201・ヒナタはやりたい放題
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「まあ、そんな事があった訳だ…」
話を終えたシャロンが言った。
「…話を聞く限りじゃ、お前相当ヒナタから気に入られてたみたいだな」
アベルが呟いた。
「そうだな。その日以降、ヒナタは俺に対して抱き締めてきたり、体を弄ってきたり、ズボンのベルトを外そうとしたり、胸を揉んできたり、股の間に足差し込んできたり、はたまたキス迄しようとしてきたんだぞ」
「もう完全に、只のセクハラじゃ済まされねぇぞ…んっ?」
「?」
アベルが何かに気付き、シャロンがその方向を見てみると、エリスが顔を赤くしながら、スカートを押さえながら、前屈みになっていた。
「オイオイ、エリス君。一体どうしたんだね?」
何となく理解しながらも、シャロンはエリスに尋ねる。するとエリスは恥ずかしそうにしながら答えた。
「だってその…シャロン様とヒナタ団長の…その…如何わしい事をしていたって聞いたら…ドキドキしてしまいまして…」
「エリスお前…今の話だけで、そうなるか? どんだけ耐性が無いんだ?」
アベルが呆れる様に言うが、シャロンは『エリスもやっぱり、男の子なんだなぁ…』と思った。
「まあヒナタの話は、それだけじゃないさ…俺が来る前から、結構滅茶苦茶な事をやってたみたいだし…」
「…そういえば、姉上から聞きました…」
未だに赤みを帯びている頬をしたエリスが言った。
「たまにヒナタ団長が嫌いな物を、押し付けられたりしたと…」
「あぁ~…それやってたなヒナタ…他にも団長の仕事が面倒だから、変わり身の人形を置いて、団長室から逃げ出した事もあったな…」
「ニンジャかヒナタは!?」
アベルがツッコミを入れる。エリスは『ニンジャ』が何なのかは知らない為、頭の上に『?』を浮かべていた。
「あと俺にセクハラしていたって話したけど、その類で俺にメイド服とかを着せたりもしようとしてたな…意地でも逃げ切ったけど…」
「やりたい放題な団長だな、ヒナタ…」
シャロンの言葉に、呆れるアベル。
洗い浚い暴露され、良く知らないアベルにまで言われるヒナタ。心なしか笑顔の写真も、苦笑している様に見えてしまう。
「まあでもな…それでも皆、ヒナタの事を団長だと慕っていたんだよ」
シャロンが真剣な表情で言った。
「俺もヒナタの跡を継いでから、アイツにも負けない様に、団長として頑張ってきたんだけど、ヒナタには敵わないと思っている」
シャロンがそう言うと、アベルは何を言っているんだという様な顔で言った。
「何言ってるんだよシャロン。お前は良く頑張ってるだろ? 俺はヒナタが死んだ後に来たから上手く言えないけど、お前はヒナタより凄いと思うぞ!」
「そうですよ。確かにヒナタ団長も、凄い団長でしたけど、シャロン様はそれ以上の事をやっていますよ」
エリスも賛同する様に言った。
そんな二人を、シャロンは驚いた表情をし、微笑んで言った。
「アベル、エリス…ありがとな…」
シャロンの微笑んだ表情を見て、アベルは二カッと笑い、エリスははにかんだ笑みを浮かべる。
「まあヒナタは女の子好きであったみたいだが、そういうお前はドララーの変わり者だし、あんまり変わらない気が…はっ!?」
調子に乗ったアベルが言うと、シャロンの方から恐ろしい気配を感じて振り返った…先程とは違い、ブラックスマイルを浮かべたシャロンが居た。
「ちょっと来なさいアベル君。痛い様に殴ってやろう」
手招きしながら言うシャロン。
「いやいやいや。結構だ!」
素早く顔を横に振りながら断るアベル。しかし…
「そうかそうか、来たくないか…では、俺から行ってやろう」
ブラックスマイルを浮かべたまま、アベルに向かって歩き出すシャロン。
「いやちょっと待…ごふぅ!?」
命乞いをするアベルに、シャロンは問答無用で攻撃を開始した。
「やめヒギャ! げふぅ! HELP!」
団長室に響き渡るアベルの悲鳴…エリスは怯えながら見つめていた。
そしてそれから数分後、ボロボロになって倒れているアベルを放っておいて、シャロンがエリスに話しかける。
「なあエリス」
「は、はい! 何でしょうか…?」
先程のアベルへの制裁で、怯えてしまって声が上ずるエリス。
「さっき言った…ヒナタからの俺への行為…お前も俺にしたかったら…構わないぞ…」
「…えっ?」
頬を赤く染めながら言うシャロンに、エリスも同じ様に顔を赤く染めてしまう。
「もうヨハンも…何でもない…仕事続けよう…」
何か続けて言おうとしたが、シャロンはそこで止めてしまい、団長の仕事の再開を始めた。
「……」
エリスはシャロンの発言にドキドキしながらも、とりあえず副団長として仕事を再開する前に、アベルを医務室に連れていく事にした。
次回は主人公なのに、ぼのぼの編に殆ど登場していない、ヨハンの話ですわ。ぼのぼの編の一ヵ月前から更に仲が良くなったシャロンとヨハンの真相が…。
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