261・ソウル・オブ・リバース 8
『PARALLER DRAGON STORY』も、良かったら見て下さいな…何故か人気ない…(哀)。
訓練が終わった後、シャロンは訓練場の一角で、昼食を取っていた。シャロンの周りには、アベルとエリス、それにジャンとレンマも来ていた。
その様子をヒナタは隣で見ていたが、当然ながらアベル以外は、ヒナタの気配に気づいていない。
「改めてシャロンを見てみると、少し変わったなぁ…髪もリボンで結んでおるし…ってかシャロン、女の子の格好するの嫌やったやないか?」
それを利用しつつ、ヒナタはシャロンを観察する。ヒナタはそのリボンが、エリスから贈られた物だとは知らない。
「そういやシャロン、色々とアイテムボックスに入れてるけど、僕のロンギヌスだけは、背負ったままやな」
背中とマントの間に、ベルトで背負われている、自身の愛用だったロンギヌスを見て、ポツリと呟くヒナタ。
「まあ、何時でも肌身離さずなのは、僕的に嬉しいけどな…どうせなら、ボク自身を抱き締めて欲しかったわ…」
「なあ、シャロン。前から思ってたんだが、お前何時もその槍背負っているけど、ドラゴン・ハートに入れないのか?」
「!」
と、まるでヒナタの意志を汲み取ってくれたかの様に、アベルが突然シャロンに尋ねた。
シャロンは肉の挟まったパンをルーンと分けていたが、その手を止めて答える。
「ロンギヌスの事か? これは俺にとって大事な物だからな、イングラムやドラグノフみたいに、アイテムボックスであるドラゴン・ハートに入れておきたくないんだ」
そう言いながら、背中のロンギヌスを抜いて、優しく撫でる。
「その槍って、確かヒナタ様のだよな?」
ジャンが尋ねる。
「ああ、俺がヒナタから色々受け継いだ際に、この槍も託されたんだ」
「それでシャロン様は、ヒナタ団長の名字の、クサナギを名乗っているんですね」
エリスが言った。その言葉にヒナタが驚いた。
「えっ!? シャロン、僕の名字を名乗ってるん!? 何か恥ずいわ…」
まさか自分の名字まで引き継いでいてくれたとは思わず、ヒナタは照れる。
「まあ、アイツは怒りそうな気がするけどな」
小さく笑いながら、シャロンは答える。
「いや怒らんけど」
聞こえていないと分かっているが、ヒナタはそうツッコむ。
「写真で見たけど、ヒナタって結構美少女だったんだよな? 一度俺も会いたかったな」
「アベルさん…姉上に言いつけますよ?」
ジト目でエリスが睨みながら、アベルに言う。流石はシスコンである。その様子にアベルは焦る。
「あ? コイツレイナとデキとるんか! あのシャロンに匹敵する胸を堪能しておるんか!? コイツ!?」
レイナも美少女の上に巨乳だった為、ヒナタも多少狙っていた様だ。ヒナタがその事で騒いでいると、またアベルがヒナタの方を見る。
「…何か、近くで騒がしくないか?」
何となくヒナタが騒いでいるのが、アベルには分かる様だ。
「? 今は俺達以外は、訓練場に居ないだろ? 騒いでるとしたら、俺達だろ?」
ヒナタの存在を察知出来ないシャロンは、アベルにそう言った。ヒナタはアベルを見る。
「…コイツ、霊感があるからか、僕の言っている事を、何となく聞いてくれるみたいや…何で僕のゴーグル、シャロンは首から下げとるん?」
試しにそう言ってみると…
「シャロン、もう一つ前から思っていた事だが、その首のゴーグルって…ヒナタのか? 写真のヒナタも同じゴーグルだったけど?」
そうアベルは尋ねてくれた。
「そうだな。此れはヒナタが生前に着けていたゴーグルだ」
「何で首から下げてるんだ? お前は額にも着けているから、二つ着けている事になるけど?」
アベルが尋ねると、シャロンはヒナタのゴーグルを触りながら答える。
「…まあ、俺の勝手な考えだが、此処から俺がお前から受け継いだモノを見ていてくれって意味で、首から下げているんだ」
それを聞いたヒナタは思う。
『そうやったんか…そういえば、僕の体はアイテムボックス…さっきドラゴン・ハートって呼んでたな…それに入れて欲しいって頼んだんやけど、入れてくれたんかな…?』
その事について、ヒナタが聞こうとした瞬間…
「シャロン」
シャロンを呼ぶ声が、ヒナタの背後から聞こえた。その声に聞き覚えがあった。
「ヨハンか?」
シャロンのパートナーであり親友であり、恋竜でもあるヨハンの声だと気付き、ヒナタは振り返った。
「!!! な、なんやこれ!?」
ヒナタは振り返って絶叫した、其処には小さくなったヨハンが居たからだ。
小さくなったヨハンに驚くヒナタ…更には嘗ての相棒も…。
アベルは無意識に、ヒナタの通訳をしておるんですわ。
感想・ブックマーク登録・レビュー・ポイント評価・質問等ありましたら、是非どうぞ♪




