29・チームメイト達との出会い(ドラゴン編)1
メンバー登場のドラゴン編ですわ。
時は遡り、此方はシャロンと別れたヨハンの方である。
「ベクタ…だっけ? 僕はこれからどうするんだい?」
正直シャロンの事は心配であったが、今は目の前の自分の事に専念しようと、ヨハンは考えたのであった。
「間もなく、お前のチームメイトのドラゴンが帰ってくる筈だ…その前にお前の住む部屋へ案内しよう」
そう言うとベクタは、シャロンが行った方とは、反対側の建物に向かった。因みにフェドロとルイナは任務の報告の為に先に行っていた。
その建物はドラゴン向けに作られた物なのか、人間が見るととても巨大な建物であった。
建物の中に入ると、中には騎士団所属のドラゴンが大勢居り、受付らしき所で何かの報告をしていた。
ヨハンが中に入ると、多数のドラゴンがヨハンの方を見て驚いた表情を浮かべていた。
「皆、お前を見ているな。白いドラゴンなんて珍しいからな」
ベクタがヨハンを見ながら言った。
「自分で言うのも何だけど、結構この姿でトラブルに巻き込まれた事があるよ」
「…確かにそうだな」
何か思い当たる節でもあるのか、ベクタはそう呟いた。その時…
「!?」
ヨハンは体が興奮する様な感覚に襲われた。
「どうした?」
ベクタもヨハンの異変に気付いた様であった。
「…いや…何でもないよ」
愛想笑いを浮かべながら、ベクタに告げるヨハンであったが、心中は違っていた。
『何だ今の感覚…シャロンの方で何かあったのか?』
自分の方には思い当たる事が無いので、シャロンの方で何かあったと考えた。
『でも念話とかも無いし、大変な事ではないだろう…』
そう結論付けたヨハンであったが、シャロンにはある意味大変な事であった。
「じゃあ部屋の案内に…おっ」
「?」
ベクタがヨハンの方を向いていると、何かに気づいた様であった。何かと思い振り返ると其処には、黒いジャケットを着た黒いドラゴンが居た。
「白い…ドラゴン…」
黒いドラゴンはヨハンの姿を見て、そう呟いたのであった。一方ヨハンは黒いドラゴンを見て、何やらデジャヴの様な感覚になった。
『…成程。シャロンもこのドラゴンを見て、興奮したのか…先程の感覚はソレだな…それにしてもこのドラゴン…強いな…』
ヨハンは一目見て、その黒いドラゴンが強者だと感づいた。
「レオン。団長との大会の打ち合わせは終わったのか?」
ベクタが黒いドラゴン‐レオン‐に尋ねた。
「ああ、といってもやろうと思えば、念話で会話も出来るけどな…それより、その白いドラゴンは誰だ?」
「彼はヨハンと言って、今日入団した少女のパートナーのドラゴンだ。
「今日入団…? もしかして青銀の髪の子か…?」
「その子が僕のパートナーだ。名前はシャロン」
「あの変わった反応をした子のパートナーか。これから宜しくな」
そう言うとレオンは、去っていった。
「…やっぱり彼が原因だったか」
去っていったレオンを見ながら、ヨハンが呟いた。
「? レオンの何が原因なんだ?」
ベクタが反応した。
「い、いや別に…それよりも、あのレオンっていうドラゴンは、誰のパートナーなんだ?」
「此処の騎士団の団長のヒナタ団長パートナーだ…といっても別に畏まる必要はない。人間の方は上下関係があるみたいだが、俺達ドラゴンには無いからな」
「そう。覚えておくよ」
「じゃあ部屋まで案内しよう」
ベクタの言葉に頷き、ヨハンはベクタと共に部屋へと向かった。
レオンのモデルになっているのは、僕が実際子供の頃見ていたアニメに出ていた、ドラゴンから来ていますわ。
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