30・チームメイト達との出会い(ドラゴン編)2
少々遅くなりましたが、チームメイトのドラゴン編の2ですわ。
ベクタとヨハンは、やがて一つの扉の前で立ち止まった。
「此処がお前の部屋だ。もう少ししたら、お前のチームメンバーも戻ってくる筈だ。だから中で待っていてくれ。じゃあな」
そう伝えると、ベクタは元来た道を戻っていった。
「…入るか」
ヨハンは仲間を待つ為に、部屋に入る事にした。部屋の作りはベッド等の大きさが変わった以外、シャロン達の部屋と同じ構造であった。
ヨハンは使われている形跡の無い、一番下のベッドに腰を掛けた。
「退屈だなぁ…シャロンと念話で会話でもしていようかな…!」
その時、廊下の方から此方に向かってくる足音がした。
「……」
ヨハンはベッドから立ち上がり、身構える。すると部屋の扉が開いた。
「……」
扉が開かれて現れたのは、水色のドラゴンであり、肩から腰にかけてベルトの様な物が巻かれており、背には矢筒らしき筒と弓が背負われていた。
「…其方が…新たに入ったドラゴンか…」
そのドラゴンは、声こそ若い声であったが、喋り方は何処となく古めかしかった。
「うん。僕はヨハン。貴方は?」
声からして雌である事は、ヨハンも推測出来た。
「私の名はミリア。ポールという人間のパートナーだ。其方のパートナーは何という者だ?」
「僕のパートナーはシャロン。青銀の髪をしているから、見たら直ぐ分かると思う…で、話は変わるけど、ミリアは僕のチームメイトで合っているんだよね?」
「そうだ。私の他にあと三体居るが、私はレオンに任務の報告をしたので、先に其方の事を聞くことが出来たのだ」
「じゃあ、他のメンバーもそろそろ…」
ヨハンがそう呟いた時、遠くの方から『ドドドド!!!』という音が聞こえてきた。そして…
「おい! 白いドラゴンの新入りが入ったっていうのは、ホントか!?」
という声と共に、首にバンダナを巻いた赤いドラゴンが飛び込んできた。この光景をシャロンが見たら、何かのデジャヴを感じていただろう。
「…彼は?」
戸惑いながらミリアに尋ねるヨハン。
「…この者はバージル。ジャンという人間のパートナーだ」
呆れるような口調でミリアは言った。
「おっ! お前か!? 俺達の新しいチームメイトのドラゴンは?」
妙に高いテンションで、赤いドラゴン‐バージルが言った。
「ああうん。…ヨハンだ」
「おおっ! マジで真っ白なドラゴンだな! 俺初めて見るぞ!」
「バージル少し落ち着け、他の二体はどうした?」
「居ますよ此処に!」
落ち着いた口調で入ってきたのは、眼鏡を掛けた緑色のドラゴンと、マフラーの様なスカーフを首に巻いたピンク色のドラゴンであった。
「初めまして、私はビンセント。トーマスという人間のパートナーです」
礼儀正しい口調で、ビンセントというドラゴンは挨拶をした。
「ヨハン…君で良いのかな? アタシはレミア。リリアっていう女の子のパートナーだよ」
ピンク色のドラゴン‐レミア‐も、そう挨拶をした。
「僕はヨハン。シャロンっていう女の子のパートナーなんだ」
ヨハンも後から来たビンセント達に、そう挨拶をしたのであった。ドラゴン達の方も5体勢揃いしたのであった。
その後は夕食の時間まで、ヨハンは他の四体から様々な質問を受ける事になった。
ミリア、バージル、ビンセント、レミア、そしてヨハン。ドラゴン達の方も五体勢揃いしましたわ。
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