141・高らかなる宣言
諸事情により、『竜の子達』は削除しましたが、久しぶりに投稿しましたわ。どうか楽しんで読んで下さいな。
慌ててヒカリ達が、倒れたセイイチに駆け寄った。
「気絶しているだけだ…騎士団員に話して、医務室にでも連れて行くと良い」
それだけ言うと、未だに蹲っているヒナタの元へと行った。
「大丈夫か? ヒナタ」
ヒナタに手を貸しながら尋ねるシャロン。
「…うん。おおきになシャロン」
シャロンの手を取って立ち上がるヒナタ。
「それより大丈夫か? さっきもまた咳してたじゃないか?」
「大丈夫や! また気管支に唾詰まらせたんや」
「またか!? お前良く詰まらせるな…まあヒナタが大丈夫なら良いだろう」
そう言うとシャロンは、ヒナタから離れて、何処かに向かいだした。
「何処行くんや?」
「ヨハンの所…ちょっと疲れたからイチャイチャしてくる」
「リア充爆発しろ!」
そう言いながら、シャロンを見送ったヒナタだった。
※ ※
「はっ…」
セイイチは騎士団の医務室で目を覚ました。
「カミヤマ君。大丈夫?」
担任であるヒカリが、心配そうに声を掛ける。
「…ええ、僕は大丈夫ですが…あの副団長は何処に行きました?」
「シャロンさんの事? どうして彼女の事が気になるの?」
ヒカリが尋ねると、セイイチは体を起こして言った。
「この僕があんなにあっさり負けるなんて、彼女は何かズルをしたに決まっています!」
そう叫ぶとセイイチは、ベッドから降りて、医務室を飛び出した。ヒカリは医務室に居た救護団員に頭を下げると、セイイチの後を追った。
医務室を出ると、セイイチは廊下を歩いていた騎士団員を呼び止めていた。
「おい、あの副団長は何処に居る?」
尋ねられた団員は、セイイチの態度に若干嫌悪感を示しながらも答えた。
「シャロン様なら、ドラゴンの方の建物に行っています。ヨハン殿に会いに行っているのでしょう」
「そのドラゴンの居る場所は何処だ!?」
「……」
団員は仕方なく、その場所を教えた。
※ ※
「ヨハ~ン♪」
一方その頃シャロンは、ヨハンの柔らかいお腹に寄り掛かって、思いっきり甘えていた。
「どうしたのシャロン? 今日は妙に甘えてくるじゃないか」
「う~ん…ちょっとさっきムカつく奴とバトルしたんだ…勿論俺が勝ったけどさ…で、今はその自分へのご褒美タイム」
「ムカつく奴…?」
「良いよヨハンは気にしないで…それよりもっとイチャイチャしようぜ」
「もう、シャロンたらぁ…」
苦笑するヨハンだったが、満更でもない様であった。それを見ていた他の竜騎士やドラゴン達は…
「…ブラックコーヒーでも飲みたい気分だ!」
「…ああ、そう思う」
そう言葉を零すのであった。その時…
「見つけ…た…ぞ…」
「?」
声がした方が見ると、其処にはセイイチ達勇者が居た。
「何だ? まだ何か用があるのか?」
先程の甘い声とは一転して、固い口調で言いながら、シャロンはヨハンのお腹から起き上がった。
「その白いドラゴンは…」
セイイチが茫然とした口調で尋ねた。
「? ヨハンの事か? ヨハンがどうした?」
「どうして…こんな所に『伝説の神竜』が居るんだ!?」
「『伝説の神竜』? 何だソレ?」
シャロンが尋ねるが、セイイチは無視して、俯きながらブツブツと何かを言い始めた。
「そうか…伝説の神竜が居るから、こんなに上手く洗脳が掛かるのか…そうかそうだったんだ…洗脳の黒幕はクサナギじゃなくて、副団長のシャロンだったんだ…」
「お前、何訳の分からない事を言っているんだ?」
何かの悪役にされているシャロンは、再度尋ねた。するとセイイチはバッと顔を上げた。そして…
「伝説の神竜! こんな所で間違った力を使わないで、僕達と共に来て、その力を正しく使うべきだ! うんそうだ!」
と、高らかに宣言するセイイチだった。
極限までヘイトを高めさせるセイイチ…ドアホや!
さてと、前書きでも言いましたが、『竜の子達』は削除しましたが、代わりの新作を作成していますは、此れを投稿しようか悩んでいます。もし何かご意見がありましたら、活動報告か本作の感想でコメントをして下さいな。
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