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62・和解

 前回記載し忘れましたが、ブックマーク150突破おおきに

「さて、残った君達には、聞きたい事があるねん」

 ヒナタが残されたポール達に尋ねた。

「な、何ですか?」

「…シャロンが盗賊を殺した時…どう思った?」

「「「「!?」」」」

 ヒナタのその言葉に、四人に動揺が走る。

「シャロンの事…どう思った?」

 再度同じ質問を投げるヒナタ。

「…正直言って…怖かったです」

 ポールがポツリと言った。

「最初にシャロンが、僕らに向けた目は殺気立っていました。すぐに何時ものシャロンの目になりましたが」

「成程…それで、これからどうする? シャロンを大量虐殺者として見るんか?」

「……」

 それに対して、誰も答えられなかった。

「実はな今回の任務は、元から君達全員に殺しの経験をさせるのが、目的やったんや」

「「「「!?」」」」

 再び動揺が走った。まさか団長が自分達に殺人を押し付ける様な真似をするとは思ってもいなかったからだ。

「まあ予想外にシャロンが一人で倒してしまったけど…何時かは君らに同じ様な任務を、また与えるつもりやでボクは…何でボクがそんな事すると思う?」

「……」

「今はまだ平和だから良えけど…何時か殺される様な状況になったらどうする? 素直に殺されるんか?」

 ヒナタの言葉に、四人は首を横に振る。

「そうさせない為に、僕は今回の任務を与えたんや…言うとくけど、ボクもシャロン以上に人を殺してる…この騎士団が壊滅しかけた時の話を知っているやろ? またそんな事が起こらない様に、ボクは今回の任務を与えたんや! 勿論他のチームにも与える。今回はシャロンがやってくれたから良えけど、次も同じ様にいくとは限らんで!」

「……」

 ヒナタの厳しい言葉は、四人の心に響いた。

「……」

 厳しい表情をしていたヒナタは、ニコッと笑った。

「まあお説教はこの辺で良えやろ! 部屋に戻ってゆっくり休みや!」

「「「「…ありがとうございました」」」」

 そう言うと四人は、団長室から出て行った。

「……皆…頑張リーや…ケホッ…ケホッ…」

 ヒナタはそう呟くと、小さく咳をした。


※           ※


「ふぅ~良いお湯だった」

 浴場からの帰り道を、新品の制服に着替えたシャロンが歩いていた。血で汚れていた蒼銀の髪は、すっかりと綺麗な髪に戻っていた。

「ルーンも気持ちよかったか?」

「キュイ!」

 少し毛が湿っているルーンが、元気に返事をした。

「…さてと、あいつ等どうするかな…今まで通りいかないかもな…この一ヵ月折角仲良くなったのにな…」

 そんな不安げな言葉を口にしている内に、シャロンは自室の前に辿り着いた。

「…良し。入るか」

 シャロンは意を決して、部屋に入る事にした。すると既にポール達四人は戻っていた。

「…よう」

 シャロンが小さく声を掛けると、四人は立ち上がった。そして…

「「ごめん((なさい))」」

「へっ?」

 予想外の展開に、シャロンは戸惑う。

「僕達、怖くて全部シャロンに押し付けてしまった」

 ポールが言った。

「ホントは俺らも戦わなきゃいけなかったのに…悪りぃ!」

 ジャンが言った。

「済まない…お前だけに背負わせて」

 トーマスが言った。

「シャロン…ホントにゴメンね」

 リリアが言った。

 そんな四人の謝罪を受けたシャロンは…

「…何言ってるんだよ」

 笑顔で対応した。

「俺一人で戦ったのは、俺の判断だし、お前らが気にする事じゃないよ」

「でも…」

 ポールが何か言い募ろうとするが…

「だから気にするなって…俺達仲間だろ?」

「「「「!」」」」

 シャロンの言葉を聞いて、四人は目を開いて驚いた。そして…

「シャロン…ありがとう!

「「「ありがとう」」」

 ポールに続いて、他の三人も礼を言った。

 こうして初の盗賊討伐任務は、幕を閉じたのであった。


 無事に和解が出来たシャロン達。

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