34・シャロンの試練 4
今回は少々、イヤラしい表現がありますけど、警告される程ではないと思いますわ。今回で入浴シーンは終了ですわ。
「だ、団長!? どうして此処に!?」
リリアが驚いて質問する。
他の騎士団員達も、ヒナタの登場に動揺している様であった。
「ん~? たまにはボクも下級騎士のお風呂に入ろうかと思って…自分専用の風呂で一人風呂ってのもつまらんし…」
そう言いながらヒナタは、シャロンの隣に浸かってきた。どうやらヒナタ専用の風呂が存在している様だ。
「はぁ~良いお湯や~」
湯の感触を存分に感じているヒナタ。一方リリアはというと、今までヒナタの話をしていたので、気まずそうであった。シャロンは間に挟まれながら、双方の様子を窺っていた。
「あ~そうそう。さっきの話やけどな」
突然ヒナタが切り出した。
「えっ、何ですか?」
リリアがそう返す。
「さっき君ら二人、僕が此処の温泉掘り当てたって言ってたやろ?」
「え、ええ…」
「アレ正確に言えば、ボクやなくてレオンや! レオンが雷落として温泉噴出させたんや」
「レオンさんが…ですか」
リリアはその事に驚いていたが、シャロンは別の事を考えていた。
『あのレオンってドラゴンは、雷の魔法を使うのか…ヨハンとは似ているけど違うなやっぱ…?』
シャロンがそう考えていると、ヒナタがニヤニヤした表情で見ていた。
「何ですか?」
シャロンが訪ねた。
「いや~…二人共ええ体しとるな~貧乳のボクとはえらい違いや…」
「……」
何やら嫌な予感がしたシャロンは、リリアの方を振り向いてみた。すると先程迄居たリリアの姿が無かった。
「ゴメンシャロン…私先に出るね…」
何時の間にか出口に向かっていたリリア。シャロンは慌てて後を追おうとしたが…
ムニュ
「フニャ!?」
突然背後から胸を揉まれ、変な声を出すシャロン。振り向くと其処にはヒナタが居て、シャロンの胸を背後から掴んでいた。
「リリアもええ乳しとるけど、シャロンも負けず劣らずの大きさやな」
「ちょ!? 止めて下さい『まだヨハンにも触ってもらってないのに!?!?!?』」
意味の分からない事を嘆くシャロン。
「ちょっと…ホントに止め…」
揉まれる感触に、変な感じになっていくシャロン。
『ヨン。どうすれば良い!?』
ヨンに助けを求めるシャロン。
『マスターの両手を、思いっきり湯に叩きつければ、逃げることが出来ます』
ヨンにそう助言されると、シャロンは何とか力を出して、両手を湯に叩きつけた。
バシャア!!!
「うわぁ!?」
突然お湯が飛び跳ねて、ヒナタは怯んで力が緩まる。その隙にシャロンは素早く湯船から飛び逃げた。
「あっシャロン…逃げられたか…」
少々ガッカリした様な声を、ヒナタが上げた。
そんなヒナタの声を背後に聴きながら、シャロンは浴場を出た。
「あっ、シャロン大丈夫だった!?」
脱衣所に入ると其処には、先に逃げ出したリリアが、既に服を着て待っていた。
「大丈夫だったじゃないよ!? 何で一人だけ逃げるんだよ!」
当然ながら、先に逃げたリリアに文句を言う。
「ゴメンゴメン。団長の様子から襲われるかと思って…」
「前に襲われた事があるのか?」
「うん。たまたま私が団長に報告に言った時ね…団長胸が小さいのコンプレックスみたいだから」
「おいおい…それでかよ」
あまりの理由に呆れてしまうシャロンであった。
「それより、シャロンも早く服着たら? 風邪引くよ」
リリアに指摘されて、シャロンは今の自分が全裸である事を思いだした。
シャロンはヒナタが来ない内に、慌てて騎士団の制服を着た。そして再びトイレに入り、アイテムボックスから白風を取り出して、腰に差してトイレを出て、リリアと共に風呂場から部屋へと戻っていった。
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