23・竜騎士団への勧誘 2
久しぶりの投稿ですが、短いです。堪忍
ウェンリルの言葉に、シャロンは驚いた。
「俺が? 竜騎士団に? どうしてだ?」
「盗賊を単独で殲滅出来る程の強さがあるんだ。是非とも我等の竜騎士団に入団してもらいたい…」
「……」
ウェンリルは微笑みながら言ったが、シャロンは用心深く考えていた。其処でヨハンと念話で話す。
『ヨハン。この人そう言ってるけどさ…本音はきっと俺がやる『見えない攻撃』の正体を掴もうとしているだよね?』
『多分そうだろうけど、純粋にシャロンの戦闘力を評価して…ってのもあるかもよ?』
ヨハンにそう言われて、シャロンは少し納得する。
『それに竜騎士団に入れば、沢山のドラゴンと出会えるよ』
『…それって恋人に対して、浮気しても良いよって言ってるのと同じだけど?』
ヨハンの言い分に呆れるシャロンであった。
『でもぶっちゃけ俺、この世界で目的を見つけてないんだよなぁ…』
『目的を見つけるって意味でも、竜騎士団に入るってのは、僕的には悪くないと思うけど…シャロンはどうかな?』
『そうだなぁ…』
ヨハンに言われて、シャロンは少し考える。
『…そうだな。まあ目的を見つけるっているのでも、入る価値はあるか…ヨハンは構わないのか?』
『僕はシャロンの意見に従うよ』
『そうか…』
「おい、一体どうしたんだ?」
傍から見れば突然黙り込んだシャロンに、ウェンリルが話しかける。
「ああいや…分かった。俺達をその竜騎士団に入れてほしい」
「そうか。歓迎するよ」
ウェンリルは乗っているベクタをヨハンに近づけると、手を差し出してきた。シャロンはその手を握り締めた。
「ところで、後ろのドラゴンの乗った女性、何か具合悪そうでしたけど、どうかしたんですか?」
シャロンが訪ねると、ウェンリルは驚いた表情を見せた。
「どうしたって…君の魔力にやられたんだろ?」
「えっ? 俺の魔力…?」
自身の魔力が他人に影響を与えている事に、シャロンは戸惑った。
『…ヨン。俺の魔力ってステータスみたら高かったけど、人に影響を与える程なのか?』
シャロンは心の中でヨンに尋ねた。
『本来は魔力は人に影響を与える事はありませんが、マスターの場合は魔力を辺りに放出している様な状態なので、魔力を感知できる人間に影響を与える状態になっています』
『マジで…俺の魔力ってどんな風になっているの?』
『簡単に言うと、暴風の様になっています。抑え込む事も出来ますが?』
『今すぐやって!』
シャロンは即答した。
『分かりました…抑え込む事を完了しました』
『相変わらず仕事が早いな…』
シャロンはヨンとの会話を切り、ウェンリルに向かい合った。
「多分もうあの人大丈夫ですよ。何とかしたんで」
「何とかしたって何時の間に…まあ良い。とりあえず、あの二人の所に行くぞ!」
「はい」
シャロンは了承し、ヨハンをベクタの後に追わせ、着陸している二人の元へと向かうのであった