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ブリーフィング

艦長の朝は早い。


地球時刻の午前六時には起床。


強引に洗顔歯磨き、ひげ剃りをさせられる。




朝食もまだなのに司令部へ出頭。


ムシル泊地ジョー司令官から作戦指示書を受け取り、簡単な説明を受ける。


このときは乙姫も一緒だ。






「ジョー司令官」


「なにかな、艦長?」


「乙姫は第二十一潜水艦隊所属のようですが、艦隊司令官に挨拶がまだなんですけど?」


「もう済ませてるよ」


「へ?」


「だからよ、俺が泊地司令官と艦隊司令官を兼任してんのよ。地球人を拉致同然で協力させてんだ。第二十一潜水艦隊ってのは俺の肝入りってことさ」




まあ、僕になにかあったとき、ボスが話し合いに出向いた方が話が早いだろうことはわかる。


だけど。




「それだけですか?」


「なに?」


「地球人の欲望をエネルギーに変える実験もあるだろうから、どれだけモノになるかの実験艦隊的意味合いもあるんじゃないかと」


「察しがいいなぁ乙姫、お前のとこの艦長はよ!」




司令官はゲラゲラ笑う。




「ってことだからよ、欲しい装備があったらいつでも言えや。ポイント足りなくても融通してやるからよ」


「ということは、僕たちは生き残る努力をしていいんですね?」


「お前軍隊にどんなイメージ持ってるんだよ?」




とりあえず指示書を受け取って船に戻る。


僕は主計長の作った朝食をいただきながら、乙姫の読み上げる指示書の内容を把握してゆく。


発令所でだ。


各部署の長も一緒である。




「潜水艦乙姫は本日マルヤーマルマル(08:00)に出港。敵の補給艦隊を襲撃。これを討ち取ります」




まず位置的状況を説明しよう。


一番左に僕たちのムシル泊地があると思ってください。反対側、一番右に敵である帝国本星。


ふたつの間にはアルファ側が占領した衛星スカ。その向こうには敵の陣地、衛星アリ。


我らが陣地スカはアリからの航空機爆撃を毎日食らっていて大変な状況らしい。


そこでアリへの物資が届かぬように、補給艦隊を討ち取るのが今回の任務だ。




なに? アリへ直接攻撃すればいいって?


アリには天敵の駆逐艦がウヨウヨしていて、簡単には手が出せないんだ。


それになりふり構わないマネをされたら、泊地そのものが危うくなるような戦力も備えているらしい。


じっくり外堀を埋めるようにしていきたいというのがジョー司令官の作戦だ。




ということで、どのようにその任務を達成するか?




「まずは潜水艦乙姫の装備を説明します」




乙姫がデスクパネルを操作した。


潜水艦乙姫のCGが浮かび上がる




「まずは艦首魚雷六門十二発。これは乙姫最大の武器であり、一発で戦艦を傾けることも可能です。そして麻実也艦長をエネルギー源とした14センチ砲。こちらの威力も絶大で、理論上は一発で駆逐艦を止めることも可能です。有効射程距離は10宇宙キロ。敵の軽巡洋艦と同じだけの射程があり、駆逐艦の9宇宙キロをしのぎます。先日の戦闘で連射可能ということも証明されました」




ようするに、天敵であるはずの駆逐艦は怖くないと。




「他には囮のデコイ。あるいは通信妨害用の電波機器。さらには敵の水探を妨害する装備もございます」




囮とか煙幕もどきとか、なかなかの装備だね。


朝食のサンドイッチをコーヒーで流し込みながら、心の中で感心する。


というか、やはり戦争なのだ。


どちらも必死という意気込みが伝わってくる。




「ここ最近は潜水艦魚雷による奇襲攻撃が効果を出していましたが、敵も考えたもの。補給艦本隊の露払いに潜水艦掃海部隊を配備、徹底的に潜水艦を洗い出す戦法をとってきました」




つまり捜索部隊が先行して、航路の安全を確保するってことだね。


そして潜水艦を見つけ次第、爆雷で攻撃する、と。




「航空部隊の索敵活動も活発で、亜空間に沈めた水探を引っ張っていることも確認されましたが、こちらの性能は不安定なようです」




できればそんなものには出くわしたくはない。




「そこで乙姫は通常空間に残した監視カメラと電波探知機を利用して早期に敵輸送艦隊を補足。デコイから発する偽の魚雷音で本艦眼前に敵を誘導。魚雷でしとめるという戦法を取りたいと思います」




デコイと魚雷音だけで敵を誘導だなんて、相当恐れられてんだね。僕たちは。

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