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パープリン大将と、僕。  作者: 運田 兵鉄
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パープリン大将と、僕。 すねに傷のある人々。

パープリン大将の魅力にはまる、すねに傷のある人々。


「当たった、当たった、大将大当たりー」小躍りして三吉が札束を両手に持って、万歳しながらやって来た。

スタンドにいた、周りの客はますます、嫉妬で引いていく、しらけた空気が漂ってきた。

三吉は大将に札束を手渡した、小ぶりのセカンドバックでは、入りきれず大将は腹巻から唐草の風呂敷を出して、札束とハンドバックを無造作に包み込んだ。そして三吉を見て右手を出して上下に小刻みに振った、「すみません」三吉がポケットから、万札一枚と小銭を大将の掌にのせた。「ふふふーんパープリン」と大将はにっこり笑った。

また、となりの親爺が僕に話しかけてきた。「奴は負けるために来るのに、また勝ってしまった運が強い」

「そんなことあるんですか」親爺は続けた、「本当は負けたい、だけど勝つとうれしい、金を減らしたい、

しかし増えると嬉しい、普通の人間には絶対に解らない、」「金持ちの悩みですか」「俺達には一生かかっても解らない悩みだな」

こんな調子だから、パープリン大将の周りには人は集まらない、金目当てで、ご相伴にあずかろうと言う輩もやって来るのだが、大将はパープリン語と言う特殊語を多用するのと、どうしても金持ちゆえの、ケチである為、気持ち悪がり、すぐに去っていくのである。しかし金に絡まなければ、大将の最も良い性格特性の包容力に、大抵は敬意をはらい尊敬される事になる。知り合えば相談事をされる頼りにされることもある。但し金と無縁でなければならない。

目深く帽子を被り、異常に大きなマスクを付けた男が大将の隣に座った。物怖じしないその男は大将に話しかけた、「当たりませんね、駄目ですね」大将は、「パープリン」と答えた。それを訊いて、男は面白いと思ったのか、「パープリンですわ」と答えた。その様子を見ていた三吉が、スポーツ新聞を広げ中面の記事を指さし震える手で、「多目的トイレ」と大将の耳元で呟いた。記事には不倫スキャンダルが載っている。三吉はこの男を記事の芸人Wだというのだ。大将のトイレは、いつも多目的トイレである。理由は肛門まで手が届かないために、三吉に拭いてもらう。二人で入る多目的トイレは便利なのである。

「あんた、Wさん」。「分かりますか」「ぼくも多目的トイレ。パープリン」「参ったお恥ずかしい」





話題のスキャンダルに話は?

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