4・神さまからの贈り物
またもや、『黒猫の騎士』と被りますわ。
絶叫してから一分後、祐二は落ち着きを取戻し、神に対して文句を募る。
「あの神! 何が『お楽しみ』だ!? 人の性別を勝手に変えやがって! 返せ俺の息子を!!!! 元に戻せぇぇぇ!!!」
と、大声で叫ぶが、当然ながら返答など無かった。
「ああぁ…何が間違ったんだ? ドラゴンに釣られて異世界転生なんか選んだからか? それとも家族を庇って車にはねられた事か…どっちにしても現状は変わらないか…」
なんて呟きながら、木に寄り掛かり、木々の間から見える空を見上げる祐二。すると、木々の間から黒い点が見えた。
「?」
祐二には何だか分からなかった。
ヒュウウウウウウ!!!!!
「…げっ!?」
少しずつ大きくなる黒い点の正体に気付き、慌ててその場から逃げ出した。
ドォオオオオオンンンン!!!
数秒前まで祐二が居た場所に、黒い箱が落ちてきた。其れには『神から』という紙が貼り付けられていた。
「殺す気か!?」
落ちてきた箱の紙を引き剥がしながら、祐二は文句を言う。
「アイツ神は神でも、邪神とかの類じゃないか…? とりあえず箱の中身を見て見るか」
祐二は落ちてきた箱を開けてみる事にした。
「何だ…銃とペンダント?」
その中には、ホルスターに入った一丁の大型拳銃と、水晶の様なペンダントが入っていた。それともう一つ手紙らしき紙もあった。祐二は手紙を読んでみる事にした。
『やあ杉村 祐二君。新しい体はどうかな? 結構気に入ってくれたかな(笑)』
「笑えるか!!!」
手紙を破きたい衝動に襲われたが、重要な事が書いてあると思い、踏みとどまって続きを読む。
『まあ冗談はさておき。丸腰の君に武器として、大型拳銃を送ろう。これで自分の身を守ってほしい』
祐二は手紙と一緒に入っていた、大型拳銃を見た。
『それと一緒に入っているペンダントは、アイテムボックスだけど、ラノベ読んでいる君には説明は不要だね』
「アイテムボックスか…大抵は腕輪とか袋とかだけど、ペンダント型か…」
ペンダント‐アイテムボックス‐を手に取って眺める祐二。
『それから、君のステータスは君が思い浮かべると、ウィンドゥとして現れるから、自分だけ見たい時や他人に見せたい時は、任意で決められるから。勿論さっき言ったとおり、君には俗に言うチートを設定させてもらったから』
「チートね…とりあえず後で確認してみるか」
『最後に、この世界は君の欲望…もとい、願望であるドラゴンが存在していて、竜騎士も存在しているから、どうするかは自分で決めてね。それじゃあね~』
と、最後は軽い感じで終わった手紙であった。
「…まっ、折角ドラゴンが存在するだから、俺も楽しまないとな」
そう言うと祐二は、大型拳銃の入ったホルスターを腰に着けて、首からアイテムボックスを下げて、装備を整えたのであった。
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