49・やむを得ない狙撃
森の中を逸れたシャロン達…。
「まさかゲリラ戦を仕掛けてくるとは、奴ら思ったより知恵があるぞ!」
森の中で逸れた仲間達を探しながら、シャロンが呟いた。その時…
「グギャギャ!!!」
一体のゴブリンがシャロンの背後から、襲いかかってきた。
「ぉらぁ!」
シャロンはエルボーを、背後から襲いかかってくるゴブリンに打ち込んだ。
「ギャゴ!?」
もろに喰らったゴブリンはその場に倒れこんだ。シャロンはそのゴブリンを足で抑えつけて、白風を突き刺した。
突き刺されたゴブリンは、奇声を上げながら絶命した。絶命したのを確認すると、シャロンは白風を抜いて、血を払う様に振った。
「…結構血で濡れたけど、この白風錆びないのかな?」
シャロンがそう呟いた時…
『ドラゴンとの契約で現れた武器は、主が生きている限り錆びたりもせずに、破損しても再生します』
と、『世界の知識』のヨンが答えた。
「…それにしても、ゴブリンを殺しても嫌悪感とかが出てこないな…やっぱりこの世界に適したようになっているのか…」
『マスターの考え通りです』
ヨンが同意した。
「さてと、それより逸れた仲間を探さないとな…」
そう言いながら、当てもなく移動しようとするシャロン。その時…
「キュイ、キュイ」
ルーンが鳴き始めた。
「どうしたルーン」
「キュイイ、キュイ!」
ルーンは森の一方向を指さしながら鳴いていた。
「敵でも居るのか?」
「キュイイ!」
首を横に振った。どうやら違うらしい。
「…もしかして、逸れたポール達の居場所が分かるのか?」
「キュイ!」
今度は首を縦に振った。
『カーバンクルは探知等を得意としています』
ヨンが説明した。
「分かった。ルーン、案内してくれ!」
「キュイ!」
分かったという風に返事をし、シャロンの肩に乗ったまま、案内をし始めた。
※ ※
ルーンの案内で森の中進むシャロン。やがて…
「キュイ!」
ルーンが数メートル離れている木を指さした。すると其処には…
「ポール!」
木の高い所にある太い枝の上で、弓矢を構えた状態で、背を此方に向けているポールの姿が確認出来た。
「ポー…」
シャロンは大声で声を掛けようとした。だが出来なかった。何故なら一体のゴブリンがポールの背後から木をよじ登って、不意打ちを仕掛けようとしているのが見えたからだ。
『どうする…大声で教えるか?…いや駄目だ…ポールの武器は中・遠距離の弓矢だから、接近戦に対処出来ない…なら俺があそこ迄行って…それも駄目だ…間に合わない…なら魔法は…駄目だ…俺の魔法は威力が強すぎる。仮に撃ってもポール迄巻き込んでしまう…』
そう考えている内に、ゴブリンは徐々にポールに近づいていった。
『ヨン。どうすれば良い?』
シャロンはヨンに尋ねた。
『マスターのソーコムピストルで狙撃すれば、あのゴブリンを倒すことが出来ます』
「!?」
ヨンの出した答えそれは、使用を自粛しようと考えていた、銃の使用であった。
「…やむを得ない」
悩んでいる暇は無いと判断し、シャロンは腰のホルスターから、ソーコムを取り出した。
「……」
シャロンはソーコムを両手で持ち、ゆっくりとゴブリンに照準を向けた。そして…
ダァン!
森の中で、この世界ではありえない音が響いたのであった。
禁止していた銃を、遂に使ってしまったシャロン。どうなるのか…。
感想・ブックマーク登録・誤字報告・質問・レビュー・ポイント評価等ありましたら、何でもどうぞ




