240・ヨハンの新魔法 2
こっからタイトル回収タイムや!
本当はもう少し書きたかったんですが、時間が無くて、予定より短くなってしまいましたわ! ホンマにすいません。
「本当か!? 流石はヨハンだな!」
シャロンが褒めると、ヨハンははにかむ様な笑みを浮かべた。
「何だよシャロン。新魔法って?」
話が分からないアベルが尋ねた。
「少し前にな、俺が考えた魔法をヨハンに話して、ヨハンが作ってみる事になったんだよ」
シャロンが説明する。
正確に表現すると、まずシャロンが魔法の内容を考えて、シャロンの秘匿のスキル・『世界の知識』のヨンが魔法の式の様な物を組み立て、それをシャロンがヨハンに伝えた。ヨハンは魔法の開発研究を好んでおり、快く引き受けてくれた。
「別に趣味じゃなくても、お前の頼みならヨハンは、無条件で受け入れたんじゃね?」
アベルがツッコミを入れる。
「そ、それより! どんな魔法なんですか? シャロン様?」
話題を変えようとするエリス。
「そうだな…説明するより、実際にやってもらった方が良いだろ。ヨハン、もう実験は行ったんだろ? 俺も見てみたいから、やってみてくれないか?」
「うん、良いよ」
ヨハンは承諾をする。するとヨハンは魔力を溜めていく。
「……」
暫くすると、ヨハンの体が光り始めた。
「な、何だ!?」
謎の現象に、アベルは戸惑う。それはエリスも同じであり、それ以外にも中庭には数名の竜騎士とドラゴンも居て、皆同じ反応を示している。只一人、シャロンだけは冷静に見ている。
すると光っているヨハンの体が、みるみる小さくなっていく。やがてシャロンの腰くらいまでの大きさになった時、光が止んだ。
「どうかな? シャロン?」
「凄い! 俺の想像通りだ!」
シャロンは感激の声を上げる。本来ならヨハンの体は、かなりの大きさを誇っているが、今のヨハンの大きさは、人間の子供と同じ位である。
「えっ? えっ? シャロン様!? ヨハンさんが小さく…?」
エリスが戸惑っている。
「ああ、これが俺が考えた魔法だ。体を小さくする魔法…俺が考えて、ヨハンが作った魔法だ」
得意げにシャロンが語る。
「でも小さくなってどうするんだよ? これじゃ戦闘の時に、俺ら人間を乗せて空戦とか出来ないだろ?」
アベルが聞いた。
「別にそういう時の魔法じゃない。例えば敵の懐に飛び込む際に、普通ならデカいドラゴンなんて、目立つだろ? でもこの魔法を使えば、いきなり敵のど真ん中に、ドラゴンを出現させて、敵を大混乱の陥れられるだろ?」
と、実践的な考えを示すシャロンだが、此処でアベルが、ある疑問を問いかける。
「ほんとうにそれだけか? シャロン?」
「んっ? 何だよアベル、他にもあるのか?」
「いやな…確かにそういう意味では、この魔法は使えるが…お前の事だから、『ヨハンと一緒に寝る為』…という不純な願望も込めて、この魔法を考えたんじゃないか?」
「!!! なっ…ば、馬鹿! 俺がそんな事を考える訳ないだろ…」
目を逸らして反論するシャロンだが、アベルは余計に怪しむ。
「そ、それより二人共! 今から念話でゲイルとラティスを呼べ!」
「? 何でだよ?」
話をはぐらかして、いきなりそんな事を言うシャロンに、アベルは戸惑う。
「ゲイルとラティスにも、この魔法を教えるんだよ。ヨハン、この魔法は構成段階で、そんなに難しい魔法じゃないって話だったよな?」
「うん、そうだよ」
未だに小さいままのヨハンが答える。
「いや俺ら、お前らみたいな関係じゃなし…」
「馬鹿! 戦術的な意味で教えるんだよ! ほら見ろ! エリスなんて直ぐに察して、もう念話をしているぞ!」
見てみると確かにエリスは、自分達の会話を聞いていない様なので、念話をしている様に見える。
「ほらアベルも、さっさとやれ! お前ら二人以外にも、この魔法は教える予定だから、心配するな!」
「……」
シャロンに急かされたアベルは、面倒くさそうな表情を浮かべながら、ゲイルに念話をする。
『マスター…完全にバレていますね』
『言うな、ヨン…』
ヨンのツッコミを、シャロンは力なく返す。
どうやらアベルの言うとおりの、シャロンの願望が含まれていた様だ。
小さくなったヨハンのサイズのイメージは、『1999~2000まで、日曜日の朝の9時の8チャンネルのモンスター』のサイズと、同じ位ですわな!
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