表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
282/366

281・共に生きる為に 13

 三日連続の投稿! 何時迄出来るかな…。

 今回は…まあ…色々と激しいです…もしかしたら、少し変更するかも知れないですわぁ。

 因みに今回の話と此れからの事の為に、あるタグを追加しました。

 そのタグは…『捕食』です。

 それと今回の話の辻褄合わせになってしまいますが、『74・登場人物』のヨハンの項目で、ユニークスキルの所に、『痛覚無効』と『自動回復』を追記しましたわぁ

「いやちょっと…待って…喰え…って…ヨン…何言って…」

 頭を抱えて混乱するシャロン。ヨハンはその様子を黙って見ている。

 ヨハンは大切な相棒であり、大切な親友であり、そして大切な最愛の存在である。そのヨハンを食べろという、ヨンは答えを示した。

「他に…無いのか?」

『マスターが寿命を延ばす方法は、此れしか存在しません。マスターが竜人になる事…それが寿命を延ばす方法です』

 淡々と答えるヨン。

「…仮にその竜人になったら、俺はどうなるの? 人間辞めるって言ってたけどさ、具体的に俺が竜人になったら、姿も変わるのか?」

『基本的には変わりません。見た目は人間のままですが、一部分に変化が生じます』

「……」

 一体どのように変化するのか、シャロンは興味と不安を感じていたが、それ以上に問題点があった。

「でもだからって…ヨハンを…喰え…って…出来る訳…ないだろ…」

『経口摂取と言っても、ヨハンの体の一部に傷を受けてもらい、そこから摂取すれば大丈夫です。マスターはヨハンを全て食べると想像しているみたいですが…』

「何だ…全部喰えって訳じゃないのか…でもそれでも俺は、ヨハンを傷つけて…」

「良いよ、シャロン」

 其処に今まで黙っていたヨハンが、遮る様に言った。

「ヨハン?」

「言ったでしょ? 僕はシャロンの為なら、どれだけ負担を掛かっても構わないって…だからシャロン…僕の細胞を…食べて…僕はシャロンと共に…生きたい」

「ヨハン…」

 自分の想像以上のヨハンの覚悟に、シャロンは嬉しさと申し訳なさを感じてしまう。

「ヨン。僕には『自動回復』のスキルもある。そのスキルは一時的に停止出来る?」

 ダメージを短期間で回復してしまう、『自動回復』のスキル。此れはシャロンを会得しているが、元々はヨハンが持っていたスキルを、ヨハンと契約した際に会得したである。

『可能です。こちらで停止させます』

「そっか。このスキルだと、僕が自分で自傷してもすぐに回復してしまうからね」

 ヨンの言葉を受けて、ヨハンは安堵の声を漏らす。

「ヨハン…本当に良いのか…?」

「うん!」

 再度確認をするシャロン。そのシャロンにヨハンは笑顔で応じた。

「…分かった…」

 シャロンは覚悟を決めた。


※       ※


 仄かな灯りが灯る部屋で、ヨハンはソファーに座り込み、その腹部にシャロンが背中から寄り掛かる様に体を預けている。

 何時は背中に背負っているロンギヌスは、壁際に立て掛けてあり、蒼銀の髪を結んでいるリボンは、机の上に置かれており、その横には愛刀の白風と団長の証の、赤いマントも畳まれて置かれている。

 更に少し離れた所には、ヨハンのマフラー付きの金の首輪が置かれていた。

 これからする事で、汚れるのを防ぐ為だ。

「じゃあヨハン…頼むぞ?」

 見上げながらシャロンが見つめる。首に掛かっている筈のドラゴン・ハートは、エルセラ竜騎士団の制服の内側にしまわれている。

「うん」

 ヨハンは自分の左手の手袋を外して、手首の辺りに右手の爪を近づけた。


 シャ!!!


 爪を当てると思いっきり引っ搔いた…そして其処から、ヨハンの体の中に流れる、赤い血が外部に流れ出てきた。本来なら痛みを感じる所であるが、ヨハンは『痛覚無効』のスキルも所持しているので、痛みは全く感じない。

「さぁ…シャロン…」

 ヨハンは血が流れる左手を、シャロンの顔の前に差し出した。

「……」

 シャロンは無言で、ヨハンの血が流れる傷口を見た。至近距離にある為に、血の匂いが鮮明にシャロンの鼻を突いてくる。それでもシャロンはヨハンの想いを無駄にしない為に、傷口に口を付けた。

「…ジュル…んっ…チュウ…ふっ…」

 流れ出るヨハンの生命の証…それをシャロンは少しずつ口に流し込む、そしてある程度口に溜まった時…

「…ゴクリ」

 その血を喉に流し込み、体の中に取り込んだのであった。


 …ドクンッ!


「!?」

 その瞬間、シャロンの体に異変が起きた。

『…何だこれ…? 俺の体が…いや…俺の細胞が…ヨハンの細胞を取り込んでいる…?』

 シャロンが感じた異変…それは熱い興奮と感じた事のない快楽であった。

『俺の細胞が…ヨハンの細胞を…欲しがってる…もっと…欲しい…』

 そう思った瞬間、シャロンはヨハンの左手に両手を添えて、激しく血を飲み始めた。

「ジュルジュル! ジュルル! んぐっ…ゴク…ジュウウ…」

 激しく血を飲んでいくシャロン。その頬は赤く染まっており、瞳は潤んでいた。完全に興奮と快楽に支配されている。

『もっと…飲みたい…ヨハンの細胞…欲しい…ヨハンの血…美味しい…気持ち良い…熱くて…たまらない…』

 ヨハンの細胞を取り込みたいという願望と、無尽蔵の快楽に包み込まれていた。

「……」

 ヨハンは必死になって自分の血を飲み、自分の細胞を取り込んでいるシャロンを、ただ穏やかに見つめていたのであった。


 一応言っておきます…シャロンはヨハンの血を飲んでいるだけです! 細胞を取り込んでいるだけです! まさかTS吸血鬼のサクラより先に、此方で吸血描写を書く事になったとは…。

 感想・ブックマーク登録・レビュー・ポイント評価・質問等ありましたら、是非どうぞ♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作を投稿しましたのと、リンクの貼り付けに成功したので、良かったらどうぞ♪  青き竜の花嫁
― 新着の感想 ―
[一言] 子供は卵生?胎生?
[一言] >『基本的には変わりません。見た目は人間のままですが、一部分に変化が生じます』 1・頭に角が生えます 2・瞳がドラゴンと同じ瞳になります 3・身体の何処かに鱗が生えます 4・背中に翼が生えま…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