232・アベルの恋 5
ヤバ…時間掛かった割には、そんなに長くない…割るには此処が丁度良いんですわ(苦)。
「何コイツ! ボス!?」
大鎌を持ったまま、オークの攻撃を避け続けるレイナ。
オークに追いついて、戦闘を開始したまでは良かったが、最後のオークは他のオークより猛者らしく、思いの外最後のオークに苦戦してしまった。
レイナは過去の任務でオークを退治した事があるが、その時のオークより強く感じた。
「くっ…僕もシャロンに鍛えてもらっているけど…まだまだだな…エリスとの連携が無いと、実力が落ちるのかな…」
何とかツインサイズを振りながら、オークと交戦するが、オークの攻撃が激しく、決定打が決まらない。その時…
「ブギィィィ!!!」
オークが思いっきり棍棒を振るった。
ガキィン!!!
「あっ!?」
オークの棍棒によって、ツインサイズが弾かれてしまった。弾かれたツインサイズは、レイナから十数m程離れた所の地面に突き刺さった。
「やばっ!!!」
レイナは拳銃を使用しようと考えたが、オーク程の巨体では意味が無いと瞬時に判断した。
『アティスの預けたAK…持ってくるんだった…』
パートナーに預けた銃の事を後悔しつつ、レイナは魔法で応戦しようとした。しかしオークは構わず襲おうとしてきた。
オークは元々、人間の女性を襲う事が多い。ましてはレイナの下半身の服装は、スリット入りのミニスカートである為、オークを興奮させるのには充分なのであった。
正に絶対絶命…その時…。
ドガァン!!!
「ブギィィィ!?!?!?」
一発の銃声と共に、オークの肩口が抉れた。
「おい…豚野郎」
「!」
その声はオークの背後から聞こえた…その声の主は…コルトパイソンを片手で構えたアベルであった。
「遊んでほしいなら…俺が遊んでやるよ」
落ち着いた口調で述べるアベル。
「アベル!」
叫ぶレイナにアベルは落ち着いた笑みを返す。
「ブギィィィ!!!」
其処に水を差す様に、オークが叫びながら、アベルに突進していく。
「…シャロンが作った強化弾…オークのぜい肉を吹き飛ばせる程はあるな…」
アベルはコルトパイソンに装填されている弾を評価した。
今コルトパイソンに装填されている弾は、シャロンのユニークスキル・『弾薬錬成能力』で作成した弾であり、アベルはその実用実験の為に持っており、それをコルトパイソンに装填したのであった。
「じゃあな豚野郎…せいぜいポークステーキの材料になれ」
そう言ってアベルは、オークの顔面に、コルトパイソンの照準を向ける。
ドガァン!!!
再び激しい銃声と共に、強化弾を撃ち込まれたオークの頭部は、粉々に砕け散った。
頭部を失ったオークは倒れ込み、コルトパイソンをホルスターにしまったアベルが近づいた。
「シャロン居ないから…ゲイル達に運んでもらうか…待機の騎士達を呼ばないとな」
そう言った後、アベルはレイナを見た。
「あんまり無理するなよ。お前に何かあったら、エリスが悲しむからな…それに…俺はお前を守る役目もあるしな」
そう言うとアベルは、空で待機しているゲイルに合図を送った。レイナはそんなアベルを、ただ無言で見つめていた。
アベルは二丁の拳銃を常備していますわ。ベレッタⅯ92Fとコルトパイソン。AA‐12も使わせる予定ですわ。
此処で初めて初期の設定にあった、ユニークスキル・『弾薬錬成能力』の使用ですわ。
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