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227/366

227・異世界の飲酒可能年齢は、日本の法律では測定出来ないのだ 3

 この話は予想以上に長くなりましたわ。次回でラストですわ。

 呂律の回らない声のセリフ…分かってもらえるか、難しいですわ。

 遅くなりましたが、総合評価が1300越えましたわ。皆さんホンマにおおきに!


 その頃ゴーグルを目に装着したヨハンが、エルセラの外から空を飛んで入ってきた。

「お疲れ様~」

「お疲れ様」

 ヨハンは見回りのドラゴンに挨拶をして、城へ向かって飛んでいく。

「外で修行していて、随分熱が入ってしまったなぁ…早く帰らないと、明日の訓練に影響が出る」

 そう言って飛びながら、街を見下ろすと…。

「あっ! シャロン!」

 道を歩いている蒼銀の髪の少女の姿が見えた。ヨハンは降下してシャロンの元へと降りる。

「シャロン、どうしたの? こんな所で?」

と、ヨハンはゴーグルを外しながら、シャロンの背後から声を掛ける。

「みゅ?」

「みゅ?」

 変な声で振り返ったシャロン…普段白い頬は真っ赤に染まっている。

「えっ? シャロン? どうしたの?」

「わぁ~ヨハンだぁ~」

 そう叫びながら、ヨハンのお腹にダイブするシャロン。

「えっ? えっ? どうしたのシャロン?」

「んふぅ♪ 柔らか~い♪」

 戸惑うヨハンに構わず、シャロンはヨハンのお腹の柔らかさを堪能する。

「ねえちょっと、シャロ…!」

 その時ヨハンは、シャロンから漂う匂いに気付いた。

「これは…お酒…? シャロン、もしかして酔っぱらってるの?」

「ん~?」

 ヨハンの言葉に、シャロンは見上げてヨハンを見つめる。赤く酔った顔に上目遣い…ヨハンはグッと堪える。

「にゃんか~ジャンのバカが~俺のじゅーちゅとしゃけをしゅりかえて~俺にしゃけのましたんだよ~」

 完全に呂律が回っていないが、何となく言っている事は、ヨハンは理解出来た。

『…ヨン…シャロンはそんなに強いお酒を飲まされたの?』

 ヨハンは『世界の知識』のヨンに尋ねた。本来はシャロンのスキルであるが、ヨハンとシャロンは心が融合している為に、スキルの共用が出来た。

『マスターの飲んだ酒は、人間のレベルではそれなりに、アルコールレベルが高い酒です』

 そう回答された。

「シャロン…お酒弱かったの…?」

 ヨハンはシャロンの記憶をトレースしている故に、前世ではそれなりに飲めていたという記憶があるのを知っていたが、実際には酔っている為戸惑っている。

「んん~? 俺はよわくないのに…ジャンのバカが、へんにゃののみゃすから…」

 ニヤけながら言うシャロンに、ヨハンは溜息を吐いた。

「…仕方ないな…とりあえず城まで運ぶけど、良いかな?」

 そう尋ねるが、シャロンは俯いて答えない。

「シャロン?」

 ヨハンは頭を下げて、シャロンの顔を覗き込んだ。

「すぅ~…すぅ~…」

 酔って寝てしまった様だ。

「……」

 仕方なくヨハンは、シャロンを両手で抱えて、城まで飛んで行った。


※          ※


 ヨハンがやって来たのは、二人が逢引きをする、あの部屋である。ヨハンは、シャロンの自室か自身の自室でも構わなかったが、既に時間帯が遅かった為に、他の者に迷惑にならない様に、この部屋にしたのであった。

 ヨハンはシャロンをソファーに寝かせると、腰の白風を抜いて、マントを外し、更に額と首のゴーグルを外すと、それらを机に置いた。

 尚、エリスのリボンに於いては、ヨハンの鋭い爪や、大きな手で破いてしまう可能性があった為、ヨハンはそのままにしたのであった。

 そしてシャロンの横に寝転がり、翼でシャロンを覆う様にする。

「おやすみ…シャロン」

 静かに寝息を立てているシャロンの蒼銀の髪を撫でながら、ヨハンは穏やかな表情で言い、眠りについた。


 因みにこの話のシリーズ以外では、あと4シリーズで、次の章に移行しますわ。

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[一言] >そしてシャロンの横に寝転がり、翼でシャロンを覆う様にする。 「おやすみ…シャロン」 静かに寝息を立てているシャロンの蒼銀の髪を撫でながら、ヨハンは穏やかな表情で言い、眠りについた。 様子…
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