324・文明の利器による逃走
久しぶりの投稿や! 久しぶりやから、少し忘れてもうた…。『TS銀髪美少女は』の更新を行っていたんですわぁ。
そして新作・『青き竜の花嫁』を投稿したので、後書きの後にリンクがあるので、是非見て下さいなぁ♪
「き…君は…」
バイクで駆けつけたアベルを見て、戸惑う様に声を出す渡瀬。
「俺はアベル。エルセラ竜騎士団の副団長だ!」
バイクから降りて名乗り、胸のポーチからAK47のマガジンを取り出した。
「…ちっ…今回の任務は物資輸送任務だから、殆ど弾を持ってこなかった…」
アベルはAK47のマガジンを交換しながら、難しい顔をして呟いた。先程の銃撃で装填中のマガジンが弾切れになり、残っているのは今装填したのを除いて、AK47のマガジンが一つ、ベレッタが二つ。コルトパイソンのスピードローダーが二つだけであった。
「シャロンが居れば、弾の心配は無いんだけどな…居ない奴の事を言っても、仕方が無いか…」
そう呟くとアベルは、渡瀬の方を向いた。
「死にたくなかったら、俺に付いてこい! 車の方まで走るぞ!」
「ああ…俺は渡瀬陸士長…! 待ってくれ! 仲間が一人逸れたんだ!」
渡瀬が思い出した様に叫んだ。アベルは渡瀬の言う仲間と言うのは、先程死んでいた自衛官の事だと分かった。
「ソイツは死んだ! 今は自分が生き残る事だけ考えろ! 行くぞ!」
アベルはそう叫び、バイクを放置して来た道を走り出した。渡瀬は仲間が死んだ事に一瞬動揺するが、アベルの言うとおり今は、自分が生き残る事を先決する事にし、八九式小銃を抱えて、アベルの後を走り出す。
「! チッ!」
アベルは前方から、再び複数の盗賊が現れたので、咄嗟にAK47を構える。
ダダダダダダ!!!
「がぁ!?」
「ぎゃあ!」
被弾した盗賊達は、悲鳴を上げながら絶命していく。渡瀬は状況に動揺して、撃てずにいる。
「お前も撃てよ! 何の為の小銃だよ!?」
撃とうともしない渡瀬に、アベルは憤り、振り返りながら叫んだ。
「うぉおおお!!!」
「!」
その時前方から、斧を持った盗賊が突っ込んできた。どうやら撃ち損じていたらしい。アベルは素早くAKを構えるが…
カチッ…カチッ…
運悪くAK47の弾は切れていた。アベルは咄嗟に背中のエアロダンサーを抜こうとするが、距離が近すぎて間に合わない…その時…
ザンッ!!!
紫色の小さな影が、アベルと盗賊の間に割り込んできたかと思うと、その影は盗賊に向かい、一閃を薙ぎ払った。乱入者からの攻撃を受けた盗賊は、何が起こったか理解出来ずに絶命した。
「大丈夫か、アベル」
「ゲイル!」
現れた紫色の乱入者は、小さくなったゲイルだった。ゲイルは持っていた長剣・ウィンドダンサーにて、盗賊に斬撃を与えたのであった。
「お前が森に行ったとレイナから聞いて、駆け付けたんだ」
「助かった!」
「ド、ドラゴン!?」
アベルの背後に居た渡瀬が、ゲイルの姿を見て驚いていた。
「コイツはゲイル。俺の相方だ…さっき俺が竜騎士だって言ってただろ」
ゲイルを紹介するアベル。
「アベル。これを」
そう言いながらゲイルが差し出したのは、AK47のマガジンだった。
「マガジン? お前に積み込んでいたか?」
アベルは今日のゲイルに積み荷として、AK47のマガジンを積み込んでいたか思い出すが、思い至らない。
「レイナからだ。アベルに持っていく様に、私に渡された」
「アイツは大丈夫なのか?」
ゲイルに自身のマガジンを渡したという事は、今現在レイナは、AK47の弾を、一発も所持していない事になる。
「レイナは接近戦が強いだろう? 少なくともアベルよりは」
「最後のは余計だ!」
ゲイルにそう言い返すアベルだが、実際に接近戦での戦闘能力は、レイナの方が上であった。
「話しているところ悪いが、早く移動した方が良いんじゃないか?」
渡瀬にそう言われたアベルは、素早くマガジンをポーチ等に装備し、ゲイルと渡瀬を連れて移動を再開した。
暫く走ると、森の中で乗り捨てられていた、高機動車の場所に辿り着いた。
「これは…自動車という物か…?」
ゲイルが高機動車を見ながら呟いた。渡瀬はドラゴンであるゲイルが、車を知っている事に驚いた。ゲイルはアベルの記憶をトレースしている為、自動車の存在を知っているのであった。
「アンタ、これの運転は出来るだろ? 運転してくれ!」
ゲイルに聞こうとした渡瀬だが、アベルにそう言われて、今は森からの脱出を優先する事にした。
渡瀬は運転席に乗り込み、アベルとゲイルは後部に乗り込んだ。
「! 来たぞ!」
ゲイルが叫ぶと、森の奥から大勢の盗賊が向かってきた。アベルは盗賊達に対して乱射し、高機動車に近づけない様にした。
すると、高機動車のエンジンが作動した。
「行くぞ!」
渡瀬が叫ぶと高機動車は走り出し、アベルとゲイルは車両のフレームに掴まった。
アベルの銃撃と高機動車に恐れを成したのか、それとも単純に全滅したのか追ってこなかった。
「アベル…少し気になる事がある…」
前方を警戒しながら、ゲイルが話しかける。
「何だ?」
後方を気にしながら、アベルが答える。
「私の勘だが…先程の盗賊達…何かに追われている様な気がするのだが…」
「それってどういう…」
アベルが聞き返そうとした時、前方から銃声や悲鳴が聞こえてきた…それはキャンプのある方角だった…。
キャンプにも襲撃が…? そしてゲイルの勘による想像は…?
ネット小説大賞にて、本作が一次選考を合格しましたぁ! 皆さんが見ていて下さって、それが励みになった結果ですわぁ! ホンマにおおきに♪ 此れからも頑張りますわぁ!
最新作もよろしゅう♪
感想・ブックマーク登録・レビュー・ポイント評価・質問等ありましたら、是非皆さんどうぞ♪