31・シャロンの試練 1
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夜。夕食を食べ終えた後、シャロン達は部屋に戻っていた。
「はぁ~…腹いっぱいだ…」
シャロンは満腹になった腹を撫でながら言った。因みにルーンはシャロンのベッドで丸くなって寝ている。
「もうシャロンたら…女の子ななんだから、そんな言い方しないの!」
リリアが窘める様にシャロンに言った。するとポールが…
「でもシャロン、食堂で凄く目立っていたね。やっぱりシャロンが美少女だからか、カーバンクルを連れているからかな?」
「多分どっちもだろ。おまけにさっき話したけど、俺が此処に入る切っ掛けになった、盗賊団の退治も単独でやり遂げたっていうのも、あると思うぜ」
と、シャロンが言った。
先程お互いの自己紹介を終えた後、シャロンは他の四人から質問攻めにあい、その時盗賊団を撃破した事を話したのであった。そしてどうやらその事は、少なくとも下級騎士の間では広まっている様であった。
「そういえばさ、シャロンは何処の出身なんだ? 青銀の髪の人間なんて見た事ないけど!」
ジャンにそう尋ねられて、シャロンは言葉が詰まる。
『…どう言えば良いんだ? 素直に日本出身って言えば良いのか…いやでも日本なんて国知らないぞ…って返答されてややこしい展開になりそうだし、はぐらかしてもコイツらしつこく聞いてきそうだし…ヨン、どう答えれば良いかな?』
『マスターの考えられる範囲で、尚且つ疑われない事を言えば大丈夫です』
そうヨンに答えられて、シャロンは考える。そして…
「ちょっと遠くの…東の方にある国の出身なんだ」
そう答えた。日本はアジアの東側にある為に、そう表現したのであった。
「東の方の国? 団長と同じ国?」
リリアがそう尋ねた。
「団長が? 団長自身がそう言ってたのか?」
シャロンが訪ねた。
「ああ、前に上級騎士の人に聞いた事があるんだ。団長は東の国から来たって…」
その質問には、トーマスが答えた。
「でもシャロンと団長は、特徴が似てないから違う国かもね。団長は黒髪で黒い瞳だから…」
ポールが言った言葉を、シャロンは聞いて考えていた。
『団長…ヒナタの特徴はどう見ても日本人。しかも出身国は俺と同じ東の国って表現されていた。ヒナタは日本人なのか…』
「シャロン? どうしたの?」
何も言わなくなったシャロンに、ポールが心配そうに尋ねる。
「…いや、何でもないよ…」
取り合えず今は考えても仕方がないと判断し、この考えは一旦置いておく事にした。その時…
「リリア~お風呂入りに行こう!」
と、部屋の外から女の子の声がした。
「入浴の時間か…今日は女子の方が先だったな」
トーマスが言った。
「うん。そうだよ」
そう言いながらリリアが立ち上がった。
「シャロン。一緒に入りに行こう!」
「え…」
リリアの言葉を聞いて、シャロンは固まった。
『いやちょっと待て! 俺確かに今は女の子だけど、中身はオッサンだぞ! そんな俺が女子と一緒に入れる訳ないじゃないか!?』
心の中動揺するシャロン。
「どうしたの、シャロン?」
不思議そうに尋ねるリリア。
「い、いや…俺は良いよ…そんなに汗をかいてないし、埃っぽくなってないから…」
両手を前に出して振りながら、遠慮するシャロン。しかし…
「駄目だよ。女の子がお風呂に入らないなんて!」
そう言ってシャロンの手を掴むリリア。
「もしかして恥ずかしいの? 今まで誰かと一緒に入った事ないとか?」
「ま、まあそんな感じだ…だから…」
「大丈夫だよ。皆同じ様な年頃だから、恥ずかしがる事は無いよ」
そう言うとリリアは、シャロンの手を引っ張って、無理矢理立ち上がらせる。
「じゃあポール、ジャン、トーマス。行ってくるね」
「いやややや、ちょっと!?」
嫌がるシャロンを無理矢理連れて、リリアは部屋を出て行った。
中身はオッサンなのに、女の子が入るお風呂に連れていかれたシャロン。果たしてどうなるのか…。
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