231・アベルの恋 4
長い回想…そろそろ終わらせたいな…って、自分で書いておいて、何を言ってるねん、僕は!
17日は僕は四回目のワクチンですわ…明日書いて、投稿出来るか…分かりまへんですわ…(苦笑)。
「ブヒィィィ!!!」
鳴き声を上げながら、棍棒を持ったオーク達は馬車を追いかけ回している。馬車に乗った御者は必死で馬を操って逃げている。
「ハア、ハア、ハア」
捕まったら終わり…その恐怖心のみが御者の心を支配し、必死で馬を走らせる。だがオーク達はそれを上回る速さで迫ってくる。そしてその内の一体が、馬車に手を伸ばしてきた。もう駄目だと思った瞬間…
ダダダダダダダ!!!
「ブギィ!?」
「!」
突然空から謎の連続音が響いたと思うと、手を伸ばしていたオークが穴だらけになって倒れた。御者が空を見上げると…奇妙な長柄の道具を持ち、背中に翼を備えた青いマント羽織った、エルセラ竜騎士団の制服を着た人間が居た。
※ ※
「ギリギリ、何とかなったな」
AK47を構えたアベルが言った。アベルはオークが馬車に届く寸前に、何とか一体を銃撃して倒したのであった。
アベルは残りのオークが追い付くより先に、御者に近づいて言った。
「俺がアイツらを片付けるから、アンタは少し離れた所に移動しろ。近くには仲間が居るから、ソイツ等が助けてくれる。
「は、はい!!!」
御者は必死で答えると、アベルの脇をすり抜ける様に走っていった。
「さてと…ポークソテーでも作るか」
アベルは向かって来るオーク三体を見ながら呟いた。巨体なオークが走ってくるという、ある意味恐ろしい光景であるが、ドラゴンという最強の存在を認識しているアベルには、何ら恐怖は無かった。
「まあ殆ど…SF映画だけどな」
そう言ってAK47を構える。
ダダダダダダダ!!!
先程と同じ様にAKをオークに向かって連射する。弾は一体のオークの腹部に命中したが、一瞬怯んだだけで倒れない。
「ああくそ…さっきは顔面だったから即死したのか…」
舌打ちしながら呟くアベル。そうしている内に、一体のオークが接近し、棍棒を振り下ろしてきた。
オークは棍棒をアベルに振ったが、アベルはそれを軽々と避ける。
「遅ぇよ…ゲイルの方が十数倍速いぞ」
シャロンの影響からか、エルセラ竜騎士団では、竜騎士が自分のパートナーとの模擬戦による訓練が行われている。アベルも例外ではなく、ゲイルと訓練しており、オークの攻撃はゲイルの剣捌きとは比べ物にならないくらい遅かった。
「まあゲイルの話では、ヨハンの方が更に速いみたいだが…っと!」
独り言を言っている際に、オークが棍棒を振り下ろしてくるが、アベルはスレスレで避ける。そして丁度、アベルからはオークの顔が狙える状態であった。アベルはすかさずにAK47をオークの顔面に向けて銃撃する。
「ブギャア!!!」
オークは悲鳴を上げながら、顔じゅうから血を流しながら絶命する。
「さてと二体目…あとはアブねぇ!?」
突然三体目のオークが現れて、アベルに棍棒を振るってきた。アベルは間一髪避けたが、AK47を落としてしまった。それもオークを挟んだ反対側に。
転倒したアベルは、舌打ちしながら腰のホルスターに手を伸ばした。しかしオークは棍棒を振り下ろそうとする。
ザンッッッ!!!
その時斬撃音が響き渡った。その瞬間オークの動きが止まった。するとオークのデップリとした腹部に赤い横線が現れて、そこからオークの体は真っ二つに分かれて倒れた。
「大丈夫、アベル」
オークの後ろから声を掛けたのは、大鎌を持った少女・レイナであった。
レイナはアベルに近づいて、手を差し伸べる。
「あ、ああ…」
アベルはレイナの手を借りて立ち上がる。
「変な独り言を言ってるからだよ。最後の一体も僕が倒すから、アベルは銃を拾って、さっきの御者の所に行って」
そう言うとレイナは、逃げた御者を何時の間にか追って移動している、最後のオークを追っていった。
アベルはAK47を拾うと、弾のリロードを行う。
「…副団長が、ノコノコ行ける訳ないだろう」
そう言うとアベルは、レイナの後を追った。
バラすと…この時からアベルは、レイナを意識していますわ。
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