188・ベッドでの会話
遅くなりましたが、PV300000越え&総合評価1100越え、ホンマにおおきにですわ。
その後体を拭き終えたシャロンは、廊下に居るエリスを呼び寄せた(当然ながら、脱いだ制服は着ている)。その際にエリスに対しても、体を拭かないか尋ねた所、拭くと答えた為にシャロンは、アイテムボックスから別の布を取り出して、エリスに渡した。
ところがエリスは布を受け取ったが、何故か上着を脱ごうとせずに、顔を赤くしながらモジモジし始めた。
「? どうしたエリス? 体拭かないのか?」
「あ、あの…シャロン様…申し訳ありませんが…部屋を出て下さいますか…? その…恥ずかしいですので…」
どうやらエリスは、シャロンの前で脱ぐのを躊躇っている様であった。
「…別に良いだろ? 俺が目の前に居ても…さっきも言ったが、俺は中身は男のまんまなんだから」
「シャ…シャロン様が良くても、私が恥ずかしいんです!!!」
恥ずかしそうに叫ぶエリス。それに対してシャロンは、やれやれといった感じで、ベッドから腰を上げる。
「俺の恋人は恥ずかしがり屋だな…しょうがない…終わるまで外で待ってるからな」
「すみません、シャロン様…」
シャロンは手をヒラヒラ振りながら、部屋を出て行った。
シャロンが部屋を出て行ったのを確認すると、エリスは制服の上着に手を掛けて、脱ぎ始めた。やがて制服を脱いだエリスの上半身が現れた。その姿は筋肉がついておらず、胸が真っ平の女の子の様な体であった。
エリスはそんな女の子の様な体を見ながらも、シャロンから渡された布で、体を拭き始めた。
※ ※
体を拭き終わったエリスは、制服を着直すと、廊下で待機していたシャロンを呼んだ。
部屋に入ったシャロンは、エリスに対してベッドに入ろうと話し、二人はベッドへと潜り込んだ。尚、前日はエリスがシャロンのベッドに入ったが、今回はそれぞれのベッドに入った。
「なあエリス」
「何ですか?」
シャロンがベッドから話しかけると、エリスは毛布から顔を出して返事をした。
「さっきお前は、俺に上半身の裸見られる事に、恥ずかしがってたけど、俺達恋人同士なんだから、別に恥ずかしがる事ないんじゃないか?」
「…それはそうですけど…やっぱり恥ずかしいんです…」
「双子の姉のレイナには、流石に見られた事はあるんだろ?」
「それは姉上ですから…私だって姉上の裸なら、見た事ありますし…」
「!? マジか!? お前ら其処迄の関係なのか!?」
いくら同じ顔の双子の姉とはいえ、年頃の少女の裸を見たというのは、シャロンも驚きであった。
「あっ! 昔です昔! 小さい頃の話です!」
「だよな…ビックリした…」
「何言ってるんですか、シャロン様…あの頃は私も、自分の事を『僕』って呼んでましたけど…あの頃には私は周りから、姉上の『弟』ではなく『妹』として、見られる事が多かったですね…」
「…そういえばエリス…よく新入りの竜騎士の男達に、告白されているよな」
シャロンはエルセラで、副団長や団長としての仕事をしている時、エリスが新たに入団してきた、若い竜騎士の男の子に、告白されているのを見ていた。
「そうですね…皆さん私が男だって知ると、驚いてガッカリしてしまいますし…」
「そりゃそうだろ…傍から見れば、エリスは絶世の美少女と言っても言いくらい、顔立ちをしているんだからな…俺だって最初は女の子だと思ったし…」
そう言ってエリスを見ると、エリスは何故か布団で顔半分を、恥ずかしそうに隠す様にしていた。
「?…何してんだ?」
「だって…シャロン様が私の事を…絶世の美少女だなんて言うから…」
「ほんとの事だろ…レイナと一緒で双子の美人姉弟だろう」
「ッッ!!! お、おやすみなさい!!!」
そう言うとエリスは、反対方向を向いて眠ってしまった。
『…俺、変な事言ったか、ヨン?』
シャロンは心の中で、ヨンに尋ねた。
『マスターが無自覚に、タラシの様な事を言うからです』
『別にそんなつもりで、言ったんじゃないけどな…ヨハンにだって、同じ様な事を言うし…』
『…ヨハンといえば、先程のマスターとヨハンとの逢引きですが…アベルが見ていましたが…』
『…だからか。エリスに俺がヨハンと恋人関係だって事を聞いていたのは…まあ別に困らないけどな…俺とヨハンが愛し合っているのを知らしめる、いいチャンスだ』
『愛し合い過ぎて、マスターが引かれない事を案じます』
『…ヨンさぁ…それ嫌味か…?』
シャロンはヨンに尋ねたが、ヨンは何も答えなかった。仕方なくシャロンはヨハンと念話で話そうとしたが、既に眠っている為か、応答は無かった。
「…寝るか。今日は疲れたからな…」
そう呟いて数分後、部屋の中にシャロンとエリスの寝息が響き渡った。
う~ん…今回も少々危険かな…。
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