228・アベルの恋 1
久しぶりの投稿ですわ。最近は別作品とゲームに集中していましたわ。
新作・『TSの銀髪美少女は、最強の吸血鬼!』を宜しくお願いしますわ。
ある日の事、仕事が休みのシャロンは、一人でエルセラの街中を歩いていた。すると公園近くの所で、背中に剣を背負った紫色のドラゴンの姿が見えた。
「おっ、ゲイル」
それはアベルのパートナーのゲイルであった。
「! シャロンか」
ゲイルもシャロンに気付いた。
「何しているんだ、こんな所で」
シャロンが尋ねる。
「いや…あそこに居る、アベルが気になってな」
そう言ってゲイルが示したのは、公園のベンチで座って俯いているアベルであった。離れてみた感じでは、何やら元気が無さそうである。
「どうしたんだ、アベルの奴…何か落ち込んでいる様に見えるけど…」
「私が尋ねても、はぐらかして答えてくれないんだ」
そうゲイルが言う。
「シャロン。出来れば君が聞いてくれないか?」
「俺が? 何でだ?」
ゲイルからの突然の申し出に、シャロンは不思議がる。
「シャロンはアベルと同郷者だろう? ならシャロンなら話すんじゃないか?」
同郷者とはいえ、それは地球規模での話であり、シャロンは日本、アベルはアメリカ出身と、生まれ育った国は全く違う…そう説明したかったが、ややこしい事になりそうだった為、シャロンは何も言わなかった。
「でもパートナーのゲイルに言わないんじゃ、俺にも言わないんじゃないか?」
「ダメ元でも良いから、やってもらえないか? シャロンはエルセラ竜騎士団の団長で、アベルの上に立つ者だろう?」
ゲイルにそうまで言われて、シャロンは何も言い返せない。
「…しょうがないな…あんまり期待するなよ」
そうゲイルに告げると、シャロンはアベルに向かった。
※ ※
「はぁ~…」
元気が無さそうな溜息を吐くアベル。
「何をやっているんだろうな…俺は…」
アベルはベンチから立ち上がって、何処かへと歩き出す。
「…考えても仕方がない…射撃の訓練でもする…」
「おっら!!!」
ドゴォォォ!!!
と其処に、シャロンのドロップキックが炸裂した。もろに喰らったアベルは、十m程飛んで行った。
「どうしたアベル? 溜息なんて吐いて?」
そう言いながら、ファイティングポーズをとるシャロン。アベルが反撃をしてくると身構えているのだ。しかし…
「よ、ようシャロン…何か俺に用か?」
アベルは起き上がって、全く怒らずに尋ねてくる。
「あ? お前どうした?」
シャロンがアベルに駆け寄って尋ねる。
「何か変だぞ? ゲイルも心配していたし、何かあったのか?」
流石に心配になり、シャロンは矢継ぎ早に尋ねる。
「シャロン…実は俺…好きになったみたいなんだよ…」
「? 好きになった? 誰をだ?」
「…レイナを…」
アベルの口から出たのは、双子の姉弟の姉・レイナであった。
アベルは好きなったのは、同じ副団長のエリスの姉・レイナでしたわ。
感想・ブックマーク登録・レビュー・ポイント評価・質問等ありましたら、何でもどうぞ。
『TSの銀髪美少女は、最強の吸血鬼!』もよろしくお願いしますわ!