175・ボス達との戦闘 2
時間かかった上に、そんなに長くないですわ…ホンマに堪忍。
それから数分後…盗賊の群衆に近づく、二人の人影があった。エリスとアベルである。それに盗賊達も気づいた。
「何だぁ、アイツ等…?」
「ロクザルで雇われた、冒険者だろう」
「男と女…しかもたった二人かよ」
「男の方はどうでも良いが、女の方はなかなかの上玉だなぁ」
盗賊達はエリスとアベルを見て、そう感想を述べた。
「何か言っているな…何を言ってるんだ?」
アベルが言った。
「恐らく私達の事でしょう…それよりアベルさん、シャロン様の作戦どおりに、お願いします」
「ああ、分かってる…盗賊がこっちに向かってきたぞ」
アベルの言う様に、数名の盗賊達が、此方に向かってきていた。
「何だガキじゃねぇか…オイガキ! そっちの女と武器を寄こしたら、命だけは助けてやるぜ…」
盗賊の一人が、下卑た笑みを浮かべながら言った。それに対してエリスは嫌悪感を込めた表情を見せた。
「だれがやるか、バカ!」
アベルは言うと、腰の裏に両手を回した。
「男のガキはやっちまえ!」
盗賊の一人が声を上げながら言うと、一斉にエリスとアベルに襲いかかってきた。
「…これでも…食らえ!」
そう言ってアベルは、両手を前に出した。その手にはシャロンの銃であるイングラムM10が二丁握られていた。
パララララ!!!
アベルが引き金を引くと、イングラムから無数の弾丸が飛び出し、盗賊達を撃ち抜いていった。
「ぐわぁ!?」
「ぎゃあ!?」
撃たれた盗賊達は、悲鳴を上げて倒れていく。
「何だアイツ!? 変な道具を取りだしたかと思ったら、いきなり仲間達が倒れていく!?」
盗賊達はアベルが取り出したイングラムの正体が分からず、ただ動揺して逃げ回るしかなかった。
パララ…カチッ!
とその時、イングラムの弾が切れた。
「弾が切れた! エリス、シャロンの作戦通りに頼む」
「分かりました」
アベルがイングラムのマガジンを外そうとした時、盗賊達はアベルの攻撃が止んだ事で、再び向かってきた。
それより早くエリスは、自分の腰のホルスターに入ってある、ワルサーPPK/Sを抜いて、盗賊達に向けた。
パァン! パァン! パァン!
銃声と共にワルサーから放たれる弾丸は、盗賊達の頭を的確に撃ち抜いていった。
「なっ!? あの女も同じ様な道具を使うぞ!?」
盗賊達は更にパニックになる。
「よし良いぞエリス! 交代だ!」
再びアベルがイングラムを構えて、銃撃を行う。
※ ※
「何だ!? 何が起きているんだ!?」
後方にいる盗賊のボスが、突然の攻撃に動揺する。
「…俺の仲間が、攻撃をしているんだよ」
「!?」
突然背後から声を掛けられたボスは、慌てて振り返った。其処には…。
「ハロー♪」
右手に細長い剣を持ち、背中に大きな槍を背負った蒼銀の髪の美少女・シャロンが立っていた。
何故エリスとアベルだけ戦って、シャロンはボスの背後に回れたのか…。
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