43・自室にて
PV40000突破と昨日一日のPV1000越え、ほんまにおおきに
自室に戻ったシャロン達は、先程現れたヒナタの事を話していた。
「まさかイキナリ団長が現れるとは、思わなかったな」
ベッドに腰を掛けたジャンが言った。
「最初から、何処かで見てたんじゃないかな? タイミングが良すぎるよ」
リリアが言った。
「だとしても、どうしてシャロンの魔法の威力に追及しなかったのかな?」
ポールがシャロンを見ながら言った。シャロンはルーンを膝の上に乗せながら答える。
「追及しても、俺が素直に話すとは思えなかったんじゃないか?」
「? 何でそう思うんだ?」
トーマスが訪ねた。
「お前達も噂くらいは聞いているだろ? 俺が『見えない攻撃』をするって事…」
「…そういえば、中級騎士の人達が話しているのを聞いた。なんなのその攻撃」
ポールが答え尋ねた。
「それは言えないな…今の処は少なくとも…」
シャロンの返答に、他の四人は追及しても無駄だと察し、それについては聞くのを止めた。
「じゃあ話を変えるけど、シャロンって魔力高いよね」
「あ?…まあそうだな」
ポールに言われて、シャロンは自分の魔力の高さを思い出した。
『そういえば、何で俺あんなに魔力が高いんだろ…神がこの体を作った時に、魔力を高めに設定したのか? それとも俺自身が潜在的に魔力が高かったのか?』
地球で杉村 祐二として生きていた時、ラノベ等でそういうのを見てきたシャロンは、そういう発想が出来た。
『ヨン。俺の魔力はこの体が作られた時に宿ったのか? それとも俺自身が地球で生きていた時から、存在していたモノなのか?』
ヨンに尋ねてみる事にしたシャロン。
『マスターの魔力は、マスターが地球で生きていた時から、備わっていたモノです。マスターが住んでいた地球では、魔力を使う機会は無かったので、宝の持ち腐れでしたが…』
『…それって早い話が、俺は生まれる世界を間違えたんじゃないか?』
『結果的にそうなります』
ヨンにはっきりと言われて、思わずガクッとなるシャロン。
「ど、どうしたのシャロン?」
いきなり黙り込んで、ガクッとなったシャロンを不思議に思い、ポールが話しかけてきた。
「…いや何でもない。それより俺が魔力が高いのは生まれつきみたいだ。ただ魔法を使った事があまり無いから、あんな風になってしまったみたいだけどな」
「だとしても、あれはやりすぎだろ」
ジャンが咎める様に言った。
「ヨハンに頼んで、魔法を撃つ時の魔力を抑える、訓練でもしてもらうよ」
そうシャロンが言うと、リリアが思い出したかの様に尋ねてきた。
「そういえばさ、シャロンってヨハンと何歳に出会ったの?」
「えっ? 一昨日だけど…それがどうかしたのか?」
シャロンが何気なく答えると、四人はその場でズッコケた。
「「「「お、一昨日!?!?!?」」」」
四人が声を揃えて言った。
「じゃ、じゃあ一昨日契約して、魔法も教えてもらったの?」
ポールが尋ねた。
「? 教えてもらったというか、勝手に会得してたぞ」
「魔法は勝手に会得しないよ。少なくとも竜騎士は!」
「ってか出会ってすぐに契約って早くないか? 普通出会っても最短で数か月は契約するのに考える時間が要るぞ!」
「それ以前に普通、ドラゴンと出会うのって五、六歳際の頃だぞ! 少なくとも俺はそうだった!」
「どんだけ遅いのシャロン…」
「……」
皆に散々言われて、自分とヨハンがどれだけイレギュラーなのかを理解出来た。
「えっと…魔法の方は才能があったのか、直ぐに会得出来たんじゃないか? あと俺ドララー…じゃなくてドラゴン好きだから、契約も迷わずしたし…あと出会ったのが遅かったのは、俺が生まれた場所とヨハンが居た場所が、途轍もなく離れていたから、出会うのが遅くなったんだよ…それで俺、冒険者になろうかと旅に出たら、ヨハンと出会ったって訳だ」
「…じゃあ何か? 今まで出会わなかったのに、旅に出たら偶然出会ったって訳か? 出来過ぎじゃねぇか?」
ジャンが訝し気に尋ねる。
「結果的にそうなったんだから良いだろ。俺とヨハンの勝手だ!」
半幅逆切れに近い形で答えるシャロン。するとポールが…
「…シャロンの竜騎士への経緯が、僕らと違うのは、やっぱりヨハンが白いドラゴンだからかな?」
「まあ、その可能性もあるな…見た感じヨハン以外に白いドラゴンは、この騎士団や街には居ないみたいだし…ヨハンが他のドラゴンとは違うってのは、俺でも何となく理解しているよ…悪いけど俺、飯の時間まで一眠りするわ」
そう言うとシャロンは、眠っているルーンを起こさない様に、慎重に枕の横に置くと、自身もベッドに横になった。初任務や魔法を使って疲れていたのか、直ぐにシャロンの寝息が聞こえてきた。
「変わっているな、シャロンは…」
ポールの呟きに、他の三人は同意した。
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