァ。貴女はミスを犯したの」
その瞬間、ダマヤが"落ちる"。
「あの装置は、ミュンから預かっただけ」
「いくらで?」
「500万円」
「盗んだのはミュンなの?」
「YES。確かに、一稼ぎするためミュンの計画に手を貸した。でも、盗んだのはミュン。神田明神に誓って」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
バタヤの自供を受けてヲタッキーズの飛ぶ系ヒロインコンビがミュンのオフィスに急行。
マリレはロケット兵装備、エアリは飛行魔法で空から駆けつけるが、ソコで見たモノは…
「胸を1発で撃たれてます。恐らく即死」←
通報を受けた救急隊員が死体を担架で搬出。
「ミュンの胸に1発。オフィスに争った痕はありません」
「採取した指紋は、自称アイリのモノと一致。恐らく金の取り分で揉め、アイリが撃ったのでは?」
「DNA合成機の駄賃500万円も、煙のように消えてます」
「あと、バックヤードからプラズマカッターが盗まれてます。金庫の扉をバターのように溶かして切る奴。何かデカいモノを盗むつもりカモ!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ジャドー司令部。
現場からの情報が続々入る中、ムーンライトセレナーダーに変身したミユリさんとナゼかムダに白衣のルイナさんが"談笑"してるw
「物質の状態は4つ。固体、液体、気体。そして、気体を熱してできるプラズマね。あ、ボース凝縮も考えれば5つだわ」
ふたりは…笑う。
乾いた笑い声だ←
「5つ目は考えなくて良いわね」
「まぁね…プラズマカッターだけど、電極回路で直流プラズマを生むの。1万7000度のプラズマが秒速6000メートルで出るから、厚さ3センチの鋼鉄を1分で30センチ切れるわ」
「何処でも狙った場所に難なく入れるワケね」
「問題は何処かょ」
「自分のプライドを守るために、スゴいヤマを狙うハズ。長年、若い学生達と競って来たンだモノ。バレれば笑いモノだし」
「自分は決して負け犬ではなく天才だと、誰かに誇示したいハズ」
「天才じゃないわ。本名はエスリ。岩手県出身。高校の同級生だった警官が、卒業写真で気づいたそうょ。どこから見ても平凡だったらしい。地元の短大に2年通い、以後、消息不明に」
「次のゲームが始まる前に捕まえましょ…
でも、そのためには今一度、私達はメイド服を着てみない?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
で、その夜の"潜り酒場。
僕の前にふたりのメイドw
推しのミユリさんはもともとメイド長、ルイナさんはリケジョキャバの制服?でメイド姿。
とりあえず、思うコトを述べる僕←
「アイリは詐欺師だけど、幅広い研究をしてたのは事実だょね。生物化学、宇宙物理学、遺伝学…」
「でも、所詮は同じコトの繰り返しですょね?新しい挑戦も、得るモノもナイ。まるで私を見てるみたい」
「え。ミユリさん?ミユリさんが最高のメイドでアルことは秋葉原が保証してるじゃないか。ソレに…そもそもミユリさんは人殺しじゃないし」
「所詮は、夢の中の人生です。アキバと逝う大きな夢の中の」
「ヲタクがアキバと逝う夢に生きて、何が悪い?僕達は、こうやって"潜り酒場"で強盗の狙いを予測してる。こうして、リケジョの経験と勘の助けも借りて」
「でも、結論は出ません」
うーん。
「じゃアプローチを変えよう」
「何か近道はありますか?」
「例えばベンフォードの法則とか?
