296・共に生きる為に 28
久しぶりの投稿ですが、またもや短いですわぁ…。新しい方に集中してしもうた…。
新作として、『イリス・テイル 虹の物語』を投稿しました。タグが上手くいかないので、作者ページから飛んでくださいな!
「シャロン、シャロン!」
ヨハンが必死に呼びかけるが、シャロンは意識を取り戻さない。
「ヨン! シャロンの意識が…」
『世界の知識』のヨンに、意識を取り戻す手段を求める。
『落ち着いて下さいヨハン。大丈夫です』
焦るヨハンに対して、ヨンは冷静に返す。
「落ち着いてって…シャロンの意識が戻らないんだよ!? それに元より悪化している!」
『マスターの細胞が、本格的にヨハンの細胞と融合を始めたんです』
ヨハンに対して、ヨンは冷静にそう返した。
「じゃあ…シャロンは…本格的に竜人に…?」
『はい』
ヨンの肯定を貰っても、ヨハンには嬉しさよりも、シャロンの身が心配だった。
「シャロン…」
ヨハンは心配ながらも、自分にはどうする事も出来ない無力感に襲われた。
『ヨハン。貴方に出来る事は、マスターを信じる事です』
「シャロンを…信じる…?」
自分の中に聞こえるヨンの言葉に、ヨハンは尋ねる。
『マスターは貴方と共に生きる覚悟をして、貴方の細胞を取り込んだんです。それなら貴方は、生きる覚悟を決めたマスターを、信じる事です』
「……そうだよね…シャロンは僕の為に、竜人になろうと頑張っているんだよね…」
ヨハンは苦しそうにしているシャロンを、優しく撫でた。
「シャロン…君は今頑張っているんだよね? 僕には君を信じるしか出来ないけど、傍に居てあげるから…」
そう言うとヨハンは、シャロンに布団を被せて、傍らのドラゴン用の椅子に座りながら、シャロンを見守る事にした。
※ ※
朝日が差し込むシャロンの部屋。ヨハンは一晩中起きており、シャロンの様子を見ていた。シャロンはあれから呼吸は安定し始めたが、意識を取り戻す事はなく、静かな寝息を立てながら眠っている。
コンコン…
すると扉をノックする音が、部屋の中に飛び込んだ。
「…エリス?」
「俺だ」
「レオン?」
来訪者はレオンだった。ヨハンはシャロンが心配ながらも、レオンの応対を行う事にし、扉に向かった。
扉を開けると、レオンが立っていた。
「どうだ? シャロンの様子は?」
「……」
気まずそうな表情をして、ヨハンは答えない。レオンはそれに何か察して、ヨハンに告げる。
「…ヨハン…アベルやエリスだけでなく、他の竜騎士達もシャロンの事を心配している。もしお前が伝えずらいなら、俺が代わりに伝える…だから話してくれないか?」
「うん…ごめん…お願い…」
ヨハンは今のシャロンの状態、そしてこれまでの事を話し、他の皆に伝える様に頼んだ。
シャロンの様子を知ったら、アベル達はどないな反応するんやろ…。
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