311・プラズマ現象が起きた時
一日休んで、再び投稿や!
「!?」
アベル達が物資を送りに出た三日後、シャロンは団長室にて妙な感覚に襲われた。
反射的に窓に駆け寄り、窓を開けて空を見上げた。すると三日前に見た、あの光の波が見えた。
「またプラズマか…誰かが魔法を使っているのか…?」
「シャロン。また何か感じたの?」
団長室に訪れていたヨハンが尋ねた。因みに現在の大きさは、シャロンと同じ位である。
ヨハンにも三日前に感じた事を話していた。
「ああ…ヨンに聞いても解析は出来ないらしい…」
「何なんだろう…?」
「さあな…何か問題があれば、俺達が解決すれば良いさ…それより…」
シャロンはヨハンに近づいて、胸元に頭を寄せる。
「最近さ…俺達…恋人っぽい事…してないよな…」
「えっとシャロン…此処…団長室だよ」
流石に此処で『お取込み』をやるのは、不謹慎だと思い、シャロンを制止しようとするヨハン。
「分かってるよ…俺も此処でしようとは考えていない…でもキスくらいなら…良いだろ?」
シャロンがヨハンを見上げる様にしながら言うと、ヨハンは苦笑しながら、シャロンに口を近付けてきた。そして二人の口が触れそうになった時…。
「シャロン様! 只今戻りました。任務の報告を…」
其処に任務から帰還したエリスが、ラティスと共に団長室に入ってきた。因みにラティスの大きさは、今のヨハンと同じ位である。
「……」
「……」
「……」
「……」
団長室に入ったエリスは、シャロンとヨハンがキスしようとしている所を、バッチリと見てしまい、シャロンとヨハンも、エリスとラティスの登場に戸惑う。
「あぁーー!?!?!? お取込み中、申し訳ありませんでした!!!」
変な奇声を上げながら、エリスは慌てて団長室から、ラティスを置いて逃げ去っていく。
「ちょ!? エリス待てって!!!」
慌ててシャロンは逃げたエリスを追った。残されたヨハンとラティスは…
「…ヨハン…愛し合うのは勝手だけど、誰か来る可能性のある此処でするのを、控えた方が良いぞ?」
ラティスの正論とも言える言葉に、ヨハンは返す言葉も無かった。
※ ※
その後何とか落ち着きを取り戻させたエリスから、任務の報告を受けたシャロン。
「幸いそれ程強くなかった為に、負傷者はゼロで済みました」
「お前達がそれだけ強くなっているんだよ」
エリスの言葉にシャロンはそう否定する。此れは本心ではあり、実際に竜騎士達の練度は上がっているのを、シャロンは良く理解していた。
「ありがとうございます…アベルさんは姉上と共に、被災地への物資輸送に?」
「ああ…多分もう輸送を終えて、明日辺りに帰還するだろうな」
「そうですか…アベルさんが居るなら、姉上も安心ですね」
「何方かというと、レイナが居るからアベルに任せられると思うけど?」
シャロンの言葉に、エリスは苦笑いするしかない。
「そういえばシャロン。さっき感じた変な魔力の事は?」
様子を見ていたヨハンが言った。
「ああ…それか…」
「? 何かあったのですか?」
エリスが尋ねた為、シャロンは三日前と先程感じた、プラズマの波の事を話した。エリスにはプラズマが良く分からなかったが、一つだけ心配な事があった。
「姉上に何か危険な事が起きないと良いですけど…」
シスコンである為か、やはりレイナの事が気になる様だ。
「大丈夫だろ。レイナも強いし。それにアベルも居るから」
先程とは違って、アベルが頼りになる言い方をするシャロンに、エリスはなんだかんだ言いながら、アベルを信頼している事を理解し、静かに微笑むのであった。
※ ※
その頃アベル達、支援物資を届けた小隊は、村から飛び立とうとしていた。そんな中アベルは、空を見上げていた。
「どうしたアベル?」
自分に乗ろうとしないアベルに、ゲイルが尋ねる。
「いや…さっき空に光の波みたいなものが見えてな…」
「光の波? 何かの魔法か?」
「分かんねぇよ…俺はシャロンと違って、魔法は得意な方じゃない」
アベルも魔法は使えるが、魔力の多いシャロン程上手く無く、殆ど銃器による戦闘を好んでいた。
「警戒を怠らない方が良い」
ゲイルの忠告に、アベルは無言で頷いた。
「アベル副団長! 出発の準備が整いました」
と、部下の竜騎士がアベルに言った。既にレイナや今言った竜騎士を含めた三人の竜騎士も、既に準備を終えていた。
「よし。支援物資は配り終わった。これよりエルセラに帰還するぞ。だが警戒を怠るな!」
そうレイナ達に告げると、アベルはゲイルに飛ぶように指示し、ゲイルは空へと飛び上がり、アティス達他のドラゴンもそれに続いて飛び上がったのであった。
イチャイチャしたいシャロンとヨハン。異種恋愛って良いやろ?
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