「ベンフォードは単純な確率論ですょ?」
「え。そーなの?じゃあ、ロジスティック回帰モデル」
「何なのソレ?ルイナ、教えてょ」
「例えば、雷の落下地点の予測ね。稲妻の発生には雲の内的条件が必要だわ。つまり、湿気、乱気流、負の電荷」
「なるほど。雷雲が数式の塊に見えてきたわ」
「ミユリ、その調子ょ。で、同様に犯人の内的条件として、暴力性や宗教的な過激度、女性観を定量化して、ソレを外的条件とクロスさせる。外的条件としては、指導者への忠誠度、地理的要因、金銭問題とかね。コレで落雷の場所がわかるワケ」
「ふーん」
「アキバにいる過激派のデータが必要ょ。最近の入国者、過激度による襲撃事件のデータ、公式情報もいる。逮捕歴、年齢、民族、宗教、在米期間とか」
「でも、そのモデルすら、統計的な現象に過ぎないのでは?」
「しかし、意識的なモノではない。ホラ、対数表の本って、前のページほど痛んでるでしょ?恐らくアイリもそうだわ。長年、特定の機材を意識的に狙ってたワケじゃない。だって、彼女がハイティーンの頃、現在の重要なハイテクマシンは存在すらして無かったンだから」
「そっか。アイリは身に付けた知識をもとに次に何を盗むのかを決めてたんだね」
「本の使い込んだページを活用しようとしてるワケね?」
「YES。量子コンピューター衛星"シドレ"を使わせてもらって解析したけど、アイリの西東京科学大学時代の専門は、重力現象だったわ」
「なら、LIGOの研究にも慣れてたワケだ」
「低脳未熟頭痛部ではPCクラスタを」
「LIGOにも使われてる」
「東京湾大学ではゲノム研究だからレーザーを扱う」
「LIGOのメインシステムはレーザー干渉計。どうやら、アイリの使い込んだページはLIGOだね。そして…彼女の次のターゲットは恐らくLIGOソノモノだ」
「私の勤務先?天文台が狙われてるの?」
「天文台って…アキバじゃ高層タワーのテッペンで星を見るンだょね?」
「あのね。天文台がテッペンにあるのは昔の話なの。テリィたん、今時の天文台はね…」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
地下にアルのかw
深夜の神田川河岸。黒いバンからレオタード姿の盗賊団が現れる。
リーダー?が腕時計をチラ見して頷くと一斉に散って作業開始だ。
彼女達が手にしてるのは…プラズマカッターw
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ミユリさんはヲタッキーズに、ルイナさんは万世橋に、僕はジャドーに通報スル!
関係者は全員LIGOに現地集合だ!ミユリさんはムーンライトセレナーダーに変身!
ルイナさんも紫レオタードにならないかな←
「え。ルイナさんから突入?危なくね?」
「そうょ。ココは一応スーパーヒロインに変身してる私が先に…」
「もし手遅れだったら死にたいわ。実験データの詰まったコンピュータは無事かしら?」
LIGOは"レーザー干渉計重力波天文台"の略で1辺4kmのL字型超高真空システムを擁する。
つまり4kmの地下トンネルがL字型に埋設された地下施設で、とりあえず僕達は、管制室へ。
「コンピューターは、全て元の場所にある。データは無事よっ!」
「ソンなモノより金目のモノは?」
「え。全部輸入品で半導体レーザーは15万ドル。サファイアが2つで50万ドル」
「サファイア?」
「光学機器では必需品ょ。潜水艇の窓とか。人造サファイアだけど恐ろしく値打ちがあるモノなの」
ソレを早く言えw
「で、そのサファイアは?」
「LIGOトンネルの中ょ」
「え。じゃ今頃アイリ達もトンネルの中に?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
いや、未だだw
「コチラ、和泉橋12。末広町交差点の真ん中に不審車。無許可工事。カッターで路面を開削中」
「確認して報告を」
「了解…君達、交差点の真ん中で一体何を…ぎゃあ!」
パトカーからの連絡が途絶える。
直ちに全パトカーが現場に急行w
「末広町の交差点?神田川からは随分遠いな。強盗団じゃないカモ」
「待って!あの交差点の地下にはLIGOトンネルが走ってるわ」
「万世橋警察署!交差点の地下にはレーザーを通す4kmのL字型パイプが埋まってる!ソイツらは強盗団だ!奴等のターゲットはLIGOの人造サファイア!ヲタッキーズも直ちに全力出撃スル!」
「了解!万世橋全パトカーに告ぐ!現場に急行せよっ!ありがとう、テリィたん」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
現場は既に銃撃戦だ!
