129・ヨハンVSレオン 1
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騎士団会談から数か月が過ぎた。
『俺がこの世界に転生してきて、一年くらい経過したかな…』
訓練場で戦っているヨハンを見ながら、シャロンは思った。ヨハンは今他のドラゴン達と組手による戦闘訓練を行っていた。
「ハァッ!」
ヨハンが放った掌拳が、他のドラゴンを吹き飛ばす。
「ま、まいった…」
掌拳を食らって倒れ込んだドラゴンが、降参を宣言した。
「やっぱり強いな~…俺の恋人は…」
顔をニヤけさせながら、シャロンは呟いた。
「何やっとんねん?」
其処に現れたのは、団長のヒナタであった。傍らにはレオンも居る。
「うん? ヨハンの組手を見ていたんだよ…」
そう言いながらヒナタの方に振り向くシャロン。シャロンの視界にヒナタの他にレオンも入る。
『そういえば、レオンってヨハンと違って腹筋割れていて、それはそれで魅力的だよな…胸筋もヨハンとは優劣つけ難いし…』
シャロンはレオンのジャケットの間から見える、胸筋や腹筋に見惚れていた。
「おい、何見惚れてんねん。彼氏の居る前で!」
ヒナタの言葉でシャロンはハッとして、首を横に振った。
「いや違う! レオンのジャケットがオシャレだな思っただけだ! うんマジで!」
慌てて誤魔化すシャロンだったが、ヒナタにはバレバレだった。
「絶対嘘やな…そういえば、レオンとヨハンって戦った事がないな…」
「…そういえばそうだな…ヨハンは此処数か月、第七チームのドラゴンや第六チームのドラゴン。その他に色々なドラゴンと対決しているけど、レオンとは一度もないな」
「なら、戦ってみいへん?」
「? 今からか?」
「今戦わなかったら、何時戦うねん…此処じゃ狭いから…外に行こうや!」
「外で…? そんなにレオンって強いのか?」
「そりゃそうや! 何たって騎士団長のボクのパートナーやし、ボクと会う前までは暴れん坊のドラゴンやったんやで」
「それは前に聞いたけど…分かった。じゃあヨハンを呼んでくるから」
そう言うとシャロンは、組手を終えて談笑しているヨハンの所に行った。
「悪いなぁ、勝手に決めたりして」
ヒナタがレオンに言う。
「別に良いさ。俺もアイツ(ヨハン)と戦ってみたかったしな」
レオンは勝手に決めた事を気にしていない様であった。
「それより俺は…お前が心配だけどな」
「それで戦いに気を逸らすなや」
「分かっているよ」
シャロンがヨハンを呼んでくるまで、そんな会話をしたヒナタとレオンであった。
※ ※
シャロンとヨハン。そしてヒナタとレオンはエルセラの外へとやって来た。二体の戦いには、多くの騎士団の観客も集まっていた。
「あ~あ…ちょっとしたお祭り騒ぎになっちゃったよ」
「まあええんやないか? 団長と副団長のドラゴンとの一騎打ちなんて、そうそう見れるモンじゃないやろ」
シャロンの言葉にヒナタはそう返した。そんな中レオンが口を開いた。
「ヨハン。少し離れるぞ。俺達の戦いの余波でエルセラに被害が出るといけないからな」
「分かった。じゃあシャロン行ってくるよ」
「頑張ってなヨハン」
シャロンの応援を受けると、既に飛び立っているレオンの後を追って飛び立った。
やがてエルセラから離れた場所に降り立つと、二体は向かい合いながら5m程離れた。
「俺も本気で行くから、お前も本気で来いよ」
そう言いながらレオンは、背中に背負っている大槍・ボルテックスを抜いて構えた。
「うん。分かったよ」
そう言うとヨハンも、腰に着けている日本刀・蒼銀を鞘から抜いた。
「それじゃ…行くぞ!!!」
その言葉と共に、レオンはヨハンに向かって駆け出した。
バトル開始ですわ。
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