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26・団長との邂逅 2

 遅れましたが、ブックマーク90件登録おおきに。アクセス数20000越えおおきに。

『この少女が…団長!?…』

 シャロンは内心驚いていた。団長と呼ばれた少女は、今の自分と大差変わらない年頃に見えたからだ。驚きながらもシャロンは警戒を緩めず、肩のルーンも毛が逆立って警戒している。

「ところで、君が新入団員なんか?」

 団長‐ヒナタ‐は尋ねた。

「…はい、シャロンです」

 白風の柄から手を離しながら、シャロンは答えた。

「そんな堅苦しくせんでええよ。ボクは団長のヒナタ。エルセラ騎士団の騎士団長及び、このエルセラの長をやらせてもらっとるんや」

 ヒナタからそう紹介されるシャロンであったが、そのヒナタに色々と疑問を持っていた。

『この娘…どう見ても日本人にしか見えない…言葉も関西弁だし…おまけにボクっ娘かよ』

「んっ? どないした…? あっ! まさかボクの美貌に見惚れてしもうたか? 照れるわ~」

 何も返事をしないシャロンに、ヒナタはからかう様な言葉を述べる。

「団長、この子は女の子ですよ」

 呆れるような口調で、ウェンリルが言った。

「分かっとるって! 悔しいけど、僕より大きな胸しとるから、男の娘って訳じゃなさそうやな」

「…その『オトコノコ』っていうのが、よく分からないですが…」

 ウェンリルは謎めいた感じになっていたが、シャロンは違かった。

『男の娘って、俺が住んでいた地球の言葉じゃないか…このヒナタっていうのも、俺と同じ転生者なのか…?』

 そう思案するシャロン。

「まあ、レオンから念話で情報を聞いていたし、早速だけど騎士団服に着替えてもらうかな?」

 そう言うとヒナタはソファーの陰に置いてあった紙袋を取り、シャロンに手渡した。

「それに入っているから着替えてな。多分サイズ的には合っている筈やから…それにしてもウェンリル、君はスケベやな?」

「はっ?」

「女の子が着替えようとしているのに、そないな所に立っとるなんて」

 ヒナタに言われて、ウェンリルは慌てて団長室を出て行った。

「ほなシャロン、服着替えてな」

 ヒナタに促されて、シャロンは袋の中の服を取り出した。

「うん?」

 それは赤色の騎士団服であり、下の部分はスカートになっていた。

「…あのすみません、団長」

「ん? なんや?」

「これって女性用の服ですよね?」

「まあそりゃそうやろ。だってシャロン女の子やろ? 今は何か妙に男っぽい服装やけど」

「…俺に合う、男性用の服ってありますか? 俺スカートはちょっと…」

「なんや、女の子の服嫌いなんか? 変わっとるな…まあええわ。ちょっと待っててな」

 そう言うとヒナタは、壁際にあるクローゼットの様な所を開けて、中を探し始めた。待っている間シャロンは、部屋の中を見回した。すると…

「んっ?」

 壁際に立てかけてある、大きな槍が目に入った。

『デッケェー槍…まさか彼女が使うのか? 俺の白風と同じ様に、あのレオンってドラゴンと契約した時に現れたのか…?』

「ボクの槍、カッコええやろ」

 何時の間にか戻っていたヒナタが言った。その腕には青色の服が収められていた。

「ええまあ…それ、男性用の服ですか?」

「そうや。下はズボンやけどホンマにええんか?」

「良いです。その方が助かります」

 シャロンはそう言って、ヒナタから騎士団服を受け取った。

「じゃあ着替えてな」

「えっ? 此処でですか?」

「別にええやろ? ボクも君も女の子やし」

 ヒナタはそう言うが、シャロンにしてみれば違かった。

『…俺確かに今は女の子だけど、元は三十過ぎたオッサンだぞ…それなのに十代頃の女の子に着替え見られるのは…』

 シャロンは抵抗があったが、このままでは不審に思われると考え、仕方なくヒナタの前で着替える事にした。


※             ※


「ウェンリル。入ってええよ」

 室内からヒナタの声が聞こえ、ウェンリルは中に入った。すると其処には、青色の騎士団服とズボンを身に纏った、シャロンが立っていた。

「アレ? 何で男性用の制服なんですか?」

 当然の事ながら、シャロンの服装が気になるウェンリル。

「何か女子の制服着るのが、嫌やみたいでな。まあ気にせんといて」

 ヒナタにそう言われて、ウェンリルは取り合えず気にしない事にした。

「じゃあウェンリル。シャロンを団員が暮らす部屋に案内したってや」

「分かりました」

 そう言うとウェンリルは、シャロンを従わせて団長室から出て行った。残されたヒナタは思案していた。

「何かあのシャロンって子…妙に親近感あるな…オマケに腰に着いていたアレ…銃…やん」

 その呟きを聞いた者は居なかった。


 関西弁で喋る団長・ヒナタ登場。

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新作を投稿しましたのと、リンクの貼り付けに成功したので、良かったらどうぞ♪  青き竜の花嫁
― 新着の感想 ―
[気になる点] この世界では人と竜が結ばれる事は珍しいのでしょうか? 異世界物だと獣人や竜人といった限りなく人型に近い種族となら結ばれてる事はよくあります。 この小説の場合私が過去に質問した”人化”に…
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