交差点で掘削?現場を死守スル強盗団を万世橋の全パトカーが包囲し降伏を呼びかける。
しかし、答えは短機関銃の一斉射撃だ。ジャドーの特殊部隊も到着しロケット砲を照準w
ソコへ…
「ヲタッキーズよっ!膝をついて!」
「両手を頭の後ろで組むのよっ!」
「"アキバライザー"で黒焦げになりたいの?顔を伏せて手は頭に!」
マリレとエアリを従えたムーンライトセレナーダーが到着!
左右にスーパーヒロインを従えたアキバの女水戸黄門だっ←
「ギブアップ!」
もはやココまで。短機関銃を投げ捨て強盗団が投降スル!
…が、みんな紫のレオタード?ハイテク強盗は全員女子?
何で?
第4章 あの笛は吹かないで
マジックミラーの向こうの取調室に、ラギィ警部と自称アイリ。
僕達は、警部自らの取調べの模様を、息を殺して見守っている。
「限界だと思ってたわ。18才で通すのは痛過ぎる。知ってる人に会うリスクもあった。科学者の世界って狭いのょね。だから、今度のLIGOを最後の仕事にしようと思ってた」
「え。じゃDNA合成機は?」
「アレは、LIGOを襲うための資金集めだった。ソレをアンタ達が嗅ぎ回ったせいでに…」
「ミュンに計画がバレて金を要求された?」
「私は殺してないわ。殺したのは…」
「銃撃戦で死んだ仲間のせいにスル気?」
「事実だし」
「まさか強盗の口からその言葉を聞くとはね。世も末だわ。しかも…アンタ達が保釈だナンて」←
「あら?やっと警部の上司にも話が回ったようね。ホント日本の警察組織って硬直的だわ」
「アンタ達は何者?ソレと…アンタ達とおんなじ紫レオタード好きのルイナって、いったい誰なの?」
「私はね、どの大学にも入学を断られたの。普通の高校生だからと言う理由でね。私の長所や可能性を評価するドコロか、不当な扱いスラ受けた。この社会は、ホントに不公平だと思うのょ」
「あのね。みんな同じスタートから競ってるの。公平にね。私だって、ギャングを避け、家族のために働きながら必死に頑張ったから今のポジションがアル。公平っていうのはね、そーゆー人間が使う言葉なの」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その夜の"潜り酒場"。客は僕1人だ。
カウンターには楽譜が投げられている。
「アレから、ずっと考えてたンだけど」
「考えるの、お好きですモノね」
「ルイナさんの音楽のコトだょ。誰でも1人になりたい時に逝く場所ってアルょね?僕はジャズ」
「ソレがルイナさんは作曲だとでも?」
「きっと自分だけの居場所だったんだ。ソレを外に求めるヲタクもいるけど、内面に求めるヲタクもいる…」
すると、ミユリさんの目尻がぶわっと膨らんだと思うや、溢れた涙が一筋、頬を伝う。
泣いているのか?ミユリさんが?まさか…ウソ泣きじゃナイだろーな。わぉマジかょw
「あの笛はもう吹かないで」
僕は、千切れるホド激しく縦に首を振る←
おしまい
今回は、海外ドラマでよくテーマとなる"リケジョの悪事"を軸にハイテクマシン専門の強盗団を率いる歪んだリケジョ、彼女に対抗スル正義?のリケジョ、強盗団を追う警察や防衛組織、そして久しぶり登場wのヲタッキーズの面々などが登場しました。
さらに、新たにチームに加わるリケジョのキャラ立て、悪者リケジョ側の人生模様などの伏線も張ってみました。
海外ドラマで舞台となるニューヨークの街並みを第3次コロナ宣言の収束前の揺れる秋葉原に当てはめて展開してみました。
秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。




