124・騎士団会談 3
PV150000越えましたわ。皆さんホンマにおおきに! 今回で会談は終わりです。
「では次に、ライジル竜騎士団の団長・ゼクセル殿」
「我が竜騎士団には何の問題も無い。魔物も盗賊も全て見つけ次第駆逐している」
ゼクセルは偉そうな口調でそう言い切った。
「…では最後に、モウゼル竜騎士団団長・グスタフ殿」
「我等の竜騎士団も問題ありません。鉱山から発掘される資源も何の問題もなく、各国と貿易可能です」
グスタフはそう言った。
「分かった…最後になるが、四年前にこの大陸とは別の大陸が、勇者の召喚を行ったのは知っているな?」
「……」
イグネが言うと、ヒナタの表情が険しくなった。
「その勇者が近々この大陸に訪れるという…そうなった場合、各国の対応に任せる。以上! 今回の会談を終える」
イグネの言葉で騎士団会談は終了した。
※ ※
「グスタフのおっちゃん!」
会談を終えた直後、ヒナタはグスタフに話しかけた。
「さっきはおおきにな。庇ってくれて」
「なに気にするな。お前の所からは先代から何度も食料支援を受けているからな」
グスタフは豪快に笑いながら言った。
「それでなんやけどおっちゃん。今回も鉱山で採れた資源とかは持ってきてるやろ?」
「ああそうだが…今回お前達エルセラは、何も持ってきていないだろ? 来た時お前の部下達を見たが、何も持っていなかったぞ!」
グスタフがそう言うと、ヒナタはニヤリと笑った。
「フッフッフッ…そう思うやろけど、実は違うんやな~…シャロン」
「ハイハイ!」
シャロンはアイテムボックスから、事前に収納されていた、貿易用の食料を取り出した。
「なっ!? ア、アイテムボックスか!?」
グスタフはとても驚いた様子を見せた。
「ああそうや。このシャロンはアイテムボックスを持っているんや! そん中に今回の取引の物資も入っておるで!」
「成程…アイテムボックスなら、聞いた話が本当なら保存は利くしな…分かった。とりあえずドラゴンの所に来てくれ、其処で取引をしよう!」
「はいな!」
どうやら取引の可能までは出来たらしく、ヒナタとグスタフは談笑をしながら、外へと向かいシャロンもその後に続いた…その様子をゼクセルはずっと見ていた。
※ ※
「これで取引成立やな」
ヒナタはシャロンが出した物資を渡し、代わりにグスタフから頂いた鉱石等を、シャロンのアイテムボックスにしまった。
「まさかその白いドラゴンの契約者が、その新しい副団長だとは思わなかったな!」
「俺…じゃなくて私はシャロンと言います。この白いドラゴンはヨハンと言います」
シャロンは自分の事を、何時もの様に『俺』と言いそうになったので、慌てて修正した。それに対してグスタフは笑いながら言った。
「口調は気にするな。現にヒナタの口調も誰も気にしていないだろう?」
「グスタフのおっちゃんは、こんな性格だから気にするなや」
グスタフとヒナタに言われて、シャロンはリラックスする事にした。
「じゃあヒナタ、シャロン。次の会談で会おう」
そう言うとグスタフは、自分のドラゴンの所に行き、そのドラゴンに乗って、自分が率いてきた部下達と共に去っていった。
「…さて、会談も終わったし、おっちゃんと取引も無事完了出来たから、帰るか…あとシャロン。今回取引出来た鉱石等は、銃の作成に使ってええで!」
「ホントに!? ありがとうなヒナタ」
「まあそれでエルセラの戦闘力が上昇するんやからな。ほな帰ろうや」
ヒナタはそう言うと、レオンの所に歩いて行った。シャロンもヨハンの所に行こうとした時だった。
「待て! 小娘!」
「!」
何かと思い振り返ると其処には、ライジル竜騎士団の団長・ゼクセルが部下を率いて歩いてきた。ゼクセルの背後には、先程シャロンに頭を下げた、あの若い騎士も居た。
「ゼクセル殿…何か御用ですか?」
「お前の持っているアイテムボックスと、特殊な武器の製造術を儂に譲れ!」
シャロンが尋ねると、間髪入れずにゼクセルは言った。
何を言い出すのかゼクセル…次回修羅場です。
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