5・ステータス確認とスキル
「そういえばこの銃、弾が入っているのか?」
祐二はホルスターから拳銃を取り出して調べてみた。するとマガジンを取り出すボタンを見つけて、そのボタンを押してマガジンを出した。
「…一発も入ってないじゃん!!!」
マガジンは空っぽだった。
「弾切れの銃で何しろっていうんだよ…そうだチート!」
祐二は神が手紙で言っていた、ウィンドゥを表示してみる事にした。
ユウジ スギムラ
種族・人間
年齢・一五歳
レベル・1
職業・無し
能力・弾薬錬成能力、世界の知識。
称号・ドラゴンを愛する者
体力・545
知力・691
魔力・1295
精神力・891
身体力・674
「…まず色々ツッコミたい事…俺年齢三十五の筈なのに、何で十五まで若返ってるんだ? そらまぁこんな美少女の姿になってれば、若返っているって薄々思ってたけど…あとステータス値がレベル1にしては高くないか? これが神の言っていたチートの効果なのか…あと称号が『ドラゴンを愛する者』って…まあ確かにそうだけど…後は…」
祐二の眼に『弾薬錬成能力』と『世界の知識』の二つが映った。「
『弾薬錬成能力』と『世界の知識』ってあるけど、『弾薬錬成能力』は想像出来るけど、『世界の知識』って何だ?」
そう呟いた時であった。
『初めましてマスター』
「うわっ!?」
突然女性の声が祐二に聞こえ、祐二は驚いて空っぽの拳銃を辺りに向ける。しかし辺りには誰も居なかった。
「い、今の声は? 誰?」
警戒しながら尋ねる祐二。
『私は『世界の知識』。マスターのナビゲーションを行う者です。私の声はマスターである貴方にしか聴こえません』
『世界の知識』と名乗った女性の声は、祐二だけに聞こえる存在の様だ。
「ラノベとかにあるナビ的存在か…じゃあ俺のサポートをしてくれるの?」
『はい。私はその為に神からマスターに授けられました。これより全面的にマスターのサポートを行います』
「分かった。じゃあ頼むよ…名前は何て呼べばいい?」
『私の名前は、『世界の知識』。それ以外にはありません』
「何か堅苦しいな…俺が名前を付けても構わない?」
祐二は『世界の知識』に尋ねる。
『構いません。マスターのご自由になさって下さい』
「じゃあ…ナビゲーションの最後を取って…ヨンはどうか?」
『ヨンですか。分かりました。これからの私の名前は、ヨンでお願いします』
「よろしくヨン…でっ早速なんだけど、ヨンのスキル以外にもう一つある、『弾薬錬成能力』って、文字どおり弾薬を作成するスキルなのか?」
『はい、その通りです。弾薬の作成を行うのであれば、スキルの発動をして下さい』
「分かった。スキル発動・『弾薬錬成能力』」
祐二がスキルを発動すると、先程のステータスのウィンドゥと同じものが表示された。
現在錬成可能弾薬
通常弾×100
尚、錬成した弾薬は、二十四時間経過しない限り、再度錬成不可能です。
表示されたウィンドゥには、それだけが記載されていた。
「現在って事は、俺がレベルが上がれば作成出来る弾薬も増えるのか?」
『その通りです』
ヨンが肯定の言葉を述べる。
「じゃあとりあえず、通常弾×100を錬成するか」
祐二が言うと、ウィンドゥにYES・NOの表示がされ、祐二はYESを選択した。
「…あれ? 何も出ない」
てっきり自分の目の前に弾薬が現れるかと思ったが、何も現れなかった。
「ヨン。もしかして失敗した?」
『いいえ。アイテムボックスの中をご確認下さい。確認方法は、ステータスの表示と同じです』
ヨンにそう言われて、祐二はアイテムボックスを確認する。するとウィンドゥが表示されて、確かにその中に通常弾×100はあった。
『アイテムボックスの中身を取り出す時は、取り出す物をイメージして下さい』
ヨンに説明を受けて、祐二は通常弾×100をイメージする。すると何時の間にか祐二の手に空のマガジンと箱が二箱あった。
祐二は箱を開けてみると、其処には弾薬が五十発綺麗に敷き詰めれられていた。
「これで銃の装填が出来るな」
そう言うと祐二は、ホルスターから拳銃を取り出し、マガジンを取り出して、其れに銃弾を装填し始めた。マガジンには十二発装填可能であった。
弾薬を装填したマガジンを拳銃に装填すると、今度は弾薬と共に出て来たマガジンにも装填し、それは上着のポケットにへと入れた。
「さて、銃の準備を出来た事だし、森からの脱出を行いますか。ヨン、何かあったらサポートお願い」
『了解しました。マスター。』
こうして祐二は、森からの脱出を目指して行動を開始した。
『黒猫の騎士』のリアと同じ、世界の知識・ヨンの登場ですわ。
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