250・ヒナタの思い出 8
明けましておめでとうございますわ! 今年も『転生したドララーのオタクは、美少女になり、ドラゴンの恋人になって、竜騎士になりました』を宜しくお願いしますわ♪
「いや~ホンマに助かったわ!」
片付けが終わった部屋のソファーに座ったヒナタが言った。その隣にはシャロンが座っており、目の前のテーブルにはお菓子が置かれていて、ルーンがそれを食べている。
「やっぱり、副団長の力は偉大やな~…惚れてまうわ…」
そう言いながら、シャロンに体を擦り寄らせるヒナタ。
「なあ、前から気になってたんだが、お前は何時から女の子が好きなんだ?」
ヒナタの女の子(主に自分だが…)好んでいる事は、シャロンは身を以て理解している為、気になって聞いてみた。
「ん~…物心ついた頃からかな? 気が付いたら女の子が好きやったなぁ…」
と、昔の事を思い出す様に語るヒナタ。
「色々な女の子に魅力を感じてたな…でもな…」
シャロンの手を優しく握るヒナタ。何時もならセクハラとして振り払うシャロンだが、何故かこの時は振り払えなかった。
「でもな…僕が此処まで見惚れたのは、初めてなんやシャロン…僕は…君が好きや…」
ウットリとした表情で、シャロンを見つめるヒナタ。
「…前にも俺の事が好きって言ってたが、忘れてないか? 俺は元々男だぞ? お前の好みとは相反する存在だぞ?」
少し試す様に意地悪な事を言うシャロン。
「そうやけどな…不思議やな…もし僕が異世界転移しなくて、君が事故で死なずに、杉村 祐二として生きて、日本で会ってたなら…多分それでも僕は惚れてたと思うんや」
「…俺とお前じゃ、二十近く歳が離れているぞ?」
「僕は構わへんよ」
「…お前には勝てないな」
「そりゃそうやろ! 僕はエルセラ竜騎士団の最強の竜騎士・五代目団長やもん! 副団長より強いんやからな」
自信満々に胸を張りながら語るヒナタに、シャロンは強者だと感じる。
するとヒナタは、シャロンに顔を近づける。
「なあシャロン…キスしてええか…」
「……」
何時のもシャロンなら、『セクハラだぞ!』と言って抵抗するが…。
「…良いぞ」
シャロンがそう答えると、ヒナタは顔を綻ばせて、シャロンの両肩に手を置いて、顔を近づける…そして…
「…チュ…」
静かに口付けを交わした。
それは数秒だったが、シャロンとヒナタには、長い時間にも感じられた。
ヒナタはシャロンの口から離れると、シャロンの胸元に頭を寄せた。
「シャロン…」
切なそうにシャロンの名前を呟くヒナタ。シャロンはそんなヒナタを無言で抱き締めた。
ヒナタはホンマに、シャロンの事を愛してたんやな…。
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