245・ヒナタの思い出 3
気付いている方も、居るかも知れまへんが、サブタイトルを変更しましたわ。
『死者の歩行』→『ヒナタの思い出』
理由はタイトルの話になるまで、かなり話が掛かる為、別の話という風に変えましたわ。何か色々考えたら、膨大な話の数になってしまうので…。
あともう一つ気付いているかも知れませんが、あらすじも追加しています。
『迅雷の舞』…? どんな魔法だ…?」
シャロンは身構える。背後には白風が地面に突き刺さっているが、ヒナタの未知の魔法に警戒し、取りに行く隙を見出せなかった。
「行くでぇ!!!」
数m離れたヒナタが叫んだ瞬間…何時の間にか目の前に居た。
「!?」
シャロンが驚くと同時に、ヒナタの右腕が横に振るわれたが、本能的にかシャロンは咄嗟に背後に避けて回避した。
一瞬前まで数m先に居たヒナタが、いきなり目の前に現れた事に、シャロンは動揺して考える。
『…ヨン、『迅雷の舞』って…』
『マスターの予想通りです。『迅雷の舞』は使用者の身体能力を上昇させる、雷魔法です』
ヨンからの説明で、想像していたシャロンは確信を得た。
『やっぱり予想通り…前世の漫画やアニメとかで、雷を身に纏った奴が、加速するシーンがあったからな…』
ヒナタはレオンと契約をして、雷魔法を使える…其処から推測して、『迅雷の舞』は、強化魔法の類だと考えられた。
「どないしたシャロン? 僕の動きの速さに、驚いた?」
体に電気を纏わせたままのヒナタが、ニヤニヤしながら言った。
「…はっ! まさか! それくらいで俺が驚くかよ?」
一見強がりの様な台詞だが、其処にそれらを感じさせる様子もないシャロン。
「何故なら…俺も同じ様な魔法を会得しているからな!」
そう叫んでシャロンは、魔法を発動させる。
『旋風の舞』
魔法を発動させた瞬間、シャロンを包み込む様に、風が発生した。
「『旋風の舞』…僕の『迅雷の舞』の風魔法バージョンやな?」
「そういう事だ…こっからは高速戦だ」
「望む所や!」
シャロンの言葉に、ヒナタはそう返す。
風を纏ったシャロンと雷を纏ったヒナタ。お互いに向かって突進していく。
ドンッッッ!!!
それは大きな爆発音に聞こえたが、実際にはシャロンとヒナタの二人の腕がぶつけ合った音である。
「まだまだぁ! こんなモンじゃないで!!!」
「それはこっちの台詞だ!!!」
最早常人には見えない速度で、二人はお互いを攻撃し合っている。
※ ※
「お、おい! ヒナタ様とシャロン様…二人共魔法を発動させたら、全く見えなくなったぞ!」
見ていた竜騎士の一人が叫んだ。
見ている竜騎士達は、大半が下級か中級騎士だったが、中には上級騎士も居た。しかしその上級騎士ですら、魔法で加速した二人の姿を認識出来なかった。
「ヒナタ団長とシャロン副団長…エルセラ最強の竜騎士…この二人は越えられないな…」
一人の竜騎士の言葉に、他の竜騎士達も無言で頷く。実力主義のエルセラ竜騎士団では、強ければ、シャロンやアベル(この時はまだアメリカに居る)の様に、入ってすぐにそれなりの立場に昇格も出来るが、シャロンとヒナタの戦いを見ている竜騎士達は、この二人を超える事は不可能…という結論が出た。
シャロンとヒナタ激闘…。
因みに『迅雷の舞』の名前の元ネタは、『ボールに入れるモンスターの一体』から来ていますですわ。
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