13・盗賊団との戦闘 1
短いですわ。
一方村では、盗賊団が村を襲撃して、食料や金品等を奪っていた。村人達はパニックになって逃げ惑い、なかには盗賊によって家を燃やされている所もあった。
「村にしゃちゃあ、よく蓄えてるじゃねぇか!」
盗賊の頭らしき、髭面の大男が叫ぶように言った。
「野郎共! 構うこたぁね! 好き放題に暴れやがれ!」
「「「おおっ!!!」」」
頭の掛け声に、手下の盗賊達は鼓舞する様な声を上げた。その時…
「おっ!」
手下の一人が村の入り口に、蒼銀の髪の美少女の姿を発見した
「へへっ!」
手下は下卑た笑みを浮かべて、少女へと近づいていった。少女は俯いており、ゴーグルをしていて、表情が分からなかった。
「よぉよぉ姉ちゃん。こんな時化た村に何か用かい? 何にも無いんだったらよぉ、俺達と良いことしねぇかい!?」
少女は俯いていた顔を上げた。
「…おじさんは? 盗賊の人?」
少女はあどけない口調で、手下に話しかけた。
「そうだよぉ! だからさぁ、痛い目にあいたくなかったら、大人しくしてた方がいいぞぉ…」
少女の体を舐め回す様に見ながら手下は言う。
「そう…なら…俺の敵だな!」
「!?」
ガンッ!!!
少女‐シャロン‐の豹変と共に、手下は股間に激痛を感じて倒れこんだ。
「何処の世界でも、男の弱点はココなんだな」
シャロンは片足を振りながら言った。手下の股間を蹴り上げたのだった。
「しかし嫌な感触だったな、もしかして潰れてないか…ってかこれじゃ、俺のステータスが強いのか分からないじゃないか」
「おいお前!」
盗賊の頭が、シャロンに仲間がやられた事に気づいた。
「よくも手下をやってくれたな…お前ら! やっちまえ!」
頭の声と共に、大勢の手下がシャロンに向かってきた。
シャロンは咄嗟に建物の陰に隠れた。そして腰のホルスターから拳銃を取り出した。
「…流石に殺すのは覚悟は出来ないな…」
そう呟くとシャロンは、銃を下方向へと向けた。その時…
「おらぁ居たぞぉぉ!!!」
「!」
手下の何人かが、シャロンの前に現れた。
「やっちまえ!」
「らぁあ!」
「おらぁ!」
手下がシャロンに襲いかかろうとした。
ダァン! ダァン! ダァン!
三発の銃声が鳴った。
「ギャア!」
「痛てぇ!」
「な、何だ!?」
三発全ての弾丸が、盗賊の手下の何人かの足に命中した。それにより無傷の手下達も一瞬怯んだ。その隙をシャロンは見逃さすに、その場から走りだした。
「追え! 逃がすな!」
無傷の手下達がシャロンを追いかけてきた。
盗賊の一人の手があと少しでシャロンに手が届きそうになった時、シャロンは突然振り向いた。そして間髪入れずに、腹部に蹴りを入れる。
「ゲハァ!?」
蹴りを入れられた盗賊はそのまま吹き飛び、後ろに居た他の盗賊にぶつかった。
「おいおい、只の蹴りであそこ迄飛ぶなんて…やっぱり俺強くなっているのか?」
少しずつであるが、シャロンは己の強さを理解し始めた。
シャロンは再び銃を構えて、残りの盗賊の手足に向けて発砲した。弾は一寸の狂いもなく、シャロンの狙った場所に命中した。
追跡してくる盗賊が、全員戦闘不能の状態になったのを確認すると、シャロンはその場から移動していった。
第5話の『ステータス確認とスキル』において、銃の装弾数を十五から十二発に変更しましたわ。今更ですがシャロンの持っている拳銃は、『H&K MARK23』通称・ソーコムピストルですわ